「死なないで」泣き叫ぶ次男の横でトイレから動けず。夜間救急で告げられたこと【医師監修】

「死なないで」泣き叫ぶ次男の横でトイレから動けず。夜間救急で告げられたこと【医師監修】

8月9日(日) 10:10

40代後半は、更年期に差し掛かる人もおり、心身のバランスを崩しやすい時期といわれています。ストレスやホルモンバランスの変化などから、不調を感じることも少なくありません。この記事では、PMS(月経前症候群)に悩んできた2人の女性の体験談を紹介します。2人はどのように不調と向き合っているのでしょうか。
40歳を前にした体の異変と長男の反抗期
PMSイメージカット

38歳のころのことです。長男が小6、次男が小2のときでした。ついこの間まで甘えていた長男が無口になり、早めの反抗期に突入してしまいました。口を開けば「は?」とか「うぜぇ」とか……。 長男の反抗期はいわゆる暴言がメイン でした。

「そんなの気にしちゃいけない、親はドンと構えて見守ってあげて!」と先輩ママにも言われていましたが、頭ではわかっていても、長男の暴言を聞くたびにイライラして、受け流すことができませんでした。

「親に向かってなんてこと言うの!」 とか、時には 「出て行きなさい!」 と正面からぶつかってしまうこともありました。そしてぶつかり合った夜には、「昔はこんなに怒りっぽい人間じゃなかったのに、私どうしちゃったんだろう……」と泣いていました。

同じころ、私の体にも異変がありました。 毎月のように突然頭痛 に見舞われるようになったのです。その頭痛と一緒に 胸の張り も出て、生理が始まると症状が治まったので、これはPMS(月経前症候群)なんだろうと考えていました。そして生理にも異変があり、1週間ほど続いていた出血が、2、3日で終わってしまうことが何度かありました。

そのころ夫はというと、会社がとにかく忙しくて毎日のように夜遅くまで働く日々が続いていました。 誰も助けてくれない……この家には、私のつらさをわかってくれる人がいない。 私はそう考えるようになったのです。
耐え切れない頭痛…そして泣き叫ぶ次男
ある日、パートの最中に頭が痛いなと感じました。いつもなら頭痛薬を飲むのですが、その日はちょうど手持ちを切らしていたのでなんとか我慢してパートをやり切り、家に帰りました。家に着いてすぐに薬を飲みましたが、痛みは治るどころかどんどんひどくなるので、早く帰ってきた次男に声をかけてもらいながら、横になっていました。

しかし、静寂はつかの間……反抗期の長男が帰宅するとランドセルを玄関にバンッとぶつけ、階段をドスドス上がり、自室の扉を大げさにバタンッと閉めました。

大きな音が出るたび私の頭はズキンと痛み、「お兄ちゃんに静かにしてって言ってきて」と次男にお願いしました。次男が上に行ってしばらくは静かになりましたが、数分後、叫びに近い次男の泣き声と 「ぶん殴るぞ!」という暴言 が聞こえてきます。

私は止めに入ろうと立ち上がりましたが、その瞬間グラッと地面が揺れたのです。 強烈なめまい でした。それと同時に 頭痛 も激しくなり、ものすごい 吐き気 に襲われました。耐え切れず急いでトイレに駆け込み、何度もゲーゲー吐き、それでも吐き気が止まらず胃液までも吐き出してトイレに突っ伏してしまいました。

「ママ死なないで!」

異変を察した次男が駆け寄り、さらに大泣きします。長男は自室に閉じこもったままでした。わが家はカオスでした。
夜間救急、泣きながら夫に訴えた夜
たまたま早く帰ってきた夫がトイレで突っ伏している私を抱え、夜間救急外来に連れて行ってくれました。診断は片頭痛で、「原因はストレスによるものじゃないか。頭痛が続くようなら頭痛外来の受診をしてください。ただ、脳神経系の異常も考えられるので、今後脳外科の受診をおすすめします」と言われました。

その日の夜、私は泣きながら夫に自分の思いを伝えました。長男のこと、私の体のこと。長男のことはわかってもらいましたが、私の体のことは男性の夫には理解できない様子でした。 「病院で診てもらったほうが良い」 。それが夫の言える精いっぱいの言葉でした。

「なんでもっとわかってくれないの……」とモヤモヤして寝ましたが、次の日に生理が来て気持ちがスッとラクになったのを覚えています。しばらくして婦人科へ行き、今回の症状を医師に伝えると 「PMSでしょう」 と言われました。

その日は医師の勧めでプラセンタ注射(※)を受け、漢方薬を処方されて帰宅しました。それから、夫から長男にこのことを話してもらいました。

※プラセンタ注射は、使用する製剤や診断名、年齢、症状などにより、保険適用外(自費診療)となる場合があります。
※PMSの治療法は、症状や年齢、診断内容によって異なります。気になる症状がある場合は、自己判断せず医師に相談してください。

