キスしながら自撮りって…山の絶景スポットをイチャイチャ占領する迷惑カップル。足止めされる登山者たちを救った、“自然のいたずら”とは?

キスしながら自撮りって…山の絶景スポットをイチャイチャ占領する迷惑カップル。足止めされる登山者たちを救った、“自然のいたずら”とは?

8月28日(金) 8:45

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せっかくの絶景スポットなのに、誰かのマナー違反で待たされてしまった……そんな経験はありませんか? 今回は、山で出会った迷惑カップルにモヤモヤした女性のエピソードをご紹介します。

空気を読まないカップルに登山者も困惑



ある休日の朝。飯田果穂さん(仮名・33歳)は、友人と人気の山へハイキングに出かけました。

「天気予報では快晴だったので、山頂からの景色を楽しみにしていたんですよね」

登山道はほどよく混雑していましたが、譲り合いながら歩く人ばかり。上りと下りですれ違うたびに「こんにちは」と声を掛け合い、道を譲る。そんな登山ならではの穏やかな雰囲気に、果穂さんも癒やされていたそう。

ところが、中腹あたりから一組の若いカップルが目につくようになりました。

「周りが見えていないというか、とにかく空気を読まない2人だったんですよ」

狭い登山道ですれ違う人がいても、道の真ん中で突然立ち止まり、肩を抱き寄せてキスをしながら自撮りを開始。後ろには登山者の列ができてもまったく気にしない様子で「もう一枚!」「今の変だから撮り直し!」と何度も撮影を繰り返していたそう。

ようやく歩き始めたと思えば、今度は「ちょっと待って!」と女性が急停止。その場で日焼け止めを取り出すと、彼氏が「俺が塗ってやるよ」と顔や首筋に丁寧に塗り始め、2人だけの世界に入り込んでしまいました。

山で繰り広げられる2人だけの世界



そのたびに後続の登山者たちは立ち止まり、「先に失礼します」と声を掛けながら慎重に追い越していかなければなりません。

中には子ども連れや年配の登山者もいましたが、カップルは誰かに迷惑を掛けているという意識すらないようだったそう。

「いったい何を見せられているんだ? という感じで。山の景色に集中できず、正直『イチャつきたいなら家でやってくれよ』と思いましたね」

休憩所でも、その自由奔放さは変わりません。ベンチにはリュックや上着、飲み物まで広げ、まるで自分たち専用のスペースのように占領。疲れた様子で辺りを見渡す年配のご夫婦が立っていても気にせず、2人だけで楽しそうにおしゃべりを続けていたそう。

「さすがに周りの人たちも苦笑いしていましたね。誰も強くは言いませんでしたが『もう少し場をわきまえてよ……』という空気が流れていました」

山頂で待ち受けていた思わぬ結末



そして、ようやく山頂へ到着。そこでは、多くの登山者が絶景をバックに記念写真を撮ろうと、お互いに順番を譲り合いながら並んでいました。

「ですが、そのカップルは山頂標識の前で当然のように陣取って、自撮り棒を何度も伸ばしたり縮めたりしながら撮影し始めたんですよね」

カップルは「背景が微妙!」「もっと右!」「もう一回!」と、そんなやり取りを延々と繰り返し、自分たちの表情や景色の入り方が少しでも気に入らないと何度でも撮り直したそう。

「せっかく登ってきたのに、なんでこんなカップルのイチャつき写真のために私が足止めされなきゃいけないの? とため息をついたその時……それまで青空だった山頂に、ふわりと大きな雲が流れ込み、あっという間に景色は真っ白になってしまって」

まるでタイミングを見計らったかのように、山頂を覆う雲。眼下に広がっていた壮大な景色は一瞬で姿を消してしまいました。

ぶーたれた表情で山頂を後にしたカップル



「あれ? さっきまでよく見えていたのに! マジムカつくんだけど」と慌てるカップルでしたが、もう絶景はどこにもありません。

周囲からは「もう、早くしないから絶景写真撮れなかったじゃん」「バチが当たったんじゃないの?」「神様がいい加減にしろって言ってんのよ」という声も聞こえてきました。

「結局カップルは『絶景バックで撮れないなら意味ねーし、こんな暑くて虫の出るとこ早く降りよ』とぶーたれた表情で山頂を後にして……。山の天気は変わりやすいし、少し待てばいいのにと思っていたら、案の定、しばらくして雲が流れて美しい景色が再び姿を現したんですよね(笑)」

譲り合う人たちに戻った穏やかな山頂



譲り合いながら待っていた登山者たちは、「きれいですね」「待ったかいがありましたね」と笑顔で声を掛け合いながら写真撮影を楽しんだそう。

「山頂には再び穏やかな空気が戻り、私も絶景写真を撮ることができました。それにしても、あのカップルにはイライラしましたね」と微笑む果穂さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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