2025年3月、冨永章胤は『MEN'S NON-NO』誌の専属モデルを卒業した。海外ランウェイに軸足を移すためだった。すると早速、同年6月にはミラノのファッションウィークでプラダのランウェイを歩き、Instagram上に「初海外ランウェイがこれか!」と綴った。
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2026年も海外ランウェイに挑んだ。6月23日のInstagram投稿には、
「今日はキャスティング10個あってめちゃんこ大変だったけど終わった後のこれがあるから続けられる! 頑張れる!」
とキャプションがあり、生ビールをぐびぐび飲む動画が話題である。
ランウェイを歩くために通過しなければならない、「キャスティング10個」という数字がどれほど大変か?
世界中から強者モデルが集まるのだ。針の穴を通すようなものだろう。冨永章胤の喉ごしは、そうした歴戦の苦労を物語っている。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
世界のランウェイで活躍する日本人モデル
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今夏も世界のファッションウィークが華やいだ。
日本のメディアでは未だに「パリコレ」や「ミラノコレ」といった通称で報じることが多いが、もうそろそろきちんと正式名称を使ってほしいものである。
なにせ今や、日本人モデルがごく当たり前のように世界のランウェイで活躍する時代なのだから……。
パリコレはパリ・ファッション・ウィーク。ミラノコレはミラノ・モーダ、だ。正式名称を使うことは、ショーを開催するブランドにはもちろん、モデルたちに対する最低限の礼儀となるだろう。
そう口酸っぱく前置きしたくなるのは、ここ数年、その活躍と飛躍が心から楽しみな日本人モデルがいるからだ。
もったいぶらずに言おう。冨永章胤である。17歳でニューヨーク・ファッション・ウィークにデビューした、冨永愛の息子である彼の活躍は目を見張るものがある。
胸元から放つ、西海岸の夜の官能
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2026年6月14日、冨永章胤は「今年2026年6月もファッションウィーク、ミラノ、パリ挑戦していきます!」と意気込みを表明する動画をInstagram上に投稿していた。6月25日(パリ現地時間)、彼の姿はアミリの2027春夏メンズ&ウィメンズコレクションのランウェイ上にあった。
アミリは2014年にマイク・アミリが立ち上げた、ロサンゼルス発のブランドだ。クラブカルチャーやロックなどを旺盛に取り込み、1990年代のロサンゼルを表現するスタイルは、一言でいってイケてる。
今回のショーは1980年公開の映画『アメリカン・ジゴロ』から着想を得て、ハリウッドを擁するロサンゼルスの夜があざやかに表現された(招待客が扇子をパタパタする動作も涼しげな演出である)。
全62ルック。ファーストルックのモデルが着用していた、インナーのゼブラ模様シャツがいきなり目を引いたが、それと同じものを44ルック目に登場した冨永も身に付けていた。
シャツのボタンはぎりぎりまで開けられ、はだけた胸元にはジュエリーがきらり。
この胸元から放つ、西海岸の夜の官能がオリエンタルなムードをまといながら、世界をたちまち虜にする。
「キャスティング10個」受けても通過するのは針の穴を通すようなもの
2026年6月23日のInstagram投稿には、「パリ! キャスティング10個」というキャプションを書いている。キャスティングとは、各ブランドがショー開催2週間ほど前に行うオーディションである。
モデルはキャスティング事務所に所属し、キャスティングを受けに行く。
冨永のように1日10つ以上受けるのはざらで、なかには15ものキャスティング会場を回るモデルもいる。
数を受けたからといって決まるとは限らない。むしろ受からないことのほうが多い。ここに日本人モデルが海外ランウェイを歩くための大きなハードルがある。
Snow Man・ラウールが単身ミラノに渡り、ファッションウィークのランウェイを歩くまでを追ったドキュメンタリー『ラウール On The Runway』(Prime Video 2025年)では、日本のトップアイドルでさえ、1日5つものキャスティングをこなしてもなかなかフィッティング(衣装合わせ)まで進めない様子が克明に記録されていた。
冨永のように、「キャスティング10個」受けても通過するのは針の穴を通すようなものだ。にもかかわらず、彼は世界を目指し始めた2025年6月にさっそくミラノで初海外ランウェイを経験し、何とプラダのランウェイを歩いた。
規格外過ぎる……。ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開催中の2026年1月にも2シーズン連続でプラダのランウェイを歩くという、記録の保持者でもある。キャスティングを潜り抜ける苦労はこちらの想像を超えるものがあると思うが、毎年の飛躍が楽しみで仕方ない。
<文/加賀谷健>
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【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。X:@1895cu
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