7月30日(木) 8:20
空き家を所有していると、住んでいなくてもさまざまな費用が発生します。
代表的なのが固定資産税です。土地や建物の所有者には毎年課税されるため、利用していない家でも支払いは続きます。また、火災保険料や建物の修繕費、庭木の剪定や草刈りなどの管理費も必要になることがあります。
例えば、年間30万円の維持費がかかっている場合、その内訳は次のようになるケースがあります。
・固定資産税:約12万円
・火災保険料:約2万円
・草刈り・庭木の管理:約6万円
・建物の点検や軽微な修繕:約5万円
・その他の交通費や管理費:約5万円
もちろん実際の金額は地域や建物の状態によって異なりますが、これらを合計すると年間30万円程度になることは十分考えられます。
このような空き家を売却した後は、原則として固定資産税や管理費などの維持費を負担する必要がなくなります。年間30万円の維持費が不要になれば、単純計算で毎月約2万5000円分の支出を抑えられることになります。なお、売却時には仲介手数料などの費用が発生する場合があります。
車を所有していると、ガソリン代や保険料、車検代など多くの維持費がかかります。そのため、家計改善のために車を手放そうと考える人も少なくありません。
一方で、普段まったく利用していない空き家に年間30万円もの維持費がかかっているのであれば、車だけでなく、空き家の維持費についても見直してみる価値があります。
特に車は通勤や買い物、通院など生活に欠かせない場合もあります。しかし、誰も住まず、今後も利用予定がない実家であれば、維持費だけが毎年発生し続ける可能性があります。
また、空き家を長期間放置すると、建物の老朽化が進みます。屋根や外壁の傷み、水回りの故障などが発生すると、大きな修繕費が必要になることもあります。
さらに、管理が十分でない空き家は近隣へ迷惑をかけるおそれもあります。雑草が伸びたり、建物が傷んだりすると、自治体から適切な管理を求められることがあります。また、管理状況によっては「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当し、住宅用地に適用される固定資産税などの特例の対象外となる場合もあります。
もちろん、思い出のある実家を手放すことに抵抗を感じる人もいるでしょう。その場合でも、「今後住む予定はあるか」「家族の誰かが利用する予定はあるか」を改めて話し合うことが大切です。
空き家を売却して譲渡所得(売却益)が生じた場合は、譲渡所得税がかかることがあります。
ただし、相続した実家など一定の条件を満たす場合には、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を利用できる可能性があります。この特例を利用できれば、譲渡所得から最高3000万円を控除できる場合があります。制度には、相続した家であることや譲渡する時期、建物の条件などの要件があります。
また、売却前には複数の不動産会社へ査定を依頼し、相場を把握することも重要です。査定額には差が出ることもあるため、1社だけで判断するより納得できる売却につながりやすくなります。
築年数が古い住宅でも、土地として需要がある地域であれば買い手が見つかる可能性があります。一方で、建物の解体が必要になるケースもあるため、売却方法は不動産会社へ相談しながら決めると安心です。
空き家に年間30万円の維持費がかかっている場合、売却すればその支出がなくなり、毎月約2万5000円の家計改善につながる可能性があります。これは、日々の節約を積み重ねるだけでは簡単に実現できない金額です。
もちろん、実家には思い出があり、すぐに売却を決断できない人も多いでしょう。しかし、利用予定がなく維持費だけを払い続けている状態であれば、一度家族で今後の活用方法を話し合うことをおすすめします。
空き家を「持ち続けること」だけが選択肢ではありません。売却や賃貸なども含めて検討することで、家計の負担を軽くしながら、大切な資産を有効に活用できる可能性があります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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