秋元康がプロデューサーを務めるシアターボーイズプロジェクト「Cloud ten(クラウド テン)」が、2026年8月2日(日)に専用シアターをオープンさせる。
「Cloud ten THEATER」と名付けられたその施設は、東京・お台場にあるダイバーシティ東京プラザに新設。同年4月にお披露目されて以降、地方巡業を続けてきた彼らが、ついにホームを手にする。
想像以上に近さを実感する圧巻のステージ
7月31日と8月1日にはゲネプロを実施。3グループ(各11人構成)に分かれ、それぞれ1回「We're Cloud ten公演」を行った。SPA!は、8月1日の12時開演の公演を取材。出演したのは、下記11名だ。
阿部晴仁(あべ はると)、稲葉斗真(いなば とうま)、宇治斗真(うじ とうま)、北凪 晴(きたなぎ はる)、興梠大和(こうろき やまと)、根本純志(ねもと あつし)、濱屋元希(はまや もとき)、平石愛葵(ひらいし あいき)、福嶋涼斗(ふくしま すずと)、松尾帆高(まつお ほだか)、渡邊絢斗(わたなべ あやと)
公演は、心を高揚させるOvertureで開幕。11人は、英国風のロングコートをまとってステージに現れ、1曲目「We're Cloud ten」を披露した。稲葉をセンターポジションに据え、力強くシンクロするフォーメーションダンスを見せる一同。ステージが低めだからか、いざメンバーが立つと想像以上に近さを実感する。フルメンバーならなおさらで、ステージいっぱいに広がる11人のパフォーマンスに一気に目を奪われた。
その後も全体曲は続き、「君は君だ」、「太陽の傾き方」を経て4月のお披露目でも披露した「ごめん 愛こそ全て」へ。当時とはグループ編成がガラリと変わっていることもあり、歌割りやフォーメーションを覚え直す必要があったと思うが、満面の笑みで踊る彼らの顔に不安は一切感じられない。両サイドの席にも駆け寄り、近い距離で笑顔を交わしていた。ステージが低めだからか、目線の高さが非常に近い。筆者は最前列に座っていたが、メンバーがしゃがむと目線の高さがちょうど同じくらいになった。
「客席に汗が飛んでしまったらどうしよう」(北凪)
また、4曲披露したところで早くも汗だくになっているメンバーが。なかでも阿部と北凪は顕著で、公演後の囲み取材では「Cloud tenのなかでも汗っかきの2人。本番では緊張もあっていつも以上に汗をかいてしまった気がします」(阿部)、「1曲目から最後まで楽しかった証拠でもあると思います。ただ、客席に汗が飛んでしまったらどうしようと、そこだけが心配でした……」(北凪)と、それぞれ心境を語ってくれた。ちなみに、「僕も汗っかきです。たぶん、Cloud tenで一番は僕!」と2人に張り合ったのは、稲葉。いい汗をかけたと満足げに微笑んだ。
合間のMCで「ファンネームが『Winds』になった」との発表をしつつ、ソロ&ユニット曲のブロックへ。ソロ曲「青春タンデム」、2人組ユニット「夕焼けがいつもと違って見える」、3人組ユニット「パパラッチ鬼ごっこ」、5人組ユニット「他人仮面」と、順に披露された。このグループでソロを披露するのは、北凪。さわやかで天然なイメージが強い彼だが、スパンコールがギラつくナポレオンジャケットを羽織り、ガイコツマイクで歌い舞うというワイルドさをアピール。ギャップを見せつけた。そして2人組ユニットは、根本と興梠。“鎖”をキーアイテムに、「近いけれどぎこちない」という2人の形容しがたい関係を歌い上げた。
全体曲で見せた笑顔を一旦封印し、楽曲の世界に
3人組ユニットは濱屋、福嶋、平石。白い三角コーンとコーンバーを使って三角形を描いたり、歌詞を3度リフレインしたりして、3人ならではの表現で魅せた。その後の5人組ユニットは、阿部、稲葉、宇治、松尾、渡邊が登場。ラグジュアリーな黒のセットアップに身を包み、仮面やチェア、テーブルクロス、ナイフとフォークなどを使った多彩なステージングで観る人の心をつかんだ。全体曲で見せた笑顔を一旦封印し、楽曲の世界にグッと引き込むシリアスなパフォーマンスが見もののブロックとなった。
直後のMCでは、北凪の「青春タンデム」を振り返り「いつかは僕もソロを」と意気込む宇治の姿が。また、「特技は登山」だという阿部の好きな山「穂高岳」が、松尾の名前「帆高」の由来にもなっていることを紹介。阿部と松尾は、現在同室で生活しているほか、グループ編成が変わってもずっと一緒だとか。そのめぐり合わせにはメンバーも改めて驚いていた。さらに、稲葉と宇治の名前が同じ「斗真」にも触れ、「『いなとま』と『うじとま』で区別してもらえたら」とも語られた。
一生懸命でピュアなごまかしのない一挙手一投足
終盤戦は、ブラウンの燕尾ジャケットとチェック柄のボトムに着替えて再登場。「Dress up」からはじまり、4月のお披露目や巡業でも披露していた「君とSomeday」「An underwater flower」を現編成でパフォーマンス。そして、「ダンスが高難度」だと言う「僕たちの自由」へと繋いだ。再び11人全員でのパフォーマンスに戻ると、人数の多さだけでなくシンクロ率の高さと気迫にも圧倒された。
この時点で、専用シアターはオープン前。11人はまだまだ荒削りだ。けれどそこには、ここまでの時間をムダにしてこなかった最大値のパフォーマンスがあり、「楽しんでもらいたい」という強い思いがあった。何もごまかしていない一挙手一投足は、とにかく一生懸命でピュア。もう明日にでも成長を見せてくれそうな、可能性を感じることができた。
