見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)第19週第92回で、中村倫也演じる赤痢患者・柳生藤次が初登場した。
「こん人、東京から来たみてです」と強調される柳生藤次は、藁の寝床からいきなり起き上がり、視聴者たちを驚かせた。患者役にもかかわらず、演じる中村からむんむん色気が漂っていると話題だ。
中村らしい色気が漂う理由には、田舎にきた都会人という役柄と中村が演技をする上での「ベストポジション」が関係している。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
田舎にきた都会人という設定
この投稿をInstagramで見る 朝ドラ「風、薫る」公式(@asadora_ak_nhk)がシェアした投稿
中村倫也は、田舎にきた都会人という設定が不思議とよく似合う。2023年放送の主演ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)では、中村演じるミステリー作家・三馬太郎が、東京から父の故郷であるハヤブサ地区にやってきた。
スランプ状態にある太郎は、自然豊かな民家に新たな執筆場所を構えた。無理に溶け込むわけでもない。もともとそこにいたわけではないよそ者の空気感をまといながらポンと田舎に入り、よそ者が飄々とそこにいてなぜか馴染む感じ(ちなみに中村本人は東京都出身)。
さらに現在放送中の連続テレビ小説『風、薫る』第19週第92回での初登場場面を見て、やはり同様な設定のキャラクターが似合う俳優だなと再確認した。中村が演じるのは、東京からやってきて赤痢に感染した患者・柳生藤次である。
外気と接する「ベストポジション」
『風、薫る』の舞台も東京から新潟に移り、主人公・一ノ瀬りん(見上愛)は看護婦としての葛藤を抱えながら、村中に感染が広がる赤痢患者を看病していた。中村演じる藤次は、その患者の1人だ。
村人たちは、よそ者である藤次が赤痢を持ち込んだと思い込もうとしていた。藤次は赤痢患者を隔離する避病院の病室に入れてもらえず、病室外にある藁の寝床に追いやられていた。彼自身もなかばやけになって、そこに身を隠していた。りんが近寄ると、藁の寝床からガバッと上体を起こした。
りんたちは衛生環境を整えるために、換気と消毒を徹底した。元は寺である、この隔離空間で、ほとんど外に近い場所にいる藤次が、誰よりも外気と接していることになる。そしてこうした場所こそ、中村が演技をする上での「ベストポジション」になってくる。
中村倫也固有の「風情」
たとえば、『ハヤブサ消防団』での太郎役は、民家の縁側に佇み、外気と素肌で触れ合うかのような中村の演技が素晴らしかった。あるいは、クールだがお茶目な新郎役を演じた出演映画『ウェディング・ハイ』(2022年)にも、見逃せない場面があった。
中村演じる新郎・石川彰人が、ベランダで冷たい飲み物を片手に「ベストポジション」と(モノローグで)呟く。さらに室内を見渡して「いいねぇ」と独り言を発するとき、夜の外気を身にまとう中村から、尋常ではない色気が静かにだだ漏れていた。
藁の寝床の中から登場した藤次を見た視聴者たちもまたSNS上で、中村が発する色気について指摘している。彼の色気成分はおそらく、外気とうまく溶け合うのだろう。外気に接する「ベストポジション」を得た中村倫也は、彼固有の「風情」を醸すのだ。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。X:@1895cu
【関連記事】
・
NHK朝ドラ『風、薫る』で重鎮役がハマる55歳俳優。「あすなろ白書」の“おどおど青年”から33年、椅子に座るだけで放つ威厳・
優男イメージの38歳俳優が魅せた“平成の二枚目しぐさ”に悶絶!木村拓哉・福山雅治を彷彿とさせる色気・
NHK朝ドラ『風、薫る』で目を引く38歳俳優。“完璧な貴公子”を作り上げた意外な経歴と地道な努力・
今期は豊作! 最終回まで見届けたい夏ドラマ5選。『VIVANT』も話題だけど、秀逸なのが“金曜ドラマ”・
朝ドラ、大河とNHK作品で存在感を増す30歳俳優。凛とした美しさと“眉間の演技”に釘付け