「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」と少女が問う本編映像&ギャスパー・ノエら著名人コメント

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「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」と少女が問う本編映像&ギャスパー・ノエら著名人コメント

8月27日(木) 11:00

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第83回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品される、塚本晋也監督の最新作「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」。このほど、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソン氏が、女子小学生が投げかけた運命的な質問に衝撃を受ける重要なシーンと、ギャスパー・ノエら著名人からのコメントが公開された。

・ 【動画】「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」本編映像

1989年の「鉄男」以来、世界中の映画ファンに衝撃と熱狂を与えてきた塚本監督。本作は、国際的評価を得た戦争三部作「野火」「斬、」「ほかげ」に続き、加害者の視点から戦争の恐ろしい現実と拭いきれない痛みを描いた戦争映画最終章だ。

原作は、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソン氏が、自らの戦争体験と帰還後の葛藤を綴ったノンフィクション。ネルソン氏はその体験をもとに日本全国で1200回以上の講演を行い、「ほんとうの戦争」を語り続けてきた人物でもあり、その証言をもとに塚本監督が「戦争加害者の傷」というテーマに真正面から挑んだ。ニューヨーク、ベトナム、タイ、沖縄で撮影を敢行し、“戦争加害者の傷”というテーマに真っ向から取り組んだ、これまでの戦争映画の常識をくつがえす衝撃作となっている。

ベトナム戦争から帰還したアレンは、戦場で目にしたもの、そして自らが犯した殺戮行為によって深いトラウマを抱えていた。大きな音や暗闇に過敏に反応し、わずかな気配にも敵兵の姿を重ねてしまう。戦場の記憶に苛まれ、家を追われたアレンは、23歳の若さでホームレスとなっていた。そんな彼のもとに、幼なじみで小学校教師をしているダイアンが現れ、「生徒たちの前でベトナム戦争の体験を話してほしい」と頼む。それは、戦争から帰還したアレンが初めて、自らの体験を人前で語る機会だった。

公開された本編映像では、ダイアンに押され、しぶしぶ教壇に立つアレンが、小学生たちを前に「ベトナムのジャングルはものすごく暑かった」「虫がうじゃうじゃいてとても大きくて、ハエも多かった」と、戦場の記憶を語り始める。さらに、共に戦った海兵隊の仲間の中には死んだ人もいると話しながらも、「でも君たちのパパは生きて帰ろうと戦ってるはず」と、子どもたちの父親を気遣う言葉を添える。

一方、子どもたちから飛び出す質問は、戦争を知らない子どもならではの無邪気なもの。「戦場でママが恋しくなった?」と聞かれたアレンは、「もちろん」と答える。さらに「戦いの途中、トイレはどうするんですか? ウンチしたくなったら?」という質問には、「ヘルメットに出す」と返答。教室には思わず笑い声が広がり、緊張していた空気が和らぐ。しかし、ダイアンが「他に質問は?」と問いかけたその直後、ひとりの少女が手を挙げる。「ネルソンさん」と呼びかけるその少女の口から発せられたのは、作品タイトルにもなった衝撃的な一言だった。「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」。長い沈黙に包まれた教室で、少女はもう一度問いかける。「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」。戦場を知らない子どもの無垢な問いが、アレンの心に深く刻まれた戦争の記憶を呼び起こす――。

戦争によって“加害者”側に立たされたアレンが、自らの戦争体験と向き合い、その後の人生を歩んでいく契機でもある、本作を象徴する重要なシーンとなっている。「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」は、9月11日よりkino cinéma 新宿ほか全国公開。

▼コメント全文(五十音順)

◆ギャスパー・ノエ(映画監督)
この映画は、現代人もまた過去のいかなる時代の人間にも劣らず野蛮な存在であることをあらためて突き付けてくる。そして、まだ若い青年たちをジャングルや戦地に送り込めば、彼らは人間ではなく、爬虫類のような生き物へと変えられてしまうのだということを。
私の友人である塚本晋也が、アメリカとベトナムを舞台にこの映画を撮ると知ったとき、私はとても驚いた。しかし、今の帝国主義が抱える野蛮な一面を描き出すには、塚本のような大胆な日本人監督こそがふさわしかったと思う。
幸いにも、主人公(そして自伝の著者でもある)ネルソンは、自身が背負ったトラウマと、その過去の行為を後世へと伝えることによって、遅ればせながら、確かな一端の救済へとたどり着く。この深く実存的な旅をスクリーンに刻み、未来の世代へと手渡してくれたことに感謝したい。

◆小島秀夫(ゲームクリエイター)
戦争とはなんなのか?人をどう変えるのか? どこまで人を壊すのか? 戦火が身近に広がりつつある今、誰かが創らねばならなかった、誰もが観なければならない映画だ。そして、“戦争加害者”でもあり、“被害者”でもあるネルソンさんの証言に耳を傾けるべきだ。皆が擬似体験することになる。悍ましさを。怖ろしさを。悔悟の涙を。それは、まさに映画のひとつの役割でもある。その後で、議論するだろう。いつまでも、語り継ぐに違いない。未来に繋ぐために。「ネルソンさんが、何故、人を殺したのか?」を。

◆永井玲衣(作家)
あまりに、あまりに、あまりに耐えがたい。だが、戦争のことを知りたければ見るべきだ。あなたが戦争を愛さないのならば、見るべきだ。戦争は永久に人間を壊してしまう。そのことを、わたしたちは本当にわかっているのだろうか。

◆春ねむり(ミュージシャン)
搾取と抑圧・殺戮・暴力を内包する社会システムのうちに生まれ、この胎の奥を怒りと憎しみに喰われながら、それでも生きていかねばならない。もうほかの誰からも奪いたくないと望む意志を手に入れろ。その先に戦場以外の未来がある。

【作品情報】
・ ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?

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©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners
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