9月19日から奈良市で開幕し、9回目となる「なら国際映画祭2026」の記者会見が9月4日都内で開催され、映画祭アンバサダーをNHK連続テレビ小説 ばけばけ」や「SHOGUN 将軍」などに出演する俳優トミー・バストウが務めることが発表された。
「なら国際映画祭」は、奈良の平城遷都1300年にあたる2010年に、映画作家・河瀨直美をエグゼクティブディレクターに迎えて始まった、2年に1回開催される映画祭。インターナショナルコンペティションやNARA-wave学生映画コンペティションを軸に、「ユース映画制作ワークショップ」作品、また、なら国際映画祭オフィシャルパートナーであるベルリン国際映画ジェネレーション部門からの推薦作品や、カンヌ国際映画祭の短編作品、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア優秀作品など、多彩な映画作品を上映してきた。
会見では、まず河瀨監督が、今回のテーマである「Cross」と、映画祭開催のねらいについて解説。「『Cross』には深い思いが込められています。コロナ禍以降、世界各地で様々な分断が見受けられるようになりました。だからこそ文化の力で国境をしっかりと繋ぎ、人々が分断するのではなく繋がり合いたいという思いを込めてこのテーマを掲げました。奈良はもともと、シルクロードの最終着地点です。1300年ほど前にはすでに国際的な観光都市でした。現在も平日で1日5万人弱の観光客が海外から訪れています。文化や国境を超えて様々な方々がこの街で交差している、まさに交差点のような場所です。その交差点で皆様を温かく迎え入れ、場を開いていきたいと考えています」と語る。
そして、約6年ぶりとなる東大寺大仏殿前での世界の平和を祈る「祈りのレッドカーペット」とオープニングセレモニーについて「1300年前、聖武天皇が大仏様を建立された背景には、世界の平和や分断の解消という祈りがありました。世界中で混沌や分断が続く今だからこそ、セレモニーという形ではなく、世界平和への祈りを込めた“場を開く”儀式として行いたいと考えています」と説明した。レッドカーペットは一般からも参加者を募り、また普段は閉ざされている「中門」が特別に開かれ、奈良の「せんとくん」と、万博公式キャラクター「ミャクミャク」が並んでゲストを出迎えるという、貴重な光景も実現する。
映画祭の核となる「インターナショナルコンペティション」と、世界の学生映像作家を対象とした「NARA-wave 学生映画コンペティション」は、世界81カ国・地域から、両部門合わせて1438作品の応募があり、インターナショナルコンペティションに8作品、学生映画コンペティションに10作品が選出された。インターナショナルコンペティションの審査委員長を「007 慰めの報酬」などハリウッド大作でも活躍するオルガ・キュリレンコが務め、ほか審査員メンバーには世界の映画祭で活躍する女性映画人が並ぶ。
そのほか、俳優の黒木瞳、松田美由紀らによる監督作のプレミア上映、日本・イタリア国交樹立160周年を記念した特別プログラム、学生や若手の映画制作支援など、同映画祭の多岐にわたる活動と、今回の見どころを紹介した。
アンバサダーに就任したトミー・バストウは、「驚きましたが、大変光栄に思っています」とコメント。「あん」や「2つ目の窓」など河瀨監督作品に「大変感動し、涙がこぼれました。映画のテンポ感や人間同士の深い絆、そして生と死というテーマに強く共鳴した」そうで、「美しい奈良で、皆さんと素敵な映画を観るのを楽しみにしています」と映画祭参加への期待を語る。
最後に河瀨監督が「映画館という空間で知らない誰かと一緒に映画を観て、自分の人生と作品が交差するような体験こそが映画祭の醍醐味。奈良という人の温かさに満ちた街で、唯一無二の映画体験を楽しんでいただければ」と呼びかけた。「なら国際映画祭2026」は、9月19日から9月23日までの5日間開催。
▼なら国際映画祭2026」開催概要
◆開催日:9月19日~9月23日
◆開催場所:奈良市ならまちセンター市民ホール/奈良公園バスターミナルレクチャーホール/東大寺総合文化センター金鐘ホール/春日大社 感謝・共生の館ほか
◆実施内容:インターナショナルコンペティション/NARA-wave学生映画コンペティション/カンヌ国際映画祭招待作品上映/ベルリン映画祭スポットライトジェネレーション部門優秀作品上映/ショートショートフィルムフェスティバル&アジア優秀作品上映/NARAtive、NARAtiveJr作品上映/ユースシネマプロジェクト等
◆チケット:Peatix(https://niff2026main.peatix.com/)にて随時発売
【作品情報】
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