山﨑賢人の少年時代を演じた“美少年子役”、20歳の現在に驚き。大人になった今こそ注目したいワケ

荒木飛羽Instagramより

山﨑賢人の少年時代を演じた“美少年子役”、20歳の現在に驚き。大人になった今こそ注目したいワケ

8月13日(木) 8:47

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2026年6月5日公開の映画『モブ子の恋』で、ひときわ初登場のワンショットを印象付ける俳優がいた。スーパーマーケットの新入り店員・大野陽役の荒木飛羽だ。

ヒロインからレジ打ちを習う場面。寄っては引くカメラが、絵画的で文学的で映画的でもある荒木の存在感を手際よく際立たせていた。第6話でメインキャストを担った、北村匠海主演ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系、2026年)でも、彼の演技はカメラワークと一体だった。

かつての美少年子役は今、より端正な美青年俳優へと飛躍している。“イケメン研究家”加賀谷健が、注目の秋ドラマ出演に期待を寄せ、荒木飛羽を解説する。

ダ・ヴィンチ工房の美少年と瓜二つ……



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古典的な西洋絵画は時に、現代の思わぬ面影を重ね合わせることがある。たとえば、1630年頃に描かれたグイド・レーニの作品『ヨセフとポテファルの妻』を見ると、エジプト高官の妻に言い寄られるヨセフの(斜め横から見える)横顔が、何と吉沢亮にそっくりなのである。

『旧約聖書』中の挿話を題材にした絵画だというのに、そう思うとぐっと親近感がわく。いや、びっくり!

他にもある。万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子ボルトラッフィオによる『聖セバスティアヌスとしての少年の肖像』(1495年頃)。これはさらにそっくりで驚く。

タイトルに「としての」とあるように、ダ・ヴィンチ工房にいた美少年サライをモデルとして、彼に聖セバスティアヌスの格好をさせたコスプレ的な作品なのだが、美しい目鼻立ちと柔らかな顔の輪郭、そしてどこか英雄的な雰囲気が荒木飛羽と瓜二つなのだ……。

美少年子役から美青年俳優へと飛躍



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小学1年生でスカウトされデビューした荒木飛羽は、空前のキラキラ映画ブーム期の映画『ヒロイン失格』(2015年)やドラマ『好きな人がいること』(2016年)で、ヒロインの相手役だった山﨑賢人の少年時代を演じた。他にも山﨑主演ドラマ『トドメの接吻』(2018年)などなど、圧倒的な美少年子役として頭角を現した。

このコラム冒頭で紹介した聖セバスティアヌスの頭上には、神聖な存在であることを示す黄金色の光輪が描かれているのだが、これも荒木の神々しい美少年像と通じるものがある。

そもそも聖セバスティアヌスは、美少年絵画の代表的なモチーフであり、西洋絵画の世界にとって美少年は純粋さの象徴とされてきた。少年は必ず大人になり、純粋さは儚い。だからこそ、美少年絵画は純粋な少年期の一瞬を描こうと苦心する。

2019年放送のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)で、13歳の荒木は邪心を秘めた美少年役を演じ、多くの視聴者を驚かせた。邪心もある意味では純粋さと紙一重のところがあるが、美少年役にあえて不純なものを宿したキャラ設定は秀逸だったと思う。美少年の酸いも甘いも巧みに表現した荒木は、現在20歳。美青年俳優へと飛躍を遂げている。

スポーツ選手の守護聖人も祝福する秋ドラマ



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2026年4月期ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』第6話では、「銀河一」のサバ缶を宇宙まで飛ばす夢に蓋をして、非行に走ろうとする高校生役を演じた。海辺のロケーションで、固定カメラがひたすら横移動し、手持ちカメラはなるべく寄ろうとする。そうやって画面上に浮かび上がる荒木飛羽、20歳の演技が視聴者の胸を打った。

20歳だが、10年以上もの俳優歴がある。好きな映画の趣味もクラシカルでいい。荒木は、『恋する惑星』(1994年)や『天使の涙』(1995年)など、香港映画に革命的ニューウェーブをもたらした巨匠ウォン・カーウァイ監督作を好む。

トニー・レオンやレスリー・チャン、レオン・ライ等々、美男スターがこぞって出演する同監督作もまた、ゆらめくカメラと断片的なのになぜかシームレスなカット割りが、儚くも美しい一瞬を掬い上げる作品群だ。

それらは映画にしか成し得ない極致でありながら、実に文学的な表現でもある。クラシカルな映画好きの荒木なら、文学作品も古典を好むのではいかと(半ばこちらの願望混じりに)想像は膨らむ。

筋金入りの美男賛美者だった三島由紀夫なんてどうか? 三島の代表作『仮面の告白』の主人公は、何より聖セバスティアヌスが描かれた絵画を好んだ。しかもその絵画は、1615年頃にグイド・レーニが描いた作品だった。

三島偏愛のレーニ作『聖セバスティアヌスの殉教』は絵画の枠を超え、広く美少年のアイコンになった。元は軍人のセバスティアヌスは弓矢で射られても平気な肉体を誇り、そこからスポーツ選手の守護聖人とも考えられるようになった。

2026年10月期に放送予定のドラマ『俺たちの箱根駅伝』(日本テレビ系)で、荒木は大学陸上部の選手役を演じる。荒木飛羽の躍動が今から目に浮かぶようだが、この注目の秋ドラマはきっと守護聖人も祝福する作品になるだろう。

<文/加賀谷健>

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【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。X:@1895cu

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