【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】後半戦はメルセデス、フェラーリ、マクラーレンの三つ巴になる!?

昨年の王者ランド・ノリスがハンガリーでライバルを圧倒して今季初優勝を飾った。レース後のノリスは「このマシンなら勝ち続けられる」と語っており、マクラーレンは後半戦の台風の目になりそうだ

【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】後半戦はメルセデス、フェラーリ、マクラーレンの三つ巴になる!?

8月7日(金) 8:00

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昨年の王者ランド・ノリスがハンガリーでライバルを圧倒して今季初優勝を飾った。レース後のノリスは「このマシンなら勝ち続けられる」と語っており、マクラーレンは後半戦の台風の目になりそうだ

昨年の王者ランド・ノリスがハンガリーでライバルを圧倒して今季初優勝を飾った。レース後のノリスは「このマシンなら勝ち続けられる」と語っており、マクラーレンは後半戦の台風の目になりそうだ





連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE53 前半戦を締めくくる第11戦ハンガリーGPは昨シーズンのチャンピオン、マクラーレンのランド・ノリスが圧倒的な速さを披露して今季初勝利を挙げた。

また、そのブダペストではホンダとパートナーシップを組むアストンマーティンがついに車体の大型アップデートを持ち込み、大幅なタイムアップに成功。入賞こそ届かなかったが、中団グループでバトルを演じてみせた。

F1はハンガリーGP終了後からザントフォールト・サーキットで開催される第12戦オランダGP(決勝8月23日)までの間は夏休みに入っているが、ザントフォールトにはホンダが待望の改良型パワーユニット(PU)を投入する。

果たしてアストンマーティン・ホンダがどこまで競争力を上げるのか?そしてメルセデス、フェラーリ、マクラーレンによる三つ巴の優勝争いの行方は?後半戦はますます目が離せなくなりそうだ!

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【大好きなスパを楽しめない】ベルギーGPとハンガリーGPは連戦となりましたが、ベルギーではポイントリーダーのキミ・アントネッリ選手が圧倒的な速さで優勝し、今季6勝目を挙げました。フェラーリのシャルル・ルクレール選手もアントネッリ選手に必死に食らいついていましたが、2位でフィニッシュしています。

ベルギーGPが開催されるスパ・フランコルシャンはアップダウンもあり、F1屈指の高速コースです。F1マシンの醍醐味である高速でコーナーリングする姿を見ることができる、僕の好きな"オールドサーキット"のひとつです。

ところが高速コーナーが多く、アクセル全開率の高いスパ・フランコルシャンやイギリスのシルバーストンでは現代のF1の"良くないところ"が露呈します。スパ名物の高速コーナーをアクセル全開で攻めると、ストレート区間で電気エネルギーが足りなくなってしまうので、アクセルを緩めて充電せざるを得ません。

今のレギュレーションは、世界最速のF1マシンと世界最高のサーキットであるスパ・フランコルシャンの両方の良さを失わせてしまっているので、レースとしては楽しめなかった、というのが正直なところです。

逆にハンガリーGPの舞台となったハンガロリンクはストレートが短く、低速コーナーが連続する"ストップ&ゴー"のサーキットです。電気エネルギーをセーブする必要がないので、ドライバーは思いっきり攻めることができます。だからレースは面白かったですね。



【王者マクラーレンが完全復活!?】ハンガリーGPではマシンのアップデートを投入したマクラーレンが速かった。予選で昨シーズンのチャンピオン、ランド・ノリス選手がポールポジションを獲得すると、決勝でもノリス選手はチームメイトのオスカー・ピアストリ選手と優勝争いを展開します。

ピアストリ選手は最終的にマシントラブルでリタイアに終わりますが、ノリス選手が2位以下を大きく引き離して今季初優勝を飾りました。

それにしてもマクラーレンはここ数年、シーズン中のアップデートが見事にハマりますね。2023年シーズンでいえば、マクラーレンは開幕直後に最後尾を走っていたのですが、マシンの改良を着実に進め、中盤戦以降はトップグループに躍進してきました。

それ以降、マクラーレンは毎年のようにシーズン中のアップデートを成功させ、2024年と25年は連続でコンストラクターズ・チャンピオンに輝いています。それはマクラーレンの組織力のなせる技ですが、今シーズンの後半戦もうまくやってくると思いますね。

その一方で、ハンガロリンクはPUの性能差が出にくいので、車体性能に優れたフェラーリが勝つと期待していたのですが、ルクレール選手が4位、ルイス・ハミルトン選手が5位に終わり、表彰台に上がることすらできませんでした。

フェラーリに代わってマクラーレンが優勝争いに食い込んできたので、フェラーリ・ファンとしては内心穏やかではありません。しかもノリス選手だけでなくピアストリ選手も速さを取り戻してきたので、フェラーリ陣営は本当にうかうかしていられないですね。

「マクラーレンが優勝争いに食い込んできたことで、フェラーリ・ファンとしては内心穏やかではありません」と語る堂本光一

「マクラーレンが優勝争いに食い込んできたことで、フェラーリ・ファンとしては内心穏やかではありません」と語る堂本光一





マシン開発に関しても、マクラーレンは中盤戦からアップデートを本格化させていますが、フェラーリの場合は前半戦にリソースを集中して注ぎ込んでいたので、これからの伸びしろという意味ではちょっと不安です。

