【漫画】本編を読む
「結婚して子どもができたら家にいてほしい」という男性に対し、「料理くらい自分で作ればいい」と正論で論破して場を凍り付かせる。そんな主人公・椚木泉(くぬぎいずみ)を描いた漫画『地獄の三十路録』が話題だ。高学歴で大手企業に勤める椚木は、三十路を過ぎて男性経験がなく、男性の性的な視線に強い嫌悪感を抱いている。
■歪なシスターフッド?対照的な2人とストーカー化する同僚
一方、大学の同期である八熊(やくま)ありさは、「女の人生は男で決まる」という母親の呪縛に苦しみつつも、ゆるふわな容姿を武器に男性をうまく利用している。内心は互いを嫌っている2人だが、出会いのチャンスを作れない椚木が八熊に恋愛指南を乞うことになり、事態は動き出す。
八熊のアドバイスで椚木が態度を軟化させると、好意を勘違いした同僚男子がストーカー化してしまう。家庭環境も複雑な2人が、なぜ恋愛や男性を嫌悪するようになったのか、その背景が丁寧に描かれた作品だ。
■多面的なキャラクター作りと著者の思い
本作を手掛けたのは、趣味の二次創作からオリジナル漫画の受賞を経て漫画家の道へ進んだ結木万紀子さん。「昨今、女性の生きづらさやシスターフッドを描く作品が増えているなかで、そのジャンルに幅を持たせたかった」と明かす。「私たちずっと仲良し!」とは言えない、友情とも敵対ともつかない女性同士のリアルな関係性を描きたかったのだという。
作中には人間のえぐ味や醜さがしっかりと描かれている。「人と人の関係性を『友達』や『被害者』など、わかりやすい1つの単語では説明できない多面性を持ったキャラクターを描きたかったです」と語る結木さん。対極の存在として描かれる八熊についても、一見正反対に見えて椚木と重なる部分を持たせている。一方で、「キャラの思想と自分の思想を切り分けることには苦労しました。2人とも、私からすれば共感できない思想を持っていたりするので」と、キャラクター作りの難しさも語ってくれた。
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