2025年8月に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション昭和16年夏の敗戦」のドラマパートに約40分の追加シーンを加えた138分の完全版「開戦前夜」が、7月31日より全国89館で公開され、公開2週目も、メイン館のテアトル新宿をはじめ、TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ日本橋など、多くの劇場で週末に満席回が相次ぎ、各地で満席を記録。TOHOシネマズ日比谷では、公開初日から10日間連続で満席を記録している。
SNSでも「今年ベスト」「一人でも多くの人に見て欲しいと思う作品」「義務教育の歴史の授業でも見せるべき」「あまりにも圧巻で、息を呑む138分。」「劇場で観ることができ、そして、この重要な事実を知ることができて本当によかった。」「今日は全部日比谷売り切れだし、明日も早朝以外は売り切れ。すごい勢いで売り切れている」など、引き続き反響が拡がっている。
また、テアトル新宿、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、アップリンク吉祥寺の劇場公式Xでも、満席の案内とともに、次の回の混雑を避けるため早めの予約を呼び掛ける投稿が相次いでいる。こうした動員の伸長を受け、公開3週目に20館、4週目に44館の追加上映が決定した。
そしてこのほど、主演の池松壮亮をはじめ、豪華キャストが撮影の舞台裏を語ったインタビュー特別映像が公開された。池松を筆頭に、共演の仲野太賀、中村蒼、佐藤隆太、江口洋介、佐藤浩市ら本作の物語を支えた主要キャストが、貴重なエピソードを証言している。
本作の舞台となるのは、政府・軍・民間から選抜された、日本の未来を担う若き精鋭たちが集う内閣直属の機関「総力戦研究所」。1941年(昭和16年)4月、アメリカをはじめとする諸国との総力戦の可能性を探る目的で模擬内閣を結成し、若きエリートたちが日本の未来を左右する戦争の行方をシミュレーションしていく姿が描かれる。
模擬内閣で「内閣総理大臣」に任命される主人公・宇治田洋一役を演じた池松。石井裕也監督とともに企画段階から長期にわたり本作に携わってきた池松は、「なぜあの戦争が行われたのか、そこにはどういう意思決定があったのか。そういうところに踏み込んだ映画だったので、なんとしてもこれを形にしたいなと強く思いました」と強い思いを口にする。
宇治田と同じ民間出身で、模擬内閣では「内閣書記官長兼情報局総裁」を担う樺島茂雄役を演じたのは仲野。本作は日米戦のシミュレーションを行う机上演習では、白熱した議論を繰り広げるシーンも大きな見どころの一つだが、撮影当時について「今回、現場に異常な緊張感があって。それを俳優部それぞれが自覚して撮影が進んでいった印象があります」と、現場に漂う本作ならではの緊迫した空気を振り返る。
池松・仲野らと同じく総力戦研究所のメンバーで、模擬内閣では「陸軍大臣」を担当した陸軍少佐・高城源一を演じた中村も、「あれだけの大人数の中で、(自分が)映っているか映っていないのか分からないような時間もある中で、それでも気を抜かずに、本気で真剣に取り組んでいる現場でした」とコメント。その言葉からも、キャスト一人一人が高い意識を持ちながら撮影に挑んでいたことがうかがえる。
彼ら総力戦研究所のメンバーをまとめる、陸軍中佐・瀬古明を演じたのは佐藤。役同様に撮影の裏側でも、池松・仲野ら若いキャストたちを見守っていた佐藤は、「同じ表現者として全ての役者から刺激をもらった感じがしますし、みんな向き合い方がカッコいいなと。一人一人の息遣いすら感じられるようなお芝居を一連で撮っていたんですよね」と彼らの熱演に心打たれたという。「すごい緊張感で。見ているこっちの息が乱れるような…みんなの呼吸も感じられたので、真剣なぶつかり合いを感じてもらいたいなと思いますね」と本作ならではの熱量あふれる演技合戦をアピールした。
瀬古と同じく、総力戦研究所を作ったメンバーの一人であり、陸軍中佐・西村良穂を演じた江口は、本作について「人間たちが熱く語り合っているだけで、ものすごく怖さを感じる(ような作品)」と説明する。「(キャスト・スタッフも含め)みんな戦争を知らない世代ですし、だからこそ知ってやろうという思いもあり。エリートたちがこんなに必死になっても歯向かうことができなかった空気など、書物だけでは伝えきれない感覚をこの映画では見せてくれると思います」と、自分自身の思いとともに、これまでの映画にはない唯一無二の魅力を熱弁した。
そして、陸軍大臣で、のちに総理大臣となる東條英機を演じたのは佐藤。劇中では、開戦を求めて激化する世論や軍部と、天皇への忠誠の狭間で苦悩する東條の姿も描かれ、結果として日米開戦に踏み切るまでの当時の空気も映し出されていく。佐藤は「日本は常に戦後であるべき。当たり前ですが、戦前に戻っても戦中に戻ってもいけない。そのようなことをみんなで振り返るためにも、この映画が存在する意味はある」と本作の存在意義を強く語りかけていた。
さらに映像の終盤では、各キャストのクランクアップ時の挨拶を捉えた貴重な映像も。映像は池松のクランクアップの様子で締めくくられ、挨拶では「“こういう映画があったらいいな”ということじゃなく、もう、あるべきだと。今の時代に石井さんが発表するべきだと思ったことを覚えています」と本作との出会いを回顧。続けて、「こうやって戦後80年にこうしてできたことが、何か運命めいたものを感じていて…。皆さんに一言一言、御礼を言いたいくらいなんですけれども、楽しかったです。お世話になりました、本当に。個人的には、この作品のためにもしかしたら俳優をやってきたかもしれないとすら思いました」と本作への並々ならぬ想いをにじませながら、感謝の言葉を送っていた。
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開戦前夜
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