(画像/PIXTA)
9月1日(火) 12:00
リクルートが2026年9月に発表した「住み続けたい街ランキング2026(首都圏版)」。隔年で実施する調査の4回目となる今回は新たに、テーマ別に街の魅力を集計したランキングを初公開!「子育てしやすい街(駅)ランキング」で東京市部1位に輝いた「唐木田」(東京都多摩市)について、子育て環境を中心にご紹介していこう。
多摩ニュータウンの一角、唐木田が「子育てしやすい街」東京市部1位に!「住み続けたい街ランキング2026(首都圏版)」は首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に住む20歳以上の男女に行った調査。「住んでいる街に今後も住み続けたい」と支持された街に関する魅力などを調査してランキングしている。今年から新設した「子育てしやすい街(駅)ランキング」は、街の魅力を探る45項目のうち子育て・教育に関連する7項目をピックアップし、住民による各項目の評価点を基にランキングしたものだ。
この「子育てしやすい街(駅)ランキング」で東京市部1位になったのが、東京都多摩市の唐木田(からきだ)駅。同駅は多摩市の西端に位置し、北側に八王子市、南側には町田市が迫るロケーション。そして多摩市、八王子市、稲城市、町田市の4市にまたがる多摩丘陵に形成された日本最大規模の計画都市、「多摩ニュータウン」の一角をなす地区でもある。多摩ニュータウンは「歩車道分離」を原則として街づくりが計画され、加えて唐木田エリアでは幹線道路沿いを中心に電線類の地中化も実施されている。そのため通行のしやすさや景観のよさが保たれている点が魅力の一つ。「日本一長い」と言われる総延長約41kmもの遊歩道も張りめぐらされ、豊かな緑を感じながら気軽に散策できる。
■駅周辺マップ
唐木田駅周辺にはスーパーはもちろん、子どもがDIY体験もできるホームセンター「DCM」、子ども用品店や家電量販店、飲食店などが集結したショッピングモール「ぐりーんうぉーく多摩」も。さらに1駅お隣の多摩センター駅にもショッピングモールや映画館があるので、わざわざ遠出せずに買い物や食事を楽しめる便利な環境だ。
都心に出る場合は、小田急多摩線の通勤急行に乗れば新宿駅まで乗り換えナシでアクセス可能。平日7時台の通勤急行に乗れば、新宿駅まで最短43分で到着する(※8時台は48分)。唐木田駅は始発駅のため、混雑する時間帯でも座って楽々と通勤・通学できるのが嬉しいところだ。新宿駅の手前、代々木上原駅で接続する東京メトロ千代田線に乗り換えると表参道駅や大手町駅にもアクセスしやすいほか、唐木田駅から1駅目の多摩センター駅からは京王相模原線も利用可能だ。
■唐木田駅~都心方面の路線図
小田急線沿線には「サンリオピューロランド」最寄りの多摩センター駅、「藤子・F・不二雄ミュージアム」最寄りの登戸駅など、子ども連れで行きたい街も複数。
※唐木田駅からの所要時間
条件:平日8:00~8:30の間に出発するダイヤの中で有料特急を除く最短の分数(「駅探」調べ)
沿線・駅の一部を省略して表記
(出典/リクルート「住み続けたい街ランキング2026 首都圏版」記者発表資料)
唐木田エリアのどんな点が「魅力的」「子育てしやすい」と支持されたのかを見ていきたい。今回調査で「住んでいる街の魅力」として設定した選択肢45項目のうち、唐木田で高く支持されたのは以下の10項目。1位になった「公園が充実している」は、調査対象となった首都圏の駅のなかでも最も高い偏差値を獲得した。続いて街の景観や街並みに関連する項目が上位に並び、魅力的な図書館やコミュニティセンターがあるといった公共施設が充実している点も高く評価されている。
また、多摩市が2026年1月に発表した調査では、多摩市に対する「生活環境満足度(住みよさ)」は91.3%もの層から肯定的な回答を得ている。
※出典/多摩市「第41回 多摩市政世論調査報告書」。生活環境満足度は「住みよい」「どちらかといえば住みよい」を選択した割合の計
さらに多摩市では、2020年~2024年の全転入者のうち57.2%が20歳~30歳代の子育て世代。そして2022年~2024年の3年間には、ファミリー世代(0歳~14歳と30歳~39歳)において約1500人の転入超過を記録したのだそう。唐木田エリアを含む多摩市は「子育て世代から選ばれる街」として、注目度が急上昇中なのだ。
※出典/多摩市「たま広報」2026年4月1日号。総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告年報」、多摩市「市民課の概要(令和6年度版)」の集計結果
子育て世代から熱視線が注ぐ多摩市。その背景には、手厚い子育て支援策の存在もありそう。同市では2022年に「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例(子若条例)」を施行し、子ども・若者を「まんなか」に据えたまちづくりを推進している。この子若条例の下、子ども・若者を誰一人取り残さず、大切にする計画「子ども・若者・子育てプラン」を推進中だ。そして多摩市の取り組みに加えて、もちろん東京都の各種支援も利用できる。
また、唐木田駅は「カップル&ファミリー向け」賃貸住宅の家賃相場12万円以下の街を対象とした「家賃が手頃×住み続けたい街(駅)ランキング」でも東京市部5位にランクイン。家賃相場は11.4万円、専有面積の中央値は62.3平米と、都心部の代々木上原駅よりも広いのに、家賃は半額以下に収まる。1駅しか離れていない多摩センター駅と比べても、広さ・家賃を考えるとだいぶリーズナブルに住むことができるようだ。東京都&多摩市の手厚い子育て支援が利用でき、かつ都心部よりも住居費がリーズナブルというのは大きな魅力だろう。
