「オデュッセイア」で魔女キルケを演じたサマンサ・モートンが、撮影を終えてからの1年間、俳優の仕事が1本もなかったと明かした。米国の映画ポッドキャスト「ハッピー・サッド・コンフューズド」で語っている。
スピルバーグ監督の「マイノリティ・リポート」で、犯罪を予知する能力者を演じたのがモートンだ。1991年から俳優として活動し、「ギター弾きの恋」で助演女優賞、「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」で主演女優賞と、2度アカデミー賞の候補になっている。ドラマ「ウォーキング・デッド」にも出演していた。
キルケ役の話は、クリストファー・ノーラン監督から直接かかってきた電話で決まった。そのときのことを、モートンは米バラエティとのインタビューで振り返っている。
「電話をもらって、泣いてしまいました。世界中の誰でも選べる人が、私を選んでくれたのです。年を重ねると、こういう役はめったに回ってきません」
演じたキルケは、旅を続けるオデュッセウスの一行を島で待ち受ける魔女だ。出番は10分ほどだが、その芝居には撮影現場でスタッフから拍手が起きた。
だが、その撮影を最後に仕事は途切れた。原因は年齢だと、モートンは考えている。
「『オデュッセイア』をやってから、1年間、仕事をしていません。腕のいいエージェントもマネージャーもついているのに、です。でも結局のところ、私は49歳ですから。自分ではいい俳優だと思っています。ただ、いい俳優はほかにもいるでしょう。業界のありようが、すっかり変わってしまったのです」
俳優として最も落ち込んだ出来事にも、モートンは触れている。スパイク・ジョーンズ監督の「her 世界でひとつの彼女」で、ホアキン・フェニックス演じる主人公が恋をする人工知能サマンサの声を、当初はモートンが担当していた。撮影現場でフェニックスと芝居を合わせていたが、撮影が終わったあとに降ろされ、編集の段階でスカーレット・ヨハンソンの声に差し替えられた。
「私のサマンサは、イギリス英語でした。まるで違うものだったと思います。ヨハンソンの声は美しくて、とても心に響きます。頭では理解できました。それでも、悲しかった。降ろされるのは、やっぱりこたえます。もう一度ブースに入って、アメリカ英語で録らせてほしかった。ただ、相手はスカーレット・ヨハンソンですからね。かないませんよ」
それでも、ノーラン監督からの電話は希望になったという。
「続けていれば、いい仕事をしていれば、それを見てくれる人がきっといる。そうすれば、まだ働き続けられるかもしれない。そう思わせてくれました」
「オデュッセイア」は9月11日から全国公開される。
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オデュッセイア
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