「ハンバーガー・ヒル」などで知られる英国のジョン・アービン監督が、8月11日に86歳で死去した。親族の家で、家族に見守られながら息を引き取ったという。
1987年の「ハンバーガー・ヒル」は、ベトナム戦争でもっとも激しかった戦闘のひとつを描いた作品だ。前年に「プラトーン」、同じ年に「フルメタル・ジャケット」が作られており、ベトナム戦争を正面から扱う映画が相次いだ時期にあたる。日本でも1987年9月に公開され、2021年には34年ぶりにリバイバル上映された。
この題材は、アービン監督にとって縁の深いものだった。BBCのドキュメンタリストとして、実際にベトナム戦争を取材していたからだ。アービン監督はドキュメンタリー出身で、アルジェリア戦争のその後を追った短編で初めて英国アカデミー賞を受けた。1960年代の終わりには、戦場に身を置き続けた報道写真家たちを撮った作品もつくっている。
一方で、その後の経歴は作風がひとつに定まらないことで知られる。フレデリック・フォーサイスの小説を映画化した「戦争の犬たち」(1980)ではクリストファー・ウォーケンを主演に迎え、翌年にはフレッド・アステア主演のホラー「ゴースト・ストーリー」(1981)を撮った。ジョン・ハート主演の伝記映画「チャンピオンズ」(1984)、ハロルド・ピンターが脚本を書いたベン・キングズレー主演の「Turtle Diary(原題)」(1985)に続けて、シュワルツェネッガー主演のアクション「ゴリラ」(1986)を手がけている。「ハンバーガー・ヒル」の2年後には、パトリック・スウェイジとリーアム・ニーソンによる犯罪ドラマ「パトリック・スウェイジ復讐は我が胸に」(1989)を発表した。長編は30本を超える。
テレビでの仕事も長い。1979年には、ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」をBBCでドラマ化し、アレック・ギネスが主演した。英国アカデミー賞を複数受賞したこの作品は、2011年にゲイリー・オールドマン主演で映画化された「裏切りのサーカス」と同じ小説をもとにしている。
アービン監督は亡くなる直前まで、ネルソン・マンデラを題材にした作品の最終編集を続けていた。最後の数カ月は、家族と自作を見返しながら、プロデューサーに仕事の指示を口述していたという。
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ハンバーガー・ヒル
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Photo by Alex Bowie/Getty Images