米国のメタルバンド、デーモン・ハンターが、Netflixのアニメ映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」の名称を使わないよう求めて提訴したと、米ローリング・ストーンが報じた。バンド側は、20年以上使ってきた自分たちの名前が、この大ヒット作の陰に埋もれつつあると訴えている。
デーモン・ハンターは2000年に結成され、キリスト教的な歌詞を掲げるメタルバンドとして活動してきた。バンド名は運営会社ハイド・レーンが2001年から商標として登録しており、訴えも同社の名義で起こされている。ただし米特許商標庁は2025年2月、必要な書類の提出を怠ったとしてこの商標をいったん取り消しており、バンド側は同年12月に出願し直したと訴状で説明している。
作品の原題は「KPop Demon Hunters」で、バンド名がそのまま丸ごと入っている。「KPop」は韓国の大衆音楽を指すジャンル名にすぎず、残る部分がバンド名そのものだ、というのがバンド側の理屈だ。訴状は、世界的に知られたバンドの名前を引き合いに出して、こう書いている。
「はっきり言えば、NetflixがKPOP DEMON HUNTERSという商標を使ってよい根拠は、KPOPメタリカ、KPOP U2、KPOPブラック・サバスという商標で音楽や公演、商品を売り出してよい根拠と変わらない」
有名バンドの名前の頭に「KPOP」を付けただけでは、別の名前にはならない。それが主張の骨子だ。
訴状には、実際に混同が起きたという例も並ぶ。5歳と6歳の娘のためにデーモン・ハンターの公演チケットを約500ドル(約8万円)分買った親から、「浮かれてしまって、よく確かめなかった」と返金を求めるメールが届いたという。チケット販売サイトで「Demon Hunter」と検索すると、作品側のイベントが表示されることも問題視している。
提訴の引き金になったのは、この5月の動きだ。Netflixは米国のコンサート興行大手AEGと組み、「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」のコンサートの準備を始め、ライブ興行の分野でも商標を出願した。これで両者の使う範囲がほぼ完全に重なったというのがバンド側の言い分で、20年以上前から使ってきた自分たちが先だと主張している。
バンド側は名称の使用差し止めに加え、その名前が付いた商品を差し押さえるよう連邦保安官に命じることや、損害賠償と弁護士費用の支払いも求めている。
これに対し、Netflixの広報担当者は取材にこう反論した。
「これらの申し立てには根拠がない。Netflixは『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』で、力強い音楽と物語、そしてキャラクターによって世界中のファンの心をつかむ、アカデミー賞受賞の世界的な現象を生み出した」
そのうえで、この訴訟では全力で争っていくとしている。
「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」は、第98回アカデミー賞で長編アニメーション賞と主題歌賞を受賞した。訴状もNetflix側の主張として、作品がこれまでに3億2510万回以上再生され、劇中歌が100億回以上聴かれたことに触れている。
【作品情報】
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KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ
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写真:Amy Harris/Invision/AP/アフロ