巨匠リドリー・スコットの最新作「ラスト・サバイバー」を日本で初めて披露するIMAX最速上映会&トークショーが開催され、TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」のメインパーソナリティを務めるライムスター宇多丸、フリーアナウンサーで、「アフター6ジャンクション2」水曜パートナーの宇垣美里、音楽・映画パーソナリティの奥浜レイラが登壇し、映画の魅力を“日本一早く”語り合った。
本作は、「ブレードランナー」や「エイリアン」で知られるスコット監督が手掛けるディストピア・サバイバル。謎のパンデミックにより人口の90%が死滅し、人間性を失った者たちが奪い合う荒廃した世界を舞台に、パイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)が希望を求めて未知の空へ飛び立つ姿を描き出す。
かねてよりスコット監督の大ファンでもあったという宇多丸は「やっぱり面白かったっすよね。面白かったと思うんだよな、皆さんも満足していただけてるかなと思って」と開口一番に本作を絶賛。宇多丸のコメントを受けて、「緊張感がすごいですよね」と奥浜が返すと、宇垣は「息つく間が全然なかったですよね!」と緊迫感のあるシーンが描かれる本作の魅力について言及した。「かと思えば、今日も適所で笑いが起きている場面もありましたけれども、その緊張感が急に緩和される部分もあったりしましたよね」と奥浜がコメント。宇多丸は、人間性を失った“狂った生き残りたち”に襲われるシーンでは特にそのギャップが顕著だったとし、「あそこだけ取り出すと、すごくエグめの『マッドマックス』的アクションなんだけど、そこに至るまでに淡々とした暮らしを穏やかに描いているんですよね。だから、やっぱ怖い人出てくると“いや、怖いんだけど!”って思って(笑)、(リドリーは)やっぱりすごい、そのシーンが予告とかで見ている時よりずっと怖かったですもん!」と話した。
続けて、ヒッグとともに共同戦線を張るバングリー(ジョシュ・ブローリン)が襲い掛かる敵を迎え撃つシーンでは、「もう迎え撃つ気満々でこうね、顔を黒く塗ってあの暗視カメラ通して?『来ました来ました』って待つじゃない?あれ、ドゥニ・ビルヌーブの、『ボーダーライン』のクライマックスみたいな感じでさ(笑)。しかもそこに『マッドマックス』みたいな敵でしょ?『マッドマックス』+『ボーダーライン』じゃん!味濃すぎなんだよね!(笑)」と絶叫。奥浜も「濃すぎ(笑)。いやー、ちょっと笑いましたね(笑)」と返すと会場からも笑いが。「そう、なんかさ、そこまで淡々と来てるからさ、なんかそこだけ急に山椒がビリビリ効き、なんか山椒効きすぎなんだけど!みたいな」と独自のワードで作品の魅力を盛り上げた。
奥浜は本作で描かれる映像表現について触れ、「画的にこれは終末モノにしてはかなり牧歌的でしたね」と説明。「気候変動によって川が干上がってみたいな部分は画ではちょっと描写しづらいですよね。原作者のピーター・ヘラーは元々ネイチャー系の作品やノンフィクションを書かれていて、原作は牧歌的要素や詩的な流れも多いですし、それをこういう味付けにしたっていうのは結構勇気あるな」と述べた。
宇垣は「本当にあの自然の感じとか、ある種なんかちょっとスローライフ風味もあるというか。こう豊かな自然の部分と、でもそこに至るまでの前提が幸せじゃなさそうなギャップが観ていてすごく素敵で、私は好きでしたね」と述べ、数多くの荒廃した世界を描く作品がある中でも、本作が持つ特徴的な部分について思いを明かした。
トークは本作の主人公を演じたジェイコブ・エロルディへと移行。荒廃した世界の中で希望を胸に生きるヒッグというキャラクターを演じたエロルディに対し、奥浜は「やっぱりジェイコブ・エロルディの姿から滲み出る善性に賭けてるっていう感じがしましたよね。」とコメントすると、宇多丸が「うん、彼自体が、ものすごいデカイ体なのに、すごく悲しそうな少年みたいな表情を見せるんだよね(笑)。だから、(リドリーは) 彼の存在に賭けたっていう」と見解を明かした。
また、ヒッグがわずかな希望を求めて向かった先で出会うシーマ(マーガレット・クアリー)とのシーンについて、宇多丸は「好意は持ってるけど、お互いに一線は超えないようにしてますよね」と述べつつも、「でもさ、顔そんなに近づけたら、も、もう同じだぞ、お前!って(笑)。顔そんなに近づけて話してたら、もうチューしてるよ!(笑)」とまたしても絶叫。宇垣は「“ラブ”っていうよりも、“支え合い”って感じがすごく出ていて、そこも良かったポイントかなって思いました」話していた。
また、愛する娘を守るためなら手段を選ばないシーマの父・ジャック(ガイ・ピアース)や本作の予告で不敵な笑みを浮かべる謎の人物(アリソン・ジャネイ)らによる重厚な演技に、宇多丸は「役者陣の皆さん、こういう話だけど、めちゃくちゃ何ていうの、本当に一級演技っていうかさ、一級演技って言ったら安っぽいけど…。うん、やっぱり味わい深いものをちゃんとニュアンス深くやってるしすごいよね!」と褒めちぎる。また、物語を通して徐々に明らかになっていく人間味あるバングリー のキャラクター性について、宇垣が、「とにかく可愛いの!彼が!どんどん可愛くなってきませんでした?(笑)」「ナイスミドル映画でしたよね!」と述べると、、奥浜もジャックが愛娘のシーマを心配する描写の微笑ましさを挙げて共感した。
加えて、ヒッグの愛犬であるジャスパーについては、「この作品の原題は、『The Dog Stars』なんですよ。まあ何を象徴するか皆様ね、もちろんそれぞれお考えになるところだと思うけど、犬(Dog)って絶対的に人間と対の生き物なんだよね。犬の存在があってこそ、人間側の“人間味”みたいなものが際立つっていうか。 (今作のように)動物的に生きることも求められるような世界で、人間を人間たらしめる根拠として犬っていうのがいると思うんです。やっぱり相棒が犬であることが、めちゃくちゃ重要だなと」とも語った。
“リドリー愛”溢れるコメントが飛び交うトークイベントは、あっという間に終了の時間。宇多丸を筆頭に、宇垣と奥浜が締めの挨拶を行い大きな拍手に包まれながら幕を閉じた。アフタートークの模様は、公開日当日の28日金曜日0時に、TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」のポッドキャスト内で配信予定となっている。
「ラスト・サバイバー」は、8月28日から全国公開。
【作品情報】
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ラスト・サバイバー
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