2017年にグラビアアイドルとしてデビューし、2021年よりセクシー女優として活躍している
安位薫
さん(26歳)。ミステリアスな印象が強いが、どのような本音を抱いているのか。
「一度だけ、セクシー女優を引退しようとしたことがあります。でも母が、『いいじゃん。辞めなよ』と言ってくれたことで、むしろまだまだ頑張れると思いました」
高校時代から撮影会モデル、地下アイドルとして活動し、その後はグラビアアイドルからセクシー女優に転身。安位さんのこれまでの紆余曲折な人生、そして家族への強い想いを余すことなく語ってもらった。
セクシー女優になるためにグラドルとして頑張っていた
――2021年に20歳でセクシー女優としてデビュー。それまではグラビアアイドルとして活躍していました
。
「もともと私は、『とにかくお金が欲しい』という気持ちが強い子だったんです。家庭の事情……というか、おもに父のせいで、裕福とは言えない環境で育ちました。なので、高校生の時から、違法ではないけれど稼げるアルバイトを探していて、辿りついたのが撮影会モデルだったんです。撮影会の拘束時間は14~22時で、日給1万8000円。JKにしてはイイ金額のバイトでした」
――その流れでグラビアアイドルに?
「実は、この話はあんまりしたことがなかったのですが……。16歳の時に数ヶ月間だけ地下アイドルをやっていたことがあるんですよ。でも、その事務所の社長がめちゃくちゃヤバくて。セクハラはするわ、ギャラは払わないわ……速攻で辞めて、『ちゃんとしたところでグラビアアイドルをやろう』と決意したんです」
――そんな背景があったとは!グラドルの事務所は自ら探したのですか?
「はい。当時好きだったグラドルさんがいた事務所に自分で応募をしました。問い合わせを送った当日に『面接をしたい』と連絡があって、すぐ地元の群馬県から東京に向かいました」
――それから間もなくデビューを?
「そうですね。17歳でグラビアデビューをして、事務所はそこから3年間同じところに所属していました。でも、ぜんぜん稼げなかったです。雑誌に載っても、表紙だったとしても、基本的にはギャラはゼロ。貰えたとしても、上限が5000円くらい。実質、収入源は撮影会だけでしたね」
――セクシー女優になった経緯は?
「グラビア時代の事務所の社長から、その話を持ち掛けられたんです。当時はまだ10代だったので、20歳になったらセクシー女優になることを目指していました。そのためにも知名度を上げるべく、グラドルとして一生懸命頑張っていたんです」
グラドル時代に受けたハラスメントの数々
――セクシー女優になることに抵抗はなかったのですか?
「というよりは、グラドル時代に嫌な思いをしすぎたんですよね。例えば、とあるイメージDVDの撮影現場でのセクハラ。カメラマンに下半身を押し付けられながら、撮影に挑んでいたことがあります。嫌だったけど、我慢して頑張りました」
――そんな露骨な行為が!?
「でも、本番はここからです。その日はコテージに泊まったのですが、そのカメラマンの部屋が隣だったんです。ちょっと変わった作りの部屋で、バスルームがガラス窓越しに隣の部屋と繋がっていたんですよ。シャワー中にふと上を見てみたら、そのガラス窓にカメラが設置されていることに気づきました。そこからヌっと手が出てきたので、リアルタイムで撮っていたんだと思います」
――それって完全に盗撮じゃないですか!
