普段、「日光」を浴びる時間はありますか? 「日焼けしたくないから、外に出る時は完全防備!」という方も多いですよね。私も、日焼け止めと日傘を欠かさないようにしています。
しかし、美容の敵と思われがちな「日光」が、実は「腸活」と意外なつながりがあるかもしれないのです……!
そこで今回は、日光浴(紫外線)と腸内環境の関係について、最新の研究結果を基に分かりやすく解説します。もちろん、メリットだけでなく知っておきたい注意点もお伝えしますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
なぜ「日光」が腸内環境に関係するの?
結論から言うと、日光と腸をつなぐ重要な鍵は「ビタミンD」です! 通常であれば、ビタミン類は食事などで摂取する必要があります。しかし、ビタミンDはちょっと特殊なんです!
私たちが日光(紫外線)を浴びると、体の中でビタミンDが合成されます。このビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨を強くするだけではありません。近年の研究では、ビタミンDが「腸内環境」を健康に保つために、重要な役割を果たしている可能性が示唆されています(※1)。
具体的には、以下のような素晴らしい働きがあると考えられています。
① 腸のバリア機能を守る
腸の粘膜を丈夫にして、細胞と細胞のつなぎ目(タイトジャンクション)をしっかり締めることで、有害な菌や物質が体内に漏れ出すのを防ぐサポートをしてくれます。
② 抗菌ペプチドの分泌を促す
腸内の悪い細菌をやっつけるための「抗菌ペプチド(自然の抗生物質のようなもの)」を作るよう働きかけます。
③ 免疫のバランスを整える
腸には免疫細胞の多くが集まっています。ビタミンDは、その免疫システムが過剰に暴走して炎症を起こさないよう、穏やかに調整してくれるのです。
つまり、ビタミンDは腸内環境を守る「頼もしいガードマン」のような存在なのです! このガードマンが不足すると、腸のバリアが弱まり、お腹の調子が乱れやすくなる可能性があります。
最新研究が明かす! 紫外線と腸内細菌の不思議な関係
「でも、皮膚に日光を浴びるだけで、本当にお腹の中の細菌が変わるの?」と疑問に思うかもしれません。実は、その関係性を調べた非常に興味深い研究があるのです。
カナダのブリティッシュコロンビア大学などの研究チームが、健康な女性を対象に「皮膚にUVB(中波長紫外線)を当てて、腸内細菌がどう変化するか」を調べました(※2)。(この研究で照射されたのは、皮膚科などで用いられる医療用の紫外線「狭帯域UVB」で、屋外で太陽の光を浴びる「日光浴」とは条件がやや異なります)
実験では、参加者に週3回、日焼けしない程度の紫外線を皮膚に照射しました。その結果、もともと冬の間にビタミンDサプリメントを飲んでおらず、ビタミンDが不足気味だった人たちにおいて、紫外線を浴びた後に腸内細菌の「多様性」が大きく増加したのです!
多様性が高い(いろんな種類の菌がバランスよく住んでいる)状態は、健康な腸の証拠とも言われています。特に、腸に良い働きをしてくれるとされる「ラクノスピラ科」という細菌のグループなどが豊富になっていたそうです。皮膚に光を当てただけなのに、お腹の中の細菌のバランスが変わるなんて……人間の体って本当に不思議ですよね。
ただし……! この研究は参加人数が少なく(21名)、まだ「日光浴をすれば絶対に腸内環境が良くなる!」と完全に言い切れる段階ではありません。あくまで「皮膚への紫外線照射(ビタミンDの増加)と、腸内細菌の変化には何らかの関連がありそうだ」ということが示された、第一歩の研究です。過度な期待や断定はせず、これからのさらなる研究に期待したいところですね。
知っておきたい「紫外線リスク」と賢い対策
ここまで読んで、「よし! 今日から腸のためにガンガン日焼けするぞ!」と思った方、ちょっと待ってください!(いないと思いますが。笑)
日光を浴びてビタミンDを作ることは大切ですが、紫外線の浴びすぎには明確なデメリットがあることを忘れてはいけません。具体的には、以下のようなリスクが懸念されます。
・肌へのダメージ(光老化)
日焼けによるシミ、シワ、たるみなど、お肌の老化の大きな原因になります。
・皮膚がんのリスク
長年にわたって過剰に紫外線を無防備に浴び続けると、皮膚がんの発症リスクが高まる可能性があります。
健康になるために腸活をしているのに、お肌のダメージや病気のリスクを上げてしまっては本末転倒ですよね……。
大切なのは「バランス」です。もちろん、真っ黒になるまで日焼けする必要はありません! 季節や地域、肌の色にもよりますが、夏場なら木陰で数分〜十数分、冬場なら少し長めに日光に当たるだけでも、ある程度のビタミンDは作られると言われています。
「顔のシミはどうしても防ぎたい!」という方は、顔にはしっかり日焼け止めを塗りつつ、手のひらや足の甲を短時間だけ太陽に向けてみる「手のひら日光浴」もおすすめですよ!
