市川團十郎、史上初!ベネチア映画祭レッドカーペットに歌舞伎衣装で世界を魅了「炭治郎のベースはこっち!」

市川團十郎、史上初!ベネチア映画祭レッドカーペットに歌舞伎衣装で世界を魅了「炭治郎のベースはこっち!」

9月4日(金) 11:00

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第83回ベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に出品された「襲名」上映に先駆け、9月3日(現地時間)に三池崇史監督、市川團十郎、市川新之助がレッドカーペットに参加。團十郎は、歌舞伎演目「男伊達花廓(おとこだて はなのよしわら)」の江戸一番の男伊達と称される御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)の衣裳で登場、今回のために制作した「成田屋」と書いた和傘を差し、背中に尺八を背負った伊達男として、堂々の見得を切った。

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カンヌ・ベルリン・ベネチアの世界三大映画祭のレッドカーペットを歌舞伎の衣裳で歩くのは史上初の試みで、全世界のメディアに向けて歌舞伎の魅力を発信。衣裳の艶やかさ、そして團十郎の粋な一挙手一投足に海外メディアを魅了した。

三池監督にとって初のドキュメンタリー映画となる本作は、日本の伝統芸能である歌舞伎の名跡継承という極めて私的かつ公共性の高い瞬間にカメラを向けたもの。3年以上にもおよぶ撮影期間の中で、市川團十郎の姿を通して「継承」と「個」の葛藤を描き出す。

国際映画祭への参加は初となる團十郎は、「ベネチアというイタリアのこの街は元からすごく好きで。幼い時から父・12代目團十郎と一緒に来ていて思い出がたくさんある土地でもあります。みんなと一緒に作っていった作品で、こういうベネチアという土地にお招きいただけて、しかもそれが父も関わる作品で、そこに孫にあたる新之助も一緒に来ることができるというのはご縁があるのかなと感じています。街を歩いていると父のことや、あとは妻と新婚旅行でイタリアに来た時のことをいろいろと思い出しながら時を過ごしています。一緒に泥温泉に行ったり、レストランでイタリア語で注文した思い出など、懐かしい思い出がたくさんあります」と振り返る。

歌舞伎の演目衣装で登場するにあたり、「歌舞伎役者ということと、『襲名』が歌舞伎のドキュメンタリー映画ですので、今回は歌舞伎役者というものを世界に押し出していこうということで。ちょっと大変なんですけど、これから白塗りして衣装をつけて。本当は嫌なんですけど(笑)、世界の方々に歌舞伎という文化やその伝承、継承というものがこういう世界観であるよということが少しでもお目に留まるように、暑い中準備します」と意気込みを語る。

「男伊達花廓」の御所五郎蔵を選んだ理由は「この作品は自分たちで作って、自分の襲名披露でかけた作品です。『助六』や『勧進帳』もありますが、海外の方には誰が誰だかわからないだろうなと思いまして。男伊達という粋な、ぱっと見はわからないけれどよく見るとかっこいいというような、日本の奥ゆかしさや文化の良いところが、着物に描かれた龍の墨絵や、市松模様の帯からも、『炭治郎のベースはこっちだよ!』というところも含めて(笑)、よく伝えられると思いました。また、日本の文化にはすべてが完璧な中に完璧があるのではなく『欠けているものの中に良さを見出す』、茶道の言葉でいうところの『わび・さび』というものもあると思います。映画祭の中でこういう格好をしていくことはある意味どこか欠けていて恥ずかしい部分もあるのですが、そういった欠けた部分を補う意味でのわび・さびが、歌舞伎のスピリットや伝統と組み合わさるようにと願っています」と思いを込めた。

4年がかりで三池監督が記録した映画「襲名」について、「今回の作品は、私が目にしていない部分も出ていて。親としては涙が出るというか、感動しました。やっぱり『市川團十郎になる』ということは、自分が團十郎になるのと同時に、今回の父もそうでしたが『次の市川團十郎を作る土台を築く』という作業でもあるんです。だから自分のことばかりをやっているわけにはいかない。その中で、新之助という名を継ぐということがどういうことか、今はまだ分からなくて良くて、父を見ていても何も思わなくて良くて、その空気感を感じながら成長していく過程なんです。でも、迷い、努力、才能、そして持って生まれた感覚。そういうものが彼の中にあるというのは見ていて思うので、それが今13歳の本人の中でこれからどういう段階を経て変わっていくのかな、と見守っています。今はこうしてベネチアへ来させていただいて大変幸運だなと思いますし、まだ海のものとも山のものとも分からない状態ではありますけれど、そういう中でもこうした経験をさせていただいて、彼自身の成長にとって、映画から今日までが1つの作品だと私は思っています。やっぱりそういうところを期待しながら見ています」と日本伝統文化の担い手としての継承、そして父親の立場としてしみじみ語る。

新之助は「初めて出演させていただいた映画で、ドキュメンタリー映画なので本当の自分を撮っていただく恥ずかしい気持ちもありました。でも、そうやって自分を振り返るというのはなかなか機会がないので、映画にして見させていただくというのはすごくありがたかったです」とコメント。

久々のベネチア参加となった三池監督は「この作品で戻ってくることができて嬉しいです。さっき主催者の方とご挨拶したんですが、この作品をすごく気に入ってくれていて。『ものすごく美しい作品だ。今までやってきた血が出たりするのを全部リセットしたね』と褒めてもらいました。でも、みんなにとにかくこの2人(團十郎・新之助)を見てもらう、目撃してもらう。それがこの作品の自分にとってはテーマなので、上映がすごく楽しみです」と期待を述べ、「自分は歌舞伎の専門家ではないですが、市川團十郎という男のある一面はよく知っている。だから『歌舞伎を見てほしい』というよりは、市川團十郎とその息子・新之助という2人を目撃してほしい。ご覧になった人が『伝統芸能を見に行こう』ではなく『團十郎を観に行こう』となってくれたら嬉しいです」と語った。

團十郎は「文化の伝承というのはスムーズにはいかないものですが、平和があってこそ紡がれていくものです。そういった平和への思いを感じていただくと同時に、監督が仰ったように『團十郎や新之助の歌舞伎を観てみようかな』と思ってもらえたら、それが一番の歌舞伎への貢献になると思っています」と歌舞伎への自身の思いの丈を述べていた。「襲名」は9月25日から全国公開。

【作品情報】
・ 襲名

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(C)Kazuko WAKAYAMA
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