「私は抗議したのですが、カメラマンはいっさい認めませんでした。結局、すべてうやむやにされて、もみ消されてしまったんです。50代の男性が10代の女の子にもそういうコトをするという事実がすごくショックでしたね。しばらくの間は部屋に閉じこもって、本気で死ぬかどうか悩みました。でも、よくよく考えたら、私は16歳の時にも30代の撮影会代表からセクハラを受けていたんですよ。改めて、当時の私が置かれていた環境は危険だったと思います」
――なるほど。逆にセクシー女優の現場では、その時以上のコトは起こらないだろう、と。
「とはいえ、自分の行為を撮られることに対して、本心では『ありえない』と思っていました。だから私のデビュー作って、あまり評価が高くないんですよね。スタッフさんは気を使ってか『ありのままでいい』と言ってくれたのですが、だからこそ、緊張でまともに喘ぐこともできなくて……難しかったです」
――今はセクシー女優の仕事についてどう捉えているのでしょうか。
「あれから6年経って、奥深い世界だと実感しています。見た目が可愛いだけでは人気は出ない。撮影では自分が気持ち良いだけではダメだし、演技力や魅せ方も考えなければいけない。どうしたら良い作品が作れるのか、日々模索中ですよ。よくスタッフさんは『楽しんでやればイイんだよ』と言ってくれますが、実際はそれだけではいけないことを、私は肌で感じているんです」
「セクシー女優であること」で人間関係に苦労したことはない
――周囲の方にセクシー女優であることをカミングアウトはしていますか?
「うちは家族も親戚もみんな知っていますね。もともとグラドルになったことを周知していたので、それを追っていけば、おのずと辿り着いてしまうし(笑)」
――最初に報告した際の親御さんの反応は?
「母は賛成してくれました。父は『おまえ、度胸あるな!』と(笑)。友達もみんな応援してくれているんですよ。だから、セクシー女優になったことで人間関係に苦労したことはまったくないです」
――辞めようと思ったことはありますか?
「1回だけありますね。撮影が思ったよりもハードで、挿入時に痛みも凄かったんです。でも、スタッフからは『これくらいで?』みたいな反応をされて、『現場でこんな仕打ちをされるなんて!』と、帰りの電車の中で泣いて泣いて……」
――確かにそれはツラい……。
「その日は実家に帰ったので、母が車で迎えに来てくれたんです。その時に『セクシー女優を辞めようと思う』と初めて言いました。そしたら母に『いいじゃん、辞めなよ』『働ける場所なんていくらでもあるよ』って言われました」
――あの、活動に賛成していたお母さんですよね?
「そうです。でも、私はその言葉に救われたんです。『まだまだ頑張れる』って思えました。辞めようと思えばいつでも辞められる。何より、『辞めてもいい』と言ってくれる存在があることへのありがたみを感じたんです」
――お母さんは本当はセクシー女優に賛成でも反対でもなく、安位さんの気持ちに寄り添ってくれていたんですね。
「私は東京に住んでいますが、休みの日はなるべく家族といられるように、群馬に帰省しているんです。姉も仕事のことを『応援する』と言ってくれているので、母と姉と私、女同士で仲良しなんですよ」
――お父さんは?
「頑固親父で10代のころから相性が良くなかったです。でも、父は映画にめっちゃ詳しくて、いつも家では何かしら映画が流れていて。そのおかげで私も映画が大好きになった。この1点だけが、父の好きなところです(笑)」
――安位さんといえば、映画やマンガに詳しく、DJ活動もしているサブカル女優でもありますよね。
「というか、オタク女優です(笑)。他の子との差別化をはかれるように、グラビア時代からなるべく、そういう側面をファンに見せるようにしていました。DJ活動はずっとやっていきたいんですよ。それだけで食べていけるわけではない現状ですが、音楽関係の仕事をもっと増やしたいとは思っています」
――セクシー女優の仕事については?
「まだまだやり足りないのが本音です。もっとユーザーさんに『イイぞ!』と言ってもらいたいし、なおかつ自分も楽しみたい。ワガママかもしれませんが、両方を良いとこ取りしたいんです」
――将来の最終的な目標は?
「10年、20年先のことはまだ考えていないですね。でも、家族に恩返しをしたい気持ちは強いです。セクシー女優を辞めるまではひたすら貯金して、そのお金を運用していくような形で稼げればとは思っています。ただ、家族も仕事も、あることが当たり前ではないとわかっています。だから、すべてのことに感謝の気持ちを忘れずにいたいですね」
――ありがとうございました!
<取材・文・撮影/もちづき千代子>
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