その後のMCで渡邊は、「まだ高校生ですが一人で静岡から上京。家族は心配していたと思うけど、このステージを観て親も安心してくれたかも」と、ホッとした表情。また北凪は「僕がアイドルに挑戦するのは、Cloud tenで3回目。それもあって、いろいろ言われてしまうこともあるけれど、メンバーみんなが人生をかけてここに来たように、僕もここで絶対に売れたいと思ってる」と気合十分。「みんなで一緒に駆け上がろう!」とメンバーに呼びかけた。そうして「次に会える日まで」へ。〈また会えるよね? 約束してほしいよ〉とストレートな気持ちを伝えるスローバラードで、本編を締めくくった。
いつか必ず11人がそれぞれの色を持った花に
本編終了後は、アンコールを受け3曲を披露。ラフな衣装で再登場したメンバーは、「Eyes on me!!」で拡声器を手に歌い上げ、「Shake & Dance」で観客にコールや振りマネ、クラップを煽った。さらに、事前に配布された折り紙の紙鉄砲をみんなで鳴らしてシメ。観客参加型の楽曲をのびのびと楽しんでいた。
合間のMCでは、公演を振り返りつつトーク。「体感30分でした!」という興梠は、「僕の母は山下智久さんが大好き。僕も山下さんみたいなアイドルになりたいと思って、アクロバットやダンスを練習してきた」と語り、「山下さんくらいみんなに愛されるビッグなグループになっていきたい」と未来に思いを馳せた。また、濱屋は教員免許と幼稚園教諭免許と保育士資格を持っているそうで、少し前までは小学校教諭になるつもりだったとか。「今は御縁があってこのプロジェクトに参加している。こうしてみなさんと会えるのが本当にうれしいです!」と語り、「いつか、このシアターで授業しちゃうかも」と明るく伝えた。
そして、根本が「僕たちの挑戦はこれから。明日からもこのシアターで全力を注いで、今よりも必ずもっと大きく成長していきますので、何度でも会いに来てほしいです」とあいさつし、ラストの「Colors of us」へ。曲中には、「いつか必ず、11人がそれぞれの色を持った花を咲かせます。みなさんは僕らの背中を押す“風(=Winds)”になってください」との言葉があったほか、11人がステージ上で円陣を組む場面も。メンバー同士、顔を見合わせ温かい微笑みを浮かべた。はじめての公演を無事に終えられる安堵か、メンバーの顔を見て照れてしまったのかはわからないが、このときの表情がとりわけ自然体で印象的だった。
「120点と言っていいくらい、自信を持って臨めた」(根本)
公演後の囲み取材では、根本が「満席の状態での公演ははじめてでしたし、短いスパンで16曲を仕上げたので不安だった。実際、緊張で振りや歌詞が飛びそうになったメンバーもいたけれど、みなさんが温かく見守ってくださっているのが伝わってきて、なんとか最後までやり遂げることができた」と、率直な心境を吐露。手応えを問うと「120点と言っていいくらい、自信を持って臨めた」と言い切った。ちなみに、北凪は「僕は98点かな。残りの2点は伸びしろ」とコメント。それぞれに達成感をおぼえていた。
また、専用シアターを持つボーイズプロジェクトはめずらしいとしたうえで、福嶋は「(観客との)距離の近さがCloud tenの強み。『目が合った気がする』のであれば、それはきっと事実です。今後も、この距離感を活かしていきたいし、たくさんの方に知っていただきたい」とアピールした。続けて北凪も、「メンバー同士の仲の良さも、Cloud tenの強みです。とくにこの11人は、3グループのなかでも一番高いレベルを目指しているグループだと思う」と、ほかの2グループに対抗心を燃やす言葉も。ともあれ、30人全員で切磋琢磨し、「いずれ日本の名物になって、世界でも戦えるグループになれるよう頑張りたい」という壮大な夢を明かした。
個性とは、特技や趣味だけではわからない。歌声やパフォーマンス、日頃の言動や物の見方、考え方などから滲むもので、受け手が丁寧にすくい上げることではじめて広く伝わるものだ。これから連日、専用シアターで発信し続けるメンバーたち。それを受け取り、どんな色に染まるか目撃できるのは……このシアターを訪れた者だけだ。
【セットリスト】
M01. We're Cloud ten
M02. 君は君だ
M03. 太陽の傾き方
M04. ごめん 愛こそ全て
M05. 青春タンデム
M06. 夕焼けがいつもと違って見える
M07. パパラッチ鬼ごっこ
M08. 他人仮面
M09. Dress up
M10. 君とSomeday
M11. An underwater flower
M12. 僕たちの自由
M13. 次に会える日まで
M14. Eyes on me!!
M15. Shake & Dance
M16. Colors of us
【プロフィール】
Cloud ten(くらうどてん)
秋元康が総合プロデュースを手掛ける、総勢30名のシアターボーイズプロジェクト。プロジェクト名は、「最高の幸せ」を意味する「Cloud nine」から、既存の枠組みや限界を追い越してnineを超えるくらいの幸せという意味を込めて名付けられた。2026年8月2日に、ダイバーシティ東京プラザに専用シアターをオープン
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