「昔より小さくなった?」『孤独のグルメ』原作者が、それでもドトールのレタスドッグを食べ続けるワケ/久住昌之

ドトールのレタスドッグを一本

「昔より小さくなった?」『孤独のグルメ』原作者が、それでもドトールのレタスドッグを食べ続けるワケ/久住昌之

8月29日(土) 8:52

提供:
『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは「ドトールのレタスドッグ」。果たして、お味はいかに?

孤独のファイナル弁当 vol.41「ドトールのレタスドッグを一本」

今日の仕事場弁当は、ドトールのレタスドッグ一本とアイスカフェラテ。

昔は「高原レタスドッグ」という名前だった。いつの間にか高原がなくなっている。レタスが平地レタスになったのか。

でも高原レタスドッグ、好きだった。大好きで食べる、というより小腹がすいた時、この一本がちょうどよかった。

昔は、そう20年ぐらい前かな、原稿はファックスとか、そろそろメールでも送ったけど、小さい文章に添えるイラストは少なくとも原画を渡していた。

それは駅前の喫茶店で渡すことが多くて、そのついでに打ち合わせ雑談をした。

その帰りにドトールで高原レタスドッグを一本買って帰り、仕事場で食べた。「よし、夕飯までもうひとがんばり」という感じか。そういう時のレタスドッグはささやかな楽しみだった。

その習慣というか記憶というか思い出というかで、「高原」がとれて久しい今も時々買う。

そして食べるたびに「パンが小さくなったな」「細くなったな」「前はパンがもっとみっちりとした噛み心地だったな」と思う。

包みから出して食べようとすると、パンからソーセージがすっぽ抜けやすい。指で押さえてやらないと、パンから出てしまう。最初、バイトの店員の子が下手くそなんだと思った。だけど、誰が挟んでも抜けやすい。抜けるとマスタードが一緒にこぼれ落ちたりして、やっかいだ。

パンが細くて、ソーセージを挟む切れ目が浅いのだ。だからレタスのはみ出し方も、以前のように美しくない。昔はレタスの葉のギザギザが美しくソーセージを挟んでいた。やはりレタスも違う。

ソーセージももう少し太く、パンからはみ出して長かった。気のせいではない。

今は別に「レタスロングドッグ」という別メニューがある。それは今のボクには長すぎる。それなりに高いし。

全ての原価が高くなっているから、しかたないと思う。レタスドッグ、今370円。この値段にするにはしかたないのかもしれない。

だから「昔のほうがおいしかった」とは言わない。ぶつぶつ言いつつ今もおいしい。

ボクは昔の思い出を調味料にして、レタスドッグをおいしく食べている。安い小さなエッセイやイラストをたくさん書いて忙しかった時代を支えてくれたレタスドッグが、今も安い値段であることをありがたいと思って食べている。

そういう食べ物が日常にひとつふたつあってもいいと思うんだよね。

その頃の気持ちを忘れず、どんな小さな仕事も、仕事があることに感謝して丁寧にこなそうと思います。ありがとうレタスドッグ。これからもよろしく。

【久住昌之】
1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi

【関連記事】
・ 『孤独のグルメ』原作者がスーパーの“盛岡風”冷麺に「ケチりやがったな」…それでも最後まで元気をもらえたワケ/久住昌之
・ 『孤独のグルメ』原作者がアメリカンなハンバーガー屋で夢中になった“完全和風の日替わり弁当”…「やっぱりボクはジャパニーズだ」/久住昌之
・ 『孤独のグルメ』原作者が崎陽軒の新商品“ギヨウザ”を食べてみた…シウマイでも餃子でもない味に気づいたこと/久住昌之
・ 『孤独のグルメ』原作者が398円の冷やしきしめん弁当に“ひと手間”加えて自画自賛…だが翌日、あっさり思い知らされたこと/久住昌之
・ 『孤独のグルメ』原作者が40年通った老舗居酒屋の“差し入れ焼きそば”に絶句したワケ…「今、これより嬉しい差し入れがあるだろうか」/久住昌之
日刊SPA!

生活 新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