いずれにせよフェラーリにとって後半戦は、メルセデスだけでなく、マクラーレンも優勝争いのライバルになっていきそうです。



【アストンマーティンが大きく前進】マシンのアップデートといえば、アストンマーティンが全面的に改良を施した"Bスペック"をついに投入しました。空力をアップデートしただけでなく大幅な軽量化も実現しているようで、パフォーマンスはかなり向上しました。

ハンガリーのフェルナンド・アロンソ選手とランス・ストロール選手はそれぞれ14位と13位でフィニッシュしています。中団グループのハースやウイリアムズ、アルピーヌと戦うことができていた。これは大きな前進です。

アロンソは全面改良を施した「Bスペック」のマシンで力強い走りを披露。中団勢バトルを繰り広げ、14位で完走。「次戦のオランダにはホンダのアップデート版のPUが投入されるので楽しみ」と語る

アロンソは全面改良を施した「Bスペック」のマシンで力強い走りを披露。中団勢バトルを繰り広げ、14位で完走。「次戦のオランダにはホンダのアップデート版のPUが投入されるので楽しみ」と語る





アストンマーティンはハンガリーGP終了後、プロモーション撮影目的のフィルミングデーを利用して、ホンダが大幅なアップデートを行なった新しいPUを搭載したマシンを走行させています。

テスト走行は順調に進んだようですし、ホンダが夏休み明けのオランダGPに投入するPUは確実にパワーアップしているはずです。また、チーム代表でマシン設計を手掛けるエイドリアン・ニューウェイさんは「さらなるマシンのアップデートをオランダに持ち込む」とコメントしていたので、後半戦のスタートが本当に待ち遠しい。

車体とPUのアップデートがうまく噛み合って、オランダでは入賞圏内に入ってくれることを期待しています!



【アントネッリの凄さを改めて感じる】第11戦のハンガリーGPで前半戦が終了し、19歳のキミ・アントネッリ選手がポイントリーダーでシーズンを折り返しました。ランキング2位は50ポイント差でフェラーリのハミルトン選手、ランキング3位は59ポイント差でメルセデスのジョージ・ラッセル選手です。

アントネッリ選手の強さの要因は、メルセデス製PUのエネルギー効率がライバルの一歩先をいっているというのもありますが、それに加えて彼が新ギュレーションのマシンを理解していることが大きいと思います。

アントネッリ選手はベルギーGPでチームメイトのラッセル選手がマシンのポテンシャルを引き出すのに苦しんでいたのとは対照的に、予選から素晴らしい速さを見せて圧勝します。

続くハンガリーGPでは、予選でイエローフラッグ提示中に十分な減速をしなかったとして3グリッド降格ペナルティを科されて7番手からスタートしますが、追い上げて3位表彰台を獲得しています。

レース終了後、トップ3のドライバーが表彰式の前に休憩をとる控室でハンガリーGPのリプレイ映像が流れていましたが、そこでラッセル選手がスタートに失敗して最後尾までポジションを落とすシーンが映りました。

するとアントネッリ選手は、優勝したノリス選手と2位のマックス・フェルスタッペン選手に対して、ラッセル選手がスタートに失敗した理由を解説していた。

それを見て、アントネッリ選手が新しいマシンの特性を理解して、うまく適応していることをうかがい知ることができたのですが、対してラッセル選手のほうは新しいマシンについての理解が十分にできていないのかもしれない、と思いました。

今となっては皮肉な話ですが、シーズンが開幕した直後のラッセル選手は「新しいレギュレーションのマシンが大好きだよ」と言っていたのですが......。

アントネッリ選手は今、完全に勢いに乗っていますし、ラッセル選手やハミルトン選手のことをあまり気にせず、勝つことだけに集中しているように見えます。

ハンガリーGP後のインタビューでアントネッリ選手は「ダメージを最小限に抑えることできた」とコメントしていましたが、タイトルを争うハミルトン選手(5位)とラッセル選手(7位)はアントネッリ選手よりも順位が下でした。

アントネッリ選手はライバルに対してポイント差を広げることに成功し、ダメージは何にも受けてないんですけどね(笑)。それでも本人は「ダメージを最小限に......」という言い方をしたということは、もう優勝しか狙ってないということですよね。本当に恐るべき19歳です。



☆取材こぼれ話☆夏休み明けから、来シーズンに向けてのストーブリーグが本格化していきそうだ。マックス・フェルスタッペンがレッドブルとの契約を更新しておらず、その動向によってドライバーラインナップは大きく変わりそうだ。

「来シーズンの動向に関して、すでにいろんな噂が出ています。フェラーリは現行のラインナップでいきそうですが、レッドブルのフェルスタッペン選手やマクラーレンのピアストリ選手がチームを出るかも......という噂があります。でも、なんだかんだ言ってマクラーレンは現在のコンビが継続するような気がしますし、最終的には2027年のドライバーの顔ぶれに大きな変化はないのかなと思っています。

僕が一番気になるのは 角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手 です。どうにか角田裕毅選手にはレギュラードライバーとして帰ってきてほしい。ハースやウイリアムズと交渉しているとか、ほかのカテゴリーに参戦するという噂も出ていましたが、個人的にはF1にとどまってシートを見つけてくれることを願っています!」

スタイリング/渡邊奈央(Creative GUILD)衣装協力/AKMヘア&メイク/大平真輝

構成/川原田 剛撮影/樋口 涼(堂本氏)写真/桜井淳雄

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