クリストファー・ノーラン、アマチュア批評に苦言を呈す

「仕組みを見抜けることは、その仕組みを無効にすることではない」

クリストファー・ノーラン、アマチュア批評に苦言を呈す

8月4日(火) 14:00

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最新作「オデュッセイア」が米国で大ヒット中のクリストファー・ノーラン監督が、SNS時代のアマチュア映画批評における問題について語った。米Deadlineが報じた。

ノーラン監督は、中国・北京のポッドキャスト司会者ジョン・シューとの対話で、「映画全般に対してよく向けられる批判として、キャラクターを共感できるようにしなければならないから、いろいろな形で操作されたり、変えられたりしているというものがある」と語った。「それはある意味で、映画批評、あるいは物語批評の根本的な欠陥だ。なぜなら、仕組みを見抜けることは、その仕組みを無効にすることではないからだ。そこが、今日の批評における本当の問題だ」と述べた。

さらに、「人々には、その物語がなぜ自分にそういう影響を与えるのか理解できた。だから、それは機能していないという考え方がある。でも、物語とはそういうものではない。だから、私たちが物語の中で英雄的な人物を作り出すとき、語り手として、観客がその物語に持ち込むエネルギー、そして私たちの意図と観客の受け止め方の相互作用を意識しなければならない。その仕組みを人々が見分けられるという事実は、それを無効にするものではない」と説明した。

最新作「オデュッセイア」では、ホメロスの古代叙事詩を通じてそうした物語形式をたどっているため、「過去100年にわたってハリウッドが作り上げてきた、実質的に普遍的な物語の共通語を見ていることになる」とノーラン監督はコメント。「それはひとつの言語であり、その言語は世界中の人々に理解されている。そこが素晴らしいところだ。そしてそれは、非常にアクセスしやすい現代的な物語言語であり、一定のルールや慣習を持っている。その慣習を破ることもできる。曲げることも、動かすこともできる。だが、その存在を常に意識していなければならない」と持論を展開した。

そして、「私がより念頭に置いているのはアマチュア批評だ。彼らは仕組みを見抜いたと感じると、それによって作品が無効化されると思ってしまう。もちろん、ある要素についてはそれが当てはまることもあり、映画文法や映画言語はそうして進化していく。ある比ゆや作法が観客にとってあまりに馴染み深くなれば、それは変えなければならない。しかし、私たち映画作家は、その共通言語を利用している。その理解の上に築いている。観客は多くの映画を見ていて、その言語を理解している」と語った。

「オデュッセイア」は、トロイア戦争後、オデュッセウス(マット・デイモン)が妻ペネロペ(アン・ハサウェイ)と息子テレマコス(トム・ホランド)のもとへ帰るため、10年におよぶ旅の中で数々の試練と神話的な出会いに直面する物語を描く。日本では9月11日全国公開。

【作品情報】
オデュッセイア

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Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images
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