恋リア出演で話題の「23歳和彫り美女」が処女作に込めた思い。「自分の人生はカス」と言い切るワケ

小野乙葉さん

恋リア出演で話題の「23歳和彫り美女」が処女作に込めた思い。「自分の人生はカス」と言い切るワケ

8月19日(水) 8:48

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この8月19日に1冊の書籍が上梓された。『毒愛』(双葉社)――本の帯に刷られた「バカにしながら読んでほしい、このカス人生を」の言葉が目に飛び込む。著者の小野乙葉さん(23歳)には、2年以上前に取材させていただいた縁があった。

その後、大人気恋愛リアリティショーにも参加した彼女は、一定の知名度を得る。自身の半生に注目が集まるタイミングで、なぜ自伝を記したのか。この本に込めた思いを訊いた。

過干渉な母への思いを込め…

――出版おめでとうございます。まず、『毒愛』というタイトルに込めた思いを聞かせてください。

小野乙葉: ありがとうございます。ママを念頭に置いた言葉です。私は、「ママが望むような、可愛くて勉強もできて何でも卒なくこなせる娘」にはついぞなれませんでした。ご覧のように、身体の至るところに和彫りがあって、もう一般企業で働くこともできないでしょうし、ママが理想とした「安定」とは縁遠い存在になりました。

私は学生時代、過干渉だったママをうざったく思っていました。けれども、虐待をされたわけではないし、むしろ愛されて育ったと思います。でもその愛が、私にとっては毒でした。愛は毒にもなるし、毒でも本質は愛なのかもしれない。そんな気持ちでつけたタイトルです。

――ご著書には、お母様への交錯した思いが描かれています。割と率直に気持ちを吐露されている場面もありますが、お母様が読まれることも想定している。

小野乙葉: いえ、ママは私が参加した番組も見ませんし、書籍を刊行することも伝えていません。恋愛リアリティショーに参加したときも、ママから「私は観ないから」と言われていました。ずっと綺麗な記憶のなかの娘でいてほしいのだと思います。

壮絶な過去を曝け出す覚悟

――辛辣な描写もありますが、書いていて辛くなかったですか。

小野乙葉: 書いている最中はあまり辛くなかったです。しかし書籍の形になったのをみて、これまでママを毒だと思ってきたけど、「娘である私が毒だったのかも」と思えてきました。

――お母様との関係性以外にも、『毒愛』には過去のレイプ被害、パパ活、他国への出稼ぎなど、なかなかダークな過去をさらけだしていますよね。その意図は何でしょうか。

小野乙葉: 実は最初から書籍を書こうと思っていたわけではないんです。これまでインタビューしていただいた記事などを振り返りながら、A4の紙にこれまでの出来事を書き出してみたんです。知人から「本にまとめるべきだよ」と助言をもらって。

でもそれは、自分の過去を切り売りして有名になろうと思ってのことではありません。私自身は自分のこの人生を後悔してはいませんが、過去の人生を自分で「カスだった」と言い切ることで、踏ん切りをつけたかったんです。

そして、私のように家族との関係性がうまくいかないことがきっかけで人生を踏み外しそうになっている人たちに対して、「私のように、ここまで悲劇が連続する経験はしないほうがいい」と伝えられるのではないかとも思っています。

「不健全な関係」と自覚しているが…

――乙葉さんの抱える自己肯定感の低さの根底には、お母様に対する複雑な感情があると思います。振り返って、どのようにすれば関係性が違ってきたと思いますか。

小野乙葉: 今思うのは、ママに対してもっといい子ぶらずに意見を闘わせればよかったですね。それができなかった結果、完全に間違えた反抗の仕方をしてしまったと思います。

今も昔も、私の軸は「ママから評価されるかどうか」の一点にあるのは確かだと思います。だからどれほど人に認めてもらえても、ママから認めてもらえなければすべてが崩れてしまうんです。それが不健全であることも、もちろん自覚しています。

――現在の乙葉さんのご活躍を、お母様はあまり認めてはいない。

小野乙葉: そうでしょうね。また私自身、自分が何も成し遂げていないことを自覚しています。いつかはママに胸を張って示せるような仕事がしたいなと思っています。

将来的には「自らのブランドで勝負したい」

――将来的に、どのような生き方をしたいですか。

小野乙葉: 私はもともと服飾の大学に通っていました。ママの反対を押し切って途中で退学してしまいましたが、やはり洋服が好きだという気持ちは現在も変わりません。いずれは自分のブランドを持って、自分がデザインした洋服を販売したいと考えています。その際、できればタレントとしての知名度で下駄を履くのではなく、洋服そのもののよさで評価されたいですね。

――これまではお母様とのネガティブな関係に焦点をあてましたが、反対に、感謝している点も多いとか。

小野乙葉: 私も最近自分で気づいたのですが、恋愛におけるGiver精神は完全にママから受け継いだものだと思います。人に対しての愛情が深いところは、ややもすると精神的に不安定といわれてしまうこともあるけれど、ママに似ているなと誇らしくもあります。

ママから「あなたは自分をすり減らしすぎるから、気をつけて」と言われたことがあります。愛情を傾けすぎてしまうところを漬け込まれる傾向は確かにあるので、これからは「やりたい」「やりたくない」と明確にしていこうと思っています。

=====

乙葉さんと話して、改めて感じる。親子が織りなす愛情の応酬は、ときとしてすれ違う。それは互いにとって毒にも愛にもなろう。毒も愛も併せ呑んだところに、人間関係の究極はあるのかもしれない。そしてわれわれは誰しも、人間関係のなかでしか生きられない。ややもすれば人から敬遠されかねない過去をさらけ出した彼女の決断が、潔くも尊いものに思える。

<取材・文/黒島暁生>

【小野乙葉】

2002年8月24日生まれ。静岡県出身。2025年、Netflix配信の恋愛リアリティショー『ラヴ上等』シーズン1に、専門学生兼キャバクラ勤務の“おとさん”として参加。金髪&刺青の強めなビジュアルとメンヘラすぎる恋愛模様が話題となる。



【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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