2025年2月、アイドルグループ「timelesz」の新メンバーとして、寺西拓人が加入した。2024年9月からNetflixで配信された、オーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(通称タイプロ)は、社会現象にもなった。
加入後、寺西にはこんな呼び名が定着した。「国民の元カレ」。このキャッチーな語感に寺西の魅力が全て集約されている。毎週木曜よる10時から放送されている『ラストノート』(フジテレビ系)は、まさに「国民の元カレ」感が極まる主演ドラマだ。
キャッチーでいて深みがある。そんな寺西拓人の演技について、“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
光沢感があるシルバー色の容器ボトル
まつ毛に潤いを与える、ラッシュアディクトの美容液のTVCM「続ける人は、美しい。」篇が、2026年5月から放送されている。アンバサダーとして起用されたのは、timeleszのメンバーである寺西拓人だ。
水面の上に浮かぶ月に寝そべる寺西が、何ともシルキーな表情と声色で美容液の質感を伝える。そして、美容液が入ったシルバー色の容器ボトルを、優しいタッチの指先で包む。偶然にも、放送中の主演ドラマ『ラストノート』の初登場場面でも、同じような色と光沢感がある容器ボトルを手にしている。
本作第1話冒頭、香料メーカーに勤務する主人公・一瀬葵(内田有紀)が、通勤中の駅のコンコースで慌てて走りだす。その瞬間、彼女はカバンから香水を持ち運ぶ容器ボトル(アトマイザー)を落としてしまう。
ちょうど後ろにいた樋口澄晴(寺西拓人)の足元まで転がり、このシルバー色の容器ボトルを拾うという発端場面が描かれる。
TVCM的映像からゆるやかに変化する過程
この投稿をInstagramで見る 寺西拓人/Teranishi Takuto(@takuto_teranishi)がシェアした投稿
澄晴がアトマイザーを拾う様子を、カメラは背後に回り込みながら捉えていた。(カメラが)ぐるり一周したところで、澄晴が手元にサッと視線を落とし、アトマイザーを見つめる。そしてまた視線を上げ、葵が走っていった方をじっと見つめる。
カメラワークに合わせた、この流れるような視線移動。シルバー色の容器ボトルが不思議と一致していることもあいまって、これがTVで放送されるドラマ仕立てのCM映像であっても全然おかしくはないように思う。
冒頭場面はあくまでキャッチーに描写する。その上で主演俳優の演技をじっくり見せていく。本作にはそんな意図があるように思う。第1話冒頭から第3話終盤にかけて、TVCM的映像からゆるやかに変化する過程に、視聴者は不思議と引き込まれていくからだ。
「国民の元カレ」という呼び名
この投稿をInstagramで見る 寺西拓人/Teranishi Takuto(@takuto_teranishi)がシェアした投稿
澄晴は、巧みな話術と恋愛心理を利用して、女性たちに価値のない絵画作品を高額で購入させる。葵の親友・佐川優子(坂井真紀)も騙された1人で、葵はお金を取り返すために澄晴の尻尾を掴もうとする。そこに思わぬ闖入者(ちんにゅうしゃ)が介入してくる。
第1話ラスト、澄晴が葵の誕生日を祝って花束をプレゼントしたところに、澄晴の父・樋口眞澄(佐々木蔵之介)が物凄い剣幕でやってくる。澄晴は咄嗟に葵の手を握り、その場から逃げ出す。2人が走る横移動のワンカットが少しおざなりな映像に見えるのだが、それは杞憂に過ぎない。
第3話で、心がすり減り、仕事も何も投げ捨て覚悟を決めた澄晴が、「今さらこんな俺が何か変えられるのか?」と心の中で自問しながら闊歩する、横移動のカットは本当に素晴らしい映像だ。他にも、絵画教室の恩師と再会する場面など、陰影に富んだ寺西の表情にとろけてしまいそうになる。
Timelesz加入後、寺西には「国民の元カレ」という呼び名が定着した。国民全員の記憶に甘い日々を共有しているかのような、その呼び名はキャッチーでいて深みがある。
少し儚げな余韻もある。澄晴が見せる表情がまさにそれだ。父との過去に葛藤しながら、人を騙していたが、改心した澄晴に「国民の元カレ」の分身を思わず見てしまう。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。X:@1895cu
【関連記事】
・
旧ジャニーズで「誰これ?」状態だった16年間――31歳遅咲きマンが奇跡の大ブレイク中。大人女性が沼ってる!
・
「ジャニーズ改名」から3年…今期連ドラで“主演5人”の大逆転。忖度なしの時代に「STARTO社起用」が続く納得の理由
・
夏ドラマ「絶対面白い」5選。“国民の元カレ”も気になるけど、圧倒的本命作で“18年ぶり主演”を飾る超実力派女優とは
・
『ラストノート』『君の好きは無敵』…なぜ“年上女×年下男”ドラマが増えている?業界人が「必然」と感じた3つの理由
・
松嶋菜々子が28年ぶりの帰還!蒼井優、内田有紀…“レジェンド級女優”が夏ドラマに集結。必見の夏ドラマ5選