紫外線と腸内環境の関係! 適度に日光浴をしよう
今回は「日光浴(紫外線・ビタミンD)と腸内環境のつながり」についてご紹介しました。日光を浴びてビタミンDを作ることは、腸内環境をサポートするひとつの手段になり得ます。
また、ビタミンDは、日光だけでなく「食事(鮭やサバなどの魚類、キノコ類など)」からも摂ることができます。日差しが強い季節や、紫外線対策を徹底したい日、または外に出られない日は、食事やサプリメントを上手く活用するのが賢い方法です。
結局のところ「過度な紫外線は避けつつ、食事や生活全体でビタミンDをバランスよく補う視点」が大切ですね。これからも無理のない腸活を続けていきましょう!
【出典】
(※1)Nuraly S.Akimbekov「Vitamin D and the Host-Gut Microbiome: A Brief Overview
」(2020)Acta Histochemica et Cytochemica誌(総説)
(※2)ElseS.Bosman「Skin Exposure to Narrow Band Ultraviolet (UVB) Light Modulates the Human Intestinal Microbiome」(2019)Frontiers in Microbiology誌(健康な女性21名を対象とした医療用UVBによるパイロット研究)
【免責事項】本記事は一般的な健康・生活習慣に関する情報提供を目的としたもので、特定の病気の診断・治療・予防を保証する医療上のアドバイスではありません。効果には個人差があります。ビタミンDの不足が気になる方、骨や腸の不調、皮膚のトラブルがある方、妊娠中・治療中の方は、自己判断でサプリメントや日光浴を行わず、かかりつけ医にご相談ください。
【監修者からの一言】ビタミンDは、サプリメントや骨粗しょう症の治療薬としても用いられていますが、腸内環境との関わりも近年さらに注目されている分野です。紫外線対策をしつつ、適度な日光浴と食事の両面から、ビタミンDをバランスよく補うのが安心ですね。
【監修:柏木宏幸 医師】池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院 院長。消化器病・内視鏡専門医。「便通マネージメントドクター」の資格を持ち、大腸や便通改善を専門とし、特に女性の腸の悩みに向き合う。YouTubeでの分かりやすい医療発信や、Webメディアの記事監修実績も多数。
<文/腸活の研究家ざっきー監修/柏木宏幸 医師>
【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
【関連記事】
・
お酢を毎日摂ると体に起こる「驚きの変化」。体重と体脂肪を減らす、だけじゃない!
・
“肌の乾燥”や“ニキビ”、スキンケアで改善しない人が「見落としていること」。今すぐ取り入れたい“3つの食材”は
・
「緑茶を飲んでお笑いを観る」と風邪を引きにくくなるワケ。免疫力を整える“3つの腸活法”を科学的に解説
・
「数年前に飲んだ抗生物質」が腸に悪影響? 最新研究でわかった“長期ダメージ”と回復法
・
「寝ても疲れが取れない人」が知らない、腸と睡眠の深い関係。食事時間が“毎日バラバラ”は要注意