「ボラット」で知られるサシャ・バロン・コーエンの新作映画をめぐり、英国で上映を見送るよう求める運動が起きていると、米バラエティが報じている。復活したキャラクター「アリ・G」が黒人への偏見を広めているとして、批判が強まっているという。
アリ・Gは、コーエンが1998年に英チャンネル4の番組「The 11 O'Clock Show(原題)」で生み出したキャラクターだ。黒人の若者文化にかぶれた白人青年になりすまし、実在の著名人に的外れな質問をぶつけては、相手を戸惑わせる。今回の新作「Ali G: Who Iz I?(原題)」は、2002年の映画「アリ・G」以来、スクリーンでは24年ぶりの復活になる。
運動を呼びかけているのは、報道を監視する英国のサイト、ニュースコードだ。予告編の公開直後にキャンペーンを立ち上げており、賛同者が登録すると、本人に代わって各国の劇場チェーンに上映しないよう求めるメールを送る仕組みになっている。同サイトは、これまでに3万6000通を超える送信依頼が集まったとしている。矛先を劇場に向ける理由については、「スクリーンは劇場チェーンのものであり、どの作品をかけるかは彼ら自身の選択だ」と説明している。
批判は今に始まったものではない。アリ・Gの登場から2年後の2000年、英国の黒人コメディアンたちはすでにこのキャラクターを「人種差別のアリバイ」と呼んでいた。なかでも草分け格のフェリックス・デクスターは、白人の中間層が自分は差別的でないという体裁を保ったまま黒人文化を笑える、その口実をこのキャラクターが与えていると論じた。運動側は、この26年前の言葉をそのまま持ち出している。
運動が早くも実を結んだと受け取られた場面もある。ニュースコードが、英国の劇場チェーンであるピクチャーハウス・シネマズから「現時点で上映の予定はない」という返信を得たと公開し、英国の一部メディアが上映拒否と報じた。ただし、これは上映がまだ決まっていない作品への問い合わせにチェーン側が返す定型文にすぎず、実際にどう扱うかは決まっていない。
反発が出ること自体は、コーエンも見込んでいたようだ。予告編を投稿した際、こう書き添えている。
「不謹慎なジョーク一つでコメディアンの経歴が終わる時代だ。ここは安全第一でいこうと思って、こいつを連れ戻すことにした」
新作は、10月23日に全米公開される。
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アリ・G
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Photo by Rick Rycroft-Pool/Getty Images