8月4日(火) 23:40
給付付き税額控除とは、所得税などから一定額を差し引き、控除しきれなかった分を現金で受け取れるようにする仕組みを指します。
例えば、控除できる金額が5万円、納める所得税が2万円だったとします。通常の税額控除では税金が0円になるだけですが、給付付き税額控除では、差額の3万円を給付する方法が考えられます。
政府は、中低所得の働く世代の負担を軽くし、収入が増えれば手取りも増えやすい制度を目指しています。また、「年収の壁」による働き控えを和らげることも目的の一つです。
ただし、2026年7月時点では、支給額や対象となる年収が最終決定したわけではありません。そのため、報道や試算で「数万円もらえる」と紹介されていても、その金額を受け取れると確定したわけではない点に注意しましょう。
現在の政府案では、給付は原則として「個人単位」で対象者を決める方向が示されています。そのうえで、制度が複雑になり過ぎない範囲で配偶者の所得を考慮する例外を設けることが検討されています。
したがって、夫の年収に妻のパート年収100万円をそのまま足し、合計額だけで給付を全額なくす仕組みになるとはかぎりません。
仮に夫の年収が300万円、妻の年収が100万円でも、夫婦それぞれの所得を基準に給付額を判定する制度であれば、妻の収入が増えたことだけで夫の給付が直ちにゼロになるとは考えにくいでしょう。
一方で、一定以上の配偶者所得を給付額に反映する仕組みが採用されれば、夫の給付が減る可能性はあります。
妻のパート収入を増やすことで給付が減り、世帯の手取りが少なくなるのかを判断するには、給付が減り始める年収と、完全になくなる年収がまだ確認する必要があります。ただし、これらの基準はまだ確定しておらず、「年収100万円を超えた瞬間に数万円を失う」といった具体的な境目も、現段階では決まっていません。
働き損とは、収入を増やしたのに、税金や社会保険料、各種給付の減少によって、世帯の手取りがほとんど増えない状態を指します。
例えば、妻の年収が10万円増えても、給付が10万円減れば、世帯の手取りは増えません。また、社会保険料の負担が新たに始まると、一時的に手取りが減ることもあります。
もっとも、給付付き税額控除は、収入が増えたことで手取りが急に減る事態を抑える目的も含めて検討されている制度です。政府資料には、所得に応じて給付額を調整し、一定の所得水準を超えた後は支援額を段階的に減らす考え方が示されています。ただし、給付を減らし始める所得水準や給付を終了する基準は、まだ確定していません。
そのため、給付額が減る可能性だけを見て、すぐに働き損と判断するのは適切ではありません。家計への影響を確認する際は、給付額だけに注目するのではなく、夫婦それぞれの手取りや所得税・住民税・社会保険料の負担をまとめて比べることが大切です。
妻のパート年収100万円を夫の年収に合算しただけで、給付付き税額控除が必ず全額ゼロになるとはいえません。現時点では個人単位を基本とする案が示されており、配偶者所得をどこまで反映するかは検討中です。
制度が決まる前から給付を気にして勤務時間を減らすと、かえって世帯収入を減らすおそれがあります。今後公表される対象所得、給付の減り方、配偶者所得の扱いを確認し、税金や社会保険料を含めた年間の手取りベースで判断するようにしましょう。
内閣官房 社会保障国民会議給付付き税額控除等に関する実務者会議(第12回) 議事次第 資料2 給付付き税額控除のイメージ(中間とりまとめに向けた議論の整理(給付付き税額控除))
内閣官房 社会保障国民会議給付付き税額控除等に関する実務者会議(第18回) 議事次第 資料2 中間とりまとめ(案) (給付付き税額控除の本格導入部分)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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