北村匠海「不思議と涙が出てしまいそう…」宮沢りえ&内山拓也監督と「しびれ」完成披露で感無量

宮沢りえ、北村匠海、内山拓也監督

北村匠海「不思議と涙が出てしまいそう…」宮沢りえ&内山拓也監督と「しびれ」完成披露で感無量

8月30日(日) 13:20

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北村匠海が主演し、宮沢りえが共演する映画「しびれ」の完成披露上映会が8月30日あり、上映後に北村、宮沢と内山拓也監督が舞台挨拶に立った。

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本作は、「佐々木、イン、マイマイン」で高い評価を得た内山拓也監督による最新作。内山監督自身の故郷である新潟を舞台に、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を自伝的作品として描き出す。

鑑賞後の観客の前に立った北村は「本当にやっとこの日を迎えられたな」と感無量の面持ち。「観終わった後の皆様が感じた空気だけで、不思議と涙が出てしまいそうな……僕らと同じ感情をきっと共有してくれたんだなというのを感じております」と挨拶。

北村の本作出演の経緯は、内山監督から「見たことのない、初めて見る北村匠海を僕は撮りたい」とある種ラブレターのような企画書を受け取ったことから始まったという。「監督の人生が描かれている半自伝的な話を演じるにあたって、その覚悟は自分にあるのか…と自問する時間もあったのですが、そこから一緒に暗闇の中を模索しました。でも最後、監督の『僕とこの作品で心中してくれ』という言葉を聞いて、やろうと。そこですべてが決まっていた気はします」と振り返る。

言葉を発さない役柄については「ある意味すごく枷や縛りがあるような感じがするかと思うのですが、役者としては逆に可能性が無限に広がる感覚がありました。言葉で今起きている出来事を説明しないからこそ、目に見えている景色、降っている雪、その冷たさとかお互いの心の温度だったり、そういうものにものすごく敏感になれるすごく自由度の高い役。常に内山君と二人で『今起きていることをどう見つめるか』をピュアにやり続けた」と述懐。

母親役の宮沢とは初共演だ。「僕が初めて宮沢さんと対峙した時は、本当にお互い役としても現場でも全く話さなくて、ただ見つめ合うだけという時間だったんです。全部撮影が終わって宮沢さんがクランクアップした後にポスター撮影などをした時に、なんて明るい人なんだろう!と思いました(笑)。現場ではお互い大地と亜樹としての距離感があったのですが、『私、怖くないから!』と言われて(笑)。大地として心がほどけた感覚がありました」と笑顔で語り、その瞬間の明るい表情がポスターに映し出されていると説明した。

大地の幼少期から青年期まで、4人の俳優と対峙し、母親を演じた宮沢は「自伝的な作品という面はありますけれど、この『しびれ』という作品の中では亜樹という魂があって、お母様になろう、ということよりは「私はこの『しびれ』の中で亜樹を全うしよう」に演じ、大地を感じることに集中していました」と役作りを振り返り「本当に愛おしい4人でした。子供たちみんなの瞳が共通していて、大地が成長していくように本当にお互いの目が似ていたんです」と目を細めた。

内山監督は、自伝的な本作制作の経緯と完成までを「20~21歳くらいの頃、この世にいる自分の生き方が分からなくなる瞬間を迎えた時に、断片的に脚本らしきものを書いていて。その時にこれを映画にしようと決め、自分が感じてきたものを衝動的に書いた本でした。当時は向き合っている自分をダイレクトに投影していたので、ある種の殴り書きだったのかもしれません。僕が自主映画を撮り始めたのが2016年頃なので、ちょうど10年の節目になりました。運命的なものがたくさん重なって、自分の人生や新潟という土地に向き合えた。 僕の人生は母親がすべてだったので、そのすべてって何だろうという、昔は形容できなかったものが、今は『そこに愛しか無かった』ということが、この映画を通して自分も学ばせてもらった」と振り返る。

そして「新潟の天気も含めてスタッフ・キャストが一丸となってこの物語に向き合ってくれて、この景色をみんなが僕にくれたのだと思います。匠海君とも話したのですが「ようやくここに来たな」と。ラストシーンに向かっていく景色は、ここに繋がっていたのかなと思います」と感慨深げに語った。

タイトルの「しびれ」に関連し、最近「しびれた」体験を問われると、北村は10代の頃からファンだったOasisのライブだったといい「リアムとノエルが肩を組んで出てきた瞬間、もう泣いちゃって膝から崩れ落ちて……しびれました」と興奮気味に振り返る。宮沢は。日々、いろんなことにしびれ、心を動かされているそうだが、北村の話を受け、30年くらいまえのザ・ブルーハーツ(THE BLUE HEARTS)とレコーディング、最近では8月の長岡の花火大会だったと明かした。内山監督は本作ラストシーン撮影のために、脚本の最後の1行に書いた言葉をどう映像として収めるかを書き込んだ内容が、北村の考えていたものと偶然にも一致していたというエピソードを紹介し「本当に鳥肌が立った」と「しびれ」の瞬間を挙げた。

そして、終わりの挨拶として3人は劇場の観客、これから映画を観る人に向けて、メッセージを送った。「僕らが過ごした『しびれ』の撮影現場は、目に見える景色や降る雪、お母さんの表情、喉が鳴った音などをみんなで「記録」し続けた日々でした。その生きた時間を皆様と共有できたことが嬉しいですし、今後も皆様の人生の中にこの作品が残り続けることを願っております」(北村)

「言いたいことは全部息子が言ってくれました(笑)、私たちが大切に大切に紡いできた作品が大きな羽を持って羽ばたき、一人でも多くの方の心に届くといいなと思います。観てくださった方が大切な人を誘ってまた語り合うきっかけになれば幸いです」(宮沢)

「『前へ前へ、光の中へ』という強いメッセージを込めて作りました。最終日にロールアウトする最後のフィルムの切れ端まで使って結末にしました。自分の10数年の決着をつけたこの作品を、多くの人に届けて共有していただけたら嬉しいです。今日この3人でここに立てたことが本当に幸せです」(内山)

「しびれ」は9月25日より全国公開。

【作品情報】
・しびれ

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