スイス出身のラモン&シルバン・チュルヒャーが、人間たちの共同生活をめぐって生み出してきた「動物三部作」――「ストレンジ・リトル・キャット」(2013)、「ガール・アンド・スパイダー」(2021)、「煙突の中の雀」(2024)が、「ミニアチュールの詩学 チュルヒャー兄弟『動物三部作』」と題し、10月30日から公開される。日本版メインビジュアルと特集予告編(https://youtu.be/JxU7y8l5pFA)が披露された。
長編デビュー作「ストレンジ・リトル・キャット」は 2013年ベルリン国際映画祭フォーラム部門で初上映され、その後トロント、カンヌをはじめ世界各地の映画祭で上映。兄弟が共同で脚本・監督を手がけた第2作「ガール・アンド・スパイダー」は、2021年ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門で監督賞とFIPRESCI賞を受賞。そして第3作「煙突の中の雀」によって、「動物三部作」は完結する。
チュルヒャー兄弟は、限られた空間のなかに、人間の視線や身体、言葉と沈黙、生活音、家具、動物を精密に配置し、ごくありふれた日常を、奇妙でユーモラス、そして時に不穏なコレオグラフィーへと変えていく作風が特徴だ。
ラモン&シルバン・チュルヒャーの映画では、世界はいつも、見慣れた小さな場所から始まる。静止したカメラが見つめるその内部では、人々の視線や身体、言葉と沈黙、家具や家電、食器の音や機械の唸り、扉の向こうの気配までが互いに反応し合う。人と物と動物が精密な運動を始めるとき、ありふれた日常は、家庭内のバレエとも呼ぶべき独特の映画空間へと変貌していく。
三作品をつなぐ猫、蜘蛛、雀は、それぞれ異なる自由のかたちを映し、その姿は、家族や友情、社会的な役割のなかにとどまりながら、より自由な生を求める人間たちと静かに響き合う。
25年の東京フィルメックスでは、「特集:ラモン・チュルヒャー 『動物』三部作の世界」として、「ストレンジ・リトル・キャット」「ガール・アンド・スパイダー」「煙突の中の雀」の三作品を上映。ほぼ満席となる回もあるなど高い関心を集め、三部作をまとめてスクリーンで鑑賞できる貴重な機会となる。
予告編では、夕食会を準備する一家、引っ越しの部屋、森のほとりの古い家を舞台に、人々の視線や身体、言葉、物音が次々と連鎖していく三作品の世界を凝縮。軽やかなユーモアから、やがて親密さと孤独、愛情と暴力、秩序と反乱がせめぎ合う濃密なドラマへと変貌していく「動物三部作」の軌跡を映し出します。最後には「ジャック・タチとロベール・ブレッソンの出会い」というチュルヒャー作品の作家性を端的に示すコメントも映し出される。
10月30日から、シアター・イメージフォーラム、新宿武蔵野館ほか全国順次上映。
【作品情報】
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煙突の中の雀