裏世界で生きる者たちの抒情詩ジャン=ピエール・メルビル「ギャング」4Kリマスター版11月27日公開

メインビジュアル

裏世界で生きる者たちの抒情詩ジャン=ピエール・メルビル「ギャング」4Kリマスター版11月27日公開

9月4日(金) 18:00

提供:
巨匠ジャン=ピエール・メルビルの伝説的映画「ギャング」が4Kデジタルリマスター版で11月27日から公開される。メインビジュアルと特報映像(https://youtu.be/YTvs0QhfvSA)、映画評論家の山田宏一氏からの推薦コメントが披露された。

友情、名誉、忠誠、裏切りといった男たちの美学を生涯描き続け、ヌーべルバーグの作家たちに愛され、サム・ペキンパー、ジョン・ウー、ジョニー・トー、北野武ら世界中の映画人にも多大な影響を与えた、ジャン=ピエール・メルビル監督。「ギャング」は、メルビル作品の最高峰との誉れ高く、アラン・ドロンが絶賛してメルビルとの仕事を切望、次作「サムライ」へと結実したといわれる伝説的な映画だ。日本公開時に30分もカットされるという憂き目に遭い、その後もVHS販売のみ、特別上映を除いて長らく鑑賞が困難だった大傑作だ。

大物ギャングでありながら、誰よりも仁義を重んじるギュスターブ・ミンダ、通称ギュが脱獄し、元情婦のマヌーシュの住む暗黒街に帰ってきた。マヌーシュと仲間のアルバンの世話になるギュだったが、辣腕のブロ警部が執拗に彼を追う。危険が迫る中、ギュは新しい生活のために、最後の大きな賭けを決意する…。裏世界で生きることの孤独、老いることの哀愁。冷酷なサスペンスと、燃えるような興奮、そして切ない愛が繊細に描き出された、闇に生きる者たちの抒情詩。

殺獄した大物ギャングのギュを演じるのは、「墓場なき野郎ども」「冒険者たち」「シシリアン」など多くの暗黒犯罪映画で活躍した大スター、リノ・バンチュラ。本作では「最後の大勝負」に出る壮年のギャングを悲哀と男気たっぷりに熱演。ほか、「悪魔のような女」「ル・ジタン」のポール・ムーリッス、「穴」「パリから来た殺し屋」のミシェル・コンスタンタンほかいぶし銀の俳優たちが顔をそろえる。

11月27日からYEBISU GARDEN CINEMA、シネマリスほか全国順次公開決定。

▼山田宏一(映画評論家)コメント
「ギャング」(原題は「第二の息吹き」)。
脱獄から逃走、強盗、殺し合いに至るまで、日付と時刻付のドキュメンタルな事件簿といった構成のギャング映画だ。
ギャング出身の作家、ジョゼ・ジョヴァンニの原作、フランス暗黒街映画の名匠ジャン=ピエール・メルビル監督の呪われた名作である。呪われた? なにしろ、2時間半の大作を30分もカットされて日本公開されたのだから。今回はもちろん完全版の上映である。
暗黒街の男たちが出入りするナイトクラブの、モノクロだが華麗な踊り子たち。
夜の世界とは対照的な白昼の山道の壮烈な襲撃シーン。
組織の男たちと一匹狼のにらみ合い。
脱獄したものの獄中でぐっと老けこんだリノ・ヴァンチュラの老醜と哀愁が入れ混じってにじむギャングの肖像。
第二の息吹きはよみがえるのか。
一途に待ちつづけ、老いてなお美しいクリスチーヌ・ファブレガの心意気の情婦。
血なまぐさい仁義なき闘争の果てに、老いらくのふたりのそこはかとない愛の讃歌に終わる粋な幕切れ。
いんちきな罠にかけられて仲間を売ったという汚名をそそぐために仕返しの告白書を書かせて殺した相手の仲間の殺し屋どもと命がけで射ち合うリノ・ヴァンチュラを見て、警部のポール・ムーリッスがそれまでの執念の犯人追跡を忘れたかのような人情ぶりを見せるところもある。
人間関係がややこしくて長すぎる観もあるのだが、その長めの複雑さがまさに暗黒街の組織の一筋縄では行かないおそろしさの反映でもあるのだろう。アメリカのギャング映画などとはまた一味違う残虐性や凄味のある傑作と言いたい一篇だ。

【作品情報】
・ ギャング

【関連記事】
・ 【動画】「ギャング」特報映像
・ ジャン=ピエール・メルビル関連作品情報

©1966 Edition René Chateau.
映画.com

エンタメ 新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