7月31日(金) 9:00
空き家を所有していると、庭の雑草や樹木の手入れが必要になります。特に夏場は草が伸びやすく、年に数回草刈りを依頼している人も少なくありません。
草刈りを業者へ依頼する場合、敷地の広さや作業内容によって費用は異なりますが、年間で8万円程度かかることもあります。
年間8万円という金額だけを見ると、それほど大きな負担ではないように感じるかもしれません。しかし、10年間続けば80万円、20年間では160万円になります。
一方、スーパーで10円安い卵を選んだ場合、仮に週1回購入しても年間で節約できる金額は約520円です。もちろん、日々の節約は大切ですが、家計全体で考えると、毎年8万円の固定的な支出を見直すほうが大きな効果を期待できます。
また、草刈りをしなければ雑草や樹木が伸び続け、害虫が発生したり、隣接する敷地へ枝が伸びたりすることがあります。近隣住民とのトラブルにつながる可能性もあるため、空き家を所有している限り、管理を続ける必要があります。
草刈り代は、空き家の維持費の一部にすぎません。実際には、固定資産税や火災保険料、建物の点検費用、小規模な修繕費なども発生します。さらに、実家が遠方にある場合は、管理のために現地へ行く交通費や宿泊費が必要になることもあります。
また、一般的に人が住まない家は傷みやすくなる傾向があります。換気や通水が行われないことで湿気がたまり、カビや木材の腐食が進むことがあり、屋根や外壁などの修繕が必要になれば数十万円以上かかるケースもあります。
さらに、空き家を適切に管理しないと、景観の悪化や防犯面の問題などから、地域へ影響を与えることがあります。管理状態によっては自治体から改善を求められる場合もあり、「管理不全空家等」や「特定空家等」として勧告を受けると、住宅用地に係る固定資産税などの特例の対象外となる場合があります。
このように、空き家は住んでいなくても維持費と管理の手間が継続的に発生する資産であることを理解しておくことが大切です。
今後も住む予定がなく、家族が利用する見込みもないのであれば、売却を検討することも選択肢の一つです。
売却が成立すれば、草刈り代をはじめ、固定資産税や保険料などの維持費を負担する必要がなくなります。また、売却によって得た資金は、老後資金や教育費、住宅ローンの返済など、今後の生活に役立てることもできます。
相続した実家であれば、「被相続人居住用家屋の3000万円特別控除」の対象となる可能性もあります。一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3000万円を控除でき、税負担を軽減できる場合があります。ただし、制度には適用条件があるため、事前に不動産会社や税理士へ相談すると安心です。
売却を急ぐ必要はありませんが、建物は年月が経つほど老朽化し、資産価値が下がることもあります。まずは不動産会社へ査定を依頼し、現在どのくらいの価値があるのかを確認することから始めるとよいでしょう。
スーパーで10円安い卵を選ぶような日々の節約は、家計を支える大切な取り組みです。しかし、空き家の草刈り代として毎年8万円を支払っているのであれば、その固定的な支出を見直すほうが、家計改善につながる可能性があります。
さらに、空き家には草刈り代だけでなく、固定資産税や火災保険料、修繕費などもかかります。利用予定のない家を所有し続けるほど、こうした費用は積み重なっていきます。
もちろん、思い出の詰まった実家を手放すかどうかは、家族で十分に話し合って決めることが大切です。そのうえで、維持費と資産価値を比較しながら売却も選択肢に入れて検討すれば、家計の負担を軽減し、資産をより有効に活用できる可能性があるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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