9月19日から奈良市で開幕し、9回目となる「なら国際映画祭2026」で、黒木瞳・常間地裕共同監督作「指飛行機の行方」がワールドプレミア上映される。
25分のドキュメンタリー「指飛行機の行方」は、フィールドレコーディングと証言の断片から、過去、現在、そして未来をつないでいく作品だ。その出発点には、黒木瞳自身の40年にわたる思いがあった。
1985年8月12日、日本航空123便が群馬県・御巣鷹の尾根に墜落し、520人が犠牲となった。本作は、一人の若い音楽家が音を探す旅の途中で群馬の山里を訪れ、沢のせせらぎや自然の音、人々の証言に耳を傾けながら御巣鷹へと向かい、そこで拾い集めた「声」や「音」を音楽として再構築していく姿を描く。
事故で亡くなった520人の中には、宝塚歌劇団の同期生であり、黒木の親友だった吉田由美子さん(芸名・北原遥子)もいた。黒木は事故から40年となった2025年8月12日、初めて御巣鷹への慰霊登山に参加。「彼女の最期の場所を見ておかなければいけないと思うまでに、私には40年かかりました」と振り返っている。
本作は、俳優として長年スクリーンで活躍してきた表現者が映画監督として作品を生み出し、一方で世界を舞台に活躍する映画監督が俳優としてカメラの前に立つ特別プログラム「女優から監督へ監督から女優へ」で上映される。
同プログラムでは、黒木の「指飛行機の行方」のほか、松田美由紀が44年前に共演した原田美枝子を自ら演出し、監督・脚本・編集を手掛けた15分の短編作品「カラノウツワ」、映画監督として世界で活躍する河瀨直美が俳優として出演、第38回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、母娘を演じた福地桃子と揃って最優秀女優賞を受賞した、中川龍太郎監督「恒星の向こう側」の3作品が上映される。
「なら国際映画祭」は、奈良の平城遷都1300年にあたる2010年に、映画作家・河瀨直美をエグゼクティブディレクターに迎えて始まった、2年に1回開催される映画祭。インターナショナルコンペティションやNARA-wave学生映画コンペティションを軸に、「ユース映画制作ワークショップ」作品、また、なら国際映画祭オフィシャルパートナーであるベルリン国際映画ジェネレーション部門からの推薦作品や、カンヌ国際映画祭の短編作品、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア優秀作品など、多彩な映画作品を上映してきた。
「女優から監督へ監督から女優へ」は、演じることと撮ることは、どのようにつながり、互いの表現を変えていくのか――3人の表現者がそれぞれ異なる方向から映画という場所へ「CROSS」する、なら国際映画祭ならではの特別プログラムとなる。「なら国際映画祭2026」は、9月19日から9月23日までの5日間開催。
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