◇◇◇◇◇

医師に相談し、自分の体の状態を客観的に知れたことで、私の気持ちは大きく変化しました。治療を受けてすぐにすべてが解決したわけではありませんが、「今は生理前だから仕方ない」「イライラしても生理が来れば終わる」と割り切れるようになったのです。

私がつらいときは無理に関わらず、嵐が過ぎ去るのを待つ。 この「適度な距離感」と「正しい現状理解」が、反抗期の長男との衝突を減らす鍵となりました。互いの状況を少しだけ思いやることで、私たちは家庭崩壊という最悪のシナリオを回避し、なんとかこの時期を乗り越えています。

【粒来先生からのアドバイス】
月経があるどのライフステージでもPMSは見られますが、特に40代前後は多い印象があります。この時期は仕事や家事、育児といった日々の働きに対して、体の無理が効かなくなる時期と考えられます。若いころに比べて、月経周期による女性ホルモンの波がシンプルに体にこたえる世代と思います。

漢方療法などでPMSの症状を緩和できる可能性はあります。一方、繰り返し嘔吐するほどの頭痛や強いめまいがある場合、脳血管障害などの病気が隠れている可能性もあるため、脳神経外科や脳神経内科、救急外来への受診も検討してください。

監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)
日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。

著者:永田りん/40代女性。2人の男の子のママ。息子たちに包囲され、女子力が低下気味。
イラスト:あさり
強い倦怠感とうまく付き合う方法は
PMSイメージカット

30代まではどんなに体調が悪くても、周期が乱れることは少なかったように感じています。ところが40代に入ると、ちょっとしたストレスや体調不良で大幅に周期が乱れてしまい、周期が乱れると、PMS(月経前症候群)のような不調も強く感じることがあり、悪循環のように思えました。その上、生理痛も長引き、1カ月の半分以上は体調が良くないと感じることもありました。

私の場合、周期が乱れると、正常に戻るまでに半年ほどかかり、やっと落ち着いてきたころにまた乱れてしまうという繰り返し。ストレスをためないようにしていますが、家族のことで悩みが尽きない日々を過ごしていて、 心の安定がなかなか難しいことも周期が乱れる原因 だと思っています。更年期の始まりと重なっているのも原因なのかな、と感じることもあります。

生理痛の種類が変わってきたことを友だちに話すと、友だちも共感してその日は生理痛の話題で持ちきりでした。30代までとは違って、生理が来てからもだらだら続く倦怠感と腹痛。体調が良くないときは頭痛もあるという話にもなりました。生理痛が重くなっているのは、更年期の始まりなのか、閉経に向けてのラストスパートなのか。体の変化をそれぞれ少しずつ感じる年齢なのかなと思いました。

PMSのような不調が続いた上、生理が来ない時期もあったため、婦人科で相談しました。検査の結果、特に子宮に異常はなく、医師からは、40代という年齢も影響し、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の変動が関係している可能性があると説明されました。やはり精神的なものは大きいのかなという印象を受けました。
市販の鎮痛薬をうまく使う病院から処方された鎮痛薬は私には少し強く感じたので、市販の鎮痛剤をうまく使いこなせるようになってからはだいぶ体がラクになりました。

そして、今まではやらないといけないことをタスク化して、こなさなければならないと思っていましたが、 今は「休むのもケアの1つ」と考えるようにして無理なく過ごすように心がけています。

家族の理解も大事だと思ったので、婦人科へ行ったことや、生理中だけでなく、その前後も体調が悪くなることを話しました。ずっとひとりで抱えて過ごしていた時期もありましたが、なかなかひとりではどうしようもない問題だと思ったので、周りの人に理解してもらって助けてもらいながら、今の状況を受け入れて過ごそうと思っています。

◇◇◇◇◇

私にとって40代のPMSや生理痛は、更年期の始まりとも重なり、なかなか改善方法が見つからないものでした。無理せずに、自分をいたわり、周囲の人々に話して理解してもらいながら、付き合っていこうと思っています。

監修/沢岻美奈子先生(日本産科婦人科学会専門医・日本女性医学学会ヘルスケア専門医)
産婦人科専門医として29年間、約25万人の女性を診察。更年期を中心としたヘルスケア領域が専門で、心身の不調が特徴的な更年期の揺らぎ世代を、薬だけではなく栄養面やコーチングも取り入れた統合医療で全人的なサポートをおこなっている。

著者:徳 衿唯/40代。最近夫が「サウナー」になり、誘われて行った施設で「ロウリュ」を体験。サウナの醍醐味を体感し、「サウナー」一歩手前な専業主婦。
イラスト:おみき
まとめ
体験談の2人に共通していたのは、婦人科にかかると同時に家族に協力を求めたという点です。PMSは、すぐに不調が解消するとは限らないため、医師に相談しながら自分に合う対処法を探していくことも大切です。1人で悩みを抱え続けるのは負担が大きいもの。体調の波を理解してもらい、無理をしすぎない環境を整えることが、少しずつ心身をラクにする助けになるのかもしれません。


※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています



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