2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。
20年間生活した東京をあとにして、故郷北海道で自然や犬との気ままなシンプルライフを楽しむアンヌさん。本連載では、40代の今だから感じる日々のあれこれを綴ります。
第95回となる今回は、「カリスマの共通点」について考えます(以下、アンヌさんの寄稿です)。
日ハムの本拠地・エスコンでのロケ中に、一人の男性が
「この人についていきたい」と自然とまわりに思わせる人ってどんな人でしょう。
私はそのヒントを北広島のエスコンフィールドで見出したのでした。
仕事でもプライベートでも、北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールド北海道へ足を運ぶことが多い私。先日も、出演している「どさんこWEEKEND」のロケで、新しいグルメやアクティビティを紹介するため朝から滞在していました。
今回はあくまでも仕事ということで普段試合の日に観客が入場するゲートではなく、選手やスタッフが出入りする通用口を使わせていただいていました。
何度か駐車場と通用口を往復していたそのとき。向こうからキャリーケースを軽やかに引きながら、一人の男性が歩いてきたのです。
森本稀哲コーチとの遭遇に、猛パニック!
その姿を認めた途端、私は思わずかたまってしまいました。驚くほどの小顔、そしてかつて見たことないくらい、ぴしっと美しい姿勢。
まるで一本の線のようにスッと立ち、歩いているだけなのに周囲の空気の色合いまで変わりそうな雰囲気。
そう森本稀哲コーチがこちらにむかって歩いていらっしゃるではありませんか。
本来は選手やコーチのみなさんのお手を煩わせたり、余計な注意をこちらにむけていただくことは絶対にぜったいになし!!! 特にこの日は移動日からのナイターという皆さんにとって過酷なスケジュールの日。だめだだめだ!!!
森本コーチの視界に入ってはならない! ファンとしてこれは透明人間になるべき! ととっさに隠れるか……いや、しかし目が合ってしまっている!!! と私は一人で猛パニック。
しっかり目が合っているのに、この状況ではご挨拶しないほうが失礼でしょう。とっさに私は90度のお辞儀。「お疲れさまです!!! いつも応援しております!! 取材でお邪魔しております!!!」と、絶叫。その姿はさながらひたむきな高校球児の様だったはず。
すると森本コーチは、朗らかに「お疲れさまです」と笑顔で返してくださり、軽やかにエスコンへと入って行かれたのでした。
カリスマって姿勢だ!!
ものの数秒。なのにこの一瞬で、私は完全に圧倒されてしまったのでした。
「す、すごすぎる……人がついていく人って、こういう人なんだ」
そんなことを心の底から実感。もちろん、森本コーチは長年トップレベルで戦ってきたプロ中のプロ。
経験も実績も、人間性も素晴らしく、ファイターズファンのみならず、プロ野球ファン全体から愛されています。
魅力的な方なのは当然ですが、その前提があるのは別として、自然と「ついていかせてください! 教えてください!」と、一瞬にして自分が高校球児のような気持ちになったあの空気。(ちなみに私は野球経験はありません。それなのに、教えてください! と自然と言いたくなるあの不思議なオーラ)
そう、あれは森本コーチの圧倒的な姿勢の美しさにも完全にやられてしまったといえるかも。
私はその瞬間、「カリスマって姿勢だ!」と実感したのです。
姿勢の良さから感じ取る知性や品性
考えてみれば、私がこれまで「この人すごい! 魅力的!」と感じてきた人たちは、みんな総じて美しい姿勢の持ち主。インタビューさせていただいた企業トップの数々、アスリートの方々……リーダーシップのある人は、例外なく立ち姿が美しいのです。
そうそう、政治家の方が私の職場であったTBSにいらした際、私は彼らを警護するSPのオーラにびっくりしたことがありました。みなさん姿勢がびしっとしていらしたなあ。思わずSPの方にしっかり挨拶しちゃったっけ。
人は無意識に姿勢の良さから、信頼感や自信、知性や品性を感じ取るのかも。
40代に突入した私。仕事でも後輩が増え、時には教えを請われたりすることも増えてきました。場合によっては率先してリーダーシップを発揮しなければならないタイミングもあるわけで。
多くの人から「この人は頼りがいがある!」と私だって思われたい。
いや、思わせないとキャリア的にまずい。
知識や経験、プラスアルファで「この人についていきたい」と思ってもらえる空気をつくり出すことも大人になったら必要なのですよ。
姿勢を意識してみたら、家族から一言
ということで私は、勝手に「姿勢キャンペーン」を始めました。そう、「大人のびしっとした背中」を作り出すために。いつでも「美しい姿勢」を生み出そうと模索しているのです。
家でも肩甲骨を寄せてみたり、愛犬の散歩でも胸を開いて、まるでオードリーの春日さんみたいに歩いてみたり、椅子に座るときも、膝をくっつけて骨盤を立ててみたり。
昨日も自宅の食卓でパスタを食べているときに、なんだか背中が丸くなっているかもとハッした私は、肩甲骨をひゅっと寄せてみたのでした。
ところが、その様子を見た家族から飛んできたのは「肩でも痛いの?」の一言。ちっがーう!!
仕事ができる大人のオーラをみにつけるべく頑張っているんだよ! わっかんないかな……。
どうやらカリスマオーラは一朝一夕に身につくものではなさそう。でもでも私はあきらめない。地道に肩甲骨を寄せて歩きます。目指すは森本コーチ!
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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