「デビュー前から大注目」というふれこみの、“謎の5人組ボーイズグループ”、RUNIDRE(ランアイドリー)。8月30日にファーストEP「Let’s Live Like RUNIDRE!」が配信スタートし、正式デビューしました。
嵐そっくり!は「わざと」か「被害妄想」か
直前まで、メンバー名さえ伏せられていたRUNIDRE。
8月24日に公式ビジュアルとメンバー情報が解禁されるやいなや、SNSでは
《どことなく嵐に似てる》
《すんごい平成感。昔の嵐かおもた》
《昔の松本潤みたいな人がいる》
などの声が続出。
国民的アイドルグループ「嵐」の約20年前の姿、特にシングル「Happiness」(2007年)を連想する人が多く、ネット上で大きな話題を呼んでいました。
「嵐」は今年5月31日、東京ドームでラストライブを行い、26年半にわたる活動に幕を下ろしたばかり。そんな“嵐ロス”ともいえる時期に登場したのが5人組の爽やかな男性グループ「RUNIDRE」です。
いまやボーイズアイドルグループがひしめき合う“令和の戦国アイドル時代”。平成のアイドルカルチャーがZ世代を中心にリバイバルするなかで、「RUNIDRE」のビジュアルに漂う“平成感”を、むしろ新鮮に受け止める人も少なくないようです。
今回の騒動(?)を報じたネットニュースのコメント欄には、
《見たけど被害妄想だ草原と平成ファッション、これしか共通点がない》
《最近平成の髪型とか服がまた流行ってるから5人組だとそう見えるのはわからないこともないけど、別に叩く必要がない》
など、過剰に「嵐」を結びつけることへの疑問や、擁護の声も寄せられています。
その一方で、一部の嵐ファンからは、単なる「似ている」という指摘にとどまらない、複雑な反応も。
《明らかに寄せててなんか無理…。結局話題になってるから戦略勝ちなんだろうけど》
《ぜんぜん嵐じゃない、嵐っぽさ狙わないでほしい、嵐は嵐しかいない》
といった“モヤモヤ感”を抱く声が相次いでいました。
ファンにとって「嵐」は単なる国民的アイドルではなく、青春そのもの。その大切な記憶や世界観が、SNS上のマーケティングツールとして“消費”されているように感じられてしまったことが、物議を醸す大きな要因となったのかもしれません。
音楽も嵐に似ているか?
では、かんじんの音楽は、どうなのか? 嵐に似ているのか?
そこでファーストEP「Let’s Live Like RUNIDRE!」収録の5曲を、音楽ライターの石黒隆之さんに聴いてもらうと――たまたまなのかマーケティングの結果なのかは別として、「嵐と同じ系統」との評価でした。
「具体的に嵐のどの曲に似ているというより、構造とテクスチャーが同じ系統ですね。
たとえば、ラップも櫻井翔の具体的なモノマネではなく、アクの強さのエッセンスを抽出しています。
ポップス調の曲でも同様です。嵐の個別のタイトルを思い起こさせるのではなく、『嵐ってこんな感じだったかも』という、よい意味で人々の曖昧な記憶に訴えかける、絶妙の塩梅(あんばい)だと感じました」(石黒さん)
そしてRUNIDREの音楽を一言でいえば、“王道アイドルポップス”という印象だそうです。
「踊れてラップもできてカラオケでも歌える音楽。総花的、幕の内弁当的で、どこからでも取っつきやすいですね。プラス、現代的でシャープなエッジのあるサウンドで、単純にかっこいい。
しかし、いま、M!LKに代表される三枚目的な飛び道具のような曲がバズるご時世で、RUNIDREがどれほどのインパクトを与えられるか、なかなか興味深いところです」(同)
若き女性プロデューサーの“バズる仕掛け”
では「RUNIDRE」とは、一体どんなグループなのでしょうか。
8月24日に公開された公式情報によると、メンバーは咲太朗さん、弓木大和さん、鈴木大介さん、加藤優太さん、そして元STARTO ENTERTAINMENT所属の森本悠阿さんの5人。これまで俳優やタレント、芸能事務所の育成プログラムなどで活動してきたメンバーもおり、それぞれ異なるバックグラウンドを持っています。
そんな5人をプロデュースするのが、若き女性・片山彩夏(さやか)さん。2024年にブレイクした「こっちのけんと」さんをプロデュースした片山さんは、SNSを起点に楽曲やアーティストを広げていく手法を得意としているようです。
今回の「RUNIDRE」も、いきなり5人の顔を見せるのではなく、まずは謎の5人組として始動。8月17日に後ろ姿を公開したのち、24日にメンバーの顔やプロフィールを解禁、公式YouTubeでは「RUNIDRE」のスタートまでを描いたモキュメンタリー映像を公開するなど、SNS上で徐々に情報を拡散させる手法が取られています。
https://www.youtube.com/watch?v=Kh6ZzBMNyFA&t=2807s
モキュメンタリー映像は、片山Pの語りから始まって5人を叱るシーンなどもあり、リアリティショーを意識したような作りです。
そして、デビュー当日に早くも、東京・台北・ソウル・香港でのワンマンツアー(12月1日~)が発表されました。
ファンコミュニティは、韓国のHYBE傘下
また、RUNIDREの公式ファンコミュニティが、「Weverse」(ウィバース)上で運営されることにも注目です。Weverseは、あのBTSらを擁する韓国の大手芸能事務所「HYBE」傘下のグローバルプラットフォーム。
いずれWeverseが企画制作するコンサートや有料配信にも参入するのかもしれません。
ちなみに2026年7月、元SMAPのマネージャーで現在は「新しい地図」が所属するCULENの代表取締役・飯島三智氏が、HYBEの日本法人、HYBE JAPANの“J-POPエグゼクティブプロデューサー”に就任したことでも話題となりました。
嵐だって大ブレイクまで10年かかった
RUNIDREは、若手プロデューサー片山彩夏氏によるSNS時代の仕掛けに加え、世界規模でアーティストを展開するHYBEも絡む、注目度の高いプロジェクトと言えるのかもしれません。
だからこそ、今回話題になっている“嵐っぽさ”も、単なる偶然なのか、それとも計算されたブランディングなのか――気になるところです。
ただ、いくら仕掛けが絶妙でも、長く続く人気を得られるかは別問題。あの嵐だって、デビューシングルこそ大ヒットしたものの、CD売り上げが徐々に下がる冬の時代が続き、大ブレイクして紅白歌合戦に出たのはデビュー10年後でした。
それを乗り越えて不動のスターとなった嵐のようなねばり腰を、RUNIDREが見せてくれるか楽しみです。
<文/逢ヶ瀬十吾(A4studio)>
【逢ヶ瀬十吾/A4studio】
(あいがせじゅうご/エーヨンスタジオ)編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。有名脚本家に師事している脚本家の卵。映画・ドラマ・舞台などエンタメ全般に興味を持つ。『エンターテイメントって何?』を追求していきたい。
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