「トランプの言いなり」パラマウント上空に抗議の横断幕

パラマウント・スカイダンスCEOデビッド・エリソン

「トランプの言いなり」パラマウント上空に抗議の横断幕

9月5日(土) 13:00

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ハリウッドにあるパラマウント・スタジオの上空を、抗議の横断幕を引いた飛行機が飛んだと、米バラエティが報じている。横断幕には「エリソンはトランプの言いなりだ」と書かれており、誰が仕掛けたのかは分かっていない。

パラマウントは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを約1110億ドル(約17兆円)で買収しようとしている。連邦の司法省は6月にこれを承認した。だが、2社がひとつになれば作られる映画が減りかねないとして、カリフォルニア州など12の州と米脚本家組合が差し止めを求めて提訴しており、裁判は来年3月に始まる。

期限も迫っている。10月1日までに統合が成立しなければ、パラマウントはワーナーの株主に1日700万ドル(約11億円)を払い続けることになる。

飛行機が飛んだ同じ日、パラマウントの門の前では、統合に反対してきた連合「ブロック・ザ・マージャー」が記者会見を開いていた。映画人や言論団体が集まった組織で、これまでに5600人を超える業界関係者が署名した書簡と、17万1000筆の請願を、提訴を主導するカリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官の事務所に届けている。

会見は、州の司法長官たちに訴訟を取り下げないよう求めるためのものだった。連合側は、飛行機は自分たちの仕掛けではないとしている。

エリソンCEOとトランプ大統領の近さは、かねて指摘されてきた。パラマウントは昨年7月、CBSの報道番組「60ミニッツ」の編集をめぐってトランプ大統領が起こした訴訟を、1600万ドル(現在のレートで約25億円)を支払って和解している。その直後、放送を所管する米連邦通信委員会が、スカイダンスによるパラマウント買収を2対1で承認した。

承認に賛成した委員長は、トランプ大統領が指名した人物だ。民主党の議員からは腐敗だという批判が出て、下院が調査に入っている。エリソンCEOは今年4月にも、ワシントンで大統領をたたえる晩さん会を開いた。オラクルを創業した父のラリー・エリソンも、大統領と親しいことで知られる。

買収の前後で、CBSも変わった。トランプ大統領を追及してきた報道番組「60ミニッツ」では、統括プロデューサーのビル・オーウェンズが「正直な報道に必要な独立性を失った」として昨年4月に辞任した。和解を「巨額の賄賂」と呼んだスティーブン・コルベアの「ザ・レイト・ショー」も、打ち切りが発表されている。

スカイダンスは認可を得る際、CBSニュースに報道への苦情を受けるオンブズマンを置くと当局に約束していた。その職には保守系シンクタンクの元代表が就き、編集長には言論サイト「フリー・プレス」のバリ・ワイスが起用されている。

懸念はCNNにも向いている。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーはCNNを傘下に持ち、統合が成れば、CBSニュースとCNNという二つの報道網が一つの会社の下に並ぶ。承認を得るために、父のラリー・エリソンがCNNの刷新を申し出たとも、トランプ大統領に抜本的な変更を約束したとも報じられてきた。エリソンCEOはCNBCの番組で、CNNの編集の独立は保たれなければならないと述べている。

統合の成否を分ける10月1日の期限まで、1カ月を切っている。

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Photo by Gilbert Flores/Variety via Getty Images
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