多摩市では充実した子育て環境を知ってもらえるよう、2024年より「たまこどもフェス」を開催。幼稚園・認可保育所・認証保育所や市内の子育て関連団体と市が協働し、「子育てしやすいまち多摩市」としての魅力をアピールするイベントだ。会場では様々な体験型コンテンツが催され、親子で楽しく遊びながら子育て支援情報を得たり、子育ての不安・悩みを気軽に相談できる機会となっている。市の担当者によると、来場者からは「目いっぱい遊べて時間が足りないくらい」「子育てしやすそうな街だと感じた」といった声が寄せられているという。
「たまこどもフェス」は年に一度の遊べる祭典だが、街には日常的に子どもが楽しめる施設も充実。唐木田駅の近くにある「アクアブルー多摩」は通年利用可能な温水プールを備え、併設の運動施設ではキッズチアダンスやキッズダンスの教室も開講されている。また、多摩センター駅近くの「多摩市立中央図書館」は児童向け書籍を置いた2階を「おしゃべり可能」としたり、親子で靴を脱いで寛ぎながら本が読めるスペースを用意するなどの工夫が凝らされ、小さな子ども連れでも利用しやすい。
唐木田エリアで子どもを育てる家庭にとっては、市内10カ所に設置された「子育てひろば(地域子育て支援拠点)」の一つ「唐木田児童館」も見逃せない存在だ。「子育てひろば」は保護者が気軽に立ち寄り、仲間づくりの場となることを目指した取り組み。各拠点では日常的にイベントが開催されている。
「唐木田児童館」では0歳児向けと1歳~未就学児向けの親子の集いをそれぞれ週1回、実施。催しの内容は地域の子どもたちの年齢やニーズに応じて企画する。また、「年に3回、子育て関連組織の担当者が情報交換をするネットワーク会議を開いているほか、地域の保育所や幼稚園とは日常的に連絡を取り合っています」と話すのは、同児童館の館長・石丸 剛さん。ネットワーク会議には助産院や保育所、幼稚園の地域担当者、市のこども家庭センターの保健師などが集まり、地域の出生状況や入園状況から、保護者の要望まで密に情報を共有し、課題解決に向けた協議を行っているという。
妊娠期向けのプレママ講座を開いたり、初めて来館するきっかけづくりとしてお茶を飲みながら交流する機会を設けたり、中央大学の学生ボランティアの協力による遊びプログラムを実施するなど、さまざまな取り組みを通じて孤立しない子育てを応援する「唐木田児童館」。石丸館長は、「支援をお届けするのが私たちの役割ではありますが、児童館は利用者さんあってのもの。一方的なものではなく、お子さんや保護者さんが何を求めているか探りながら、一緒につくりあげていきたい」と話してくれた。
唐木田エリアの魅力1位になった、「公園が充実している」点についても見ていこう。実は多摩市は、市の面積に対する公園面積の割合も、人口1人あたりの市立公園面積も東京市部で1位!(※)それだけに唐木田周辺にも多彩な公園がそろっている。遊具で遊べるのはもちろんのこと、田植えができたりコンサートが楽しめたりと、さまざまな体験活動の舞台としても公園が活躍しているのだ。
※市面積に対する公園面積の割合、人口1人あたりの市立公園面積…出典/東京都建設局「公園調書 令和7年4月1日現在」
数が豊富なうえに、その活用法もバラエティに富む多摩市の公園。市の公園緑地課にお話をうかがうと、「これまでの公園の使い方の概念にとらわれず、地域の方々の“やりたい”を実践できる場として活用していただければと考えています」とのこと。一方で、多摩ニュータウンの開発にともなって整備されたため老朽化が心配される公園もあったり、時代の流れとともに多様化する市民ニーズに対応しきれていない面もあるそう。そこで2023年には「多摩市パークマネジメント計画」を策定し、よりよい公園づくりを進めている。
その一環として社会実験「ときめきフェス」を開催。これは地域の人々の意見を公園づくりに活かすため、市民参加ワークショップで考えた公園活用のアイデアを実施する試みだ。公園緑地課の担当者は「火の使用やキッチンカーの出店、インラインスケートなど、これまでは公園でできなかった体験を楽しめて、“公園活用の幅が広がった”と言っていただく機会も増えました。今後も公園再編の取り組みを進め、地域の要望に応えられる新たな公園の整備を目指します」と話している。
「唐木田児童館」では子どもや保護者と一緒に交流の場を作ることを重視し、公園づくりでも住民の意見が活かされている多摩市。こうした市民の声を反映した街づくりがされていることが、唐木田エリアで子育てをする大きな魅力といえそうだ。
●取材協力
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東京都多摩市
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アクアブルー多摩
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多摩市立図書館
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多摩ニュータウン野外コンサート
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