7月30日(木) 2:00
実家を相続すると、多くの人が最初に思い浮かべるのが固定資産税でしょう。固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課される地方税で、不動産を所有している限り、原則として毎年納める必要があります。
ただし、不動産を持ち続ける場合に必要なのは固定資産税だけではありません。
例えば、庭木の手入れや草刈り、建物の清掃、火災保険料なども継続的に発生する可能性があります。遠方に住んでいる場合は、実家の様子を確認するための交通費も無視できません。
また、建物は年月とともに劣化します。屋根や外壁、水回りなどは定期的な修繕が必要になることがあり、修繕内容や建物の規模によっては数十万円から100万円以上かかるケースもあります。
特に、誰も住んでいない空き家は換気や通水を行う機会が少なくなるため、湿気による傷みや設備の故障が起こりやすくなります。放置期間が長くなるほど修繕費が高額になることもあるため、定期的な管理が重要です。
「年間いくらかかるのか」という疑問に対して、一律の金額を示すことはできません。
固定資産税は土地や建物の評価額によって異なり、都市部と地方でも負担額に差があります。また、市街化区域内では都市計画税が課される場合もあり、その場合は固定資産税と合わせて納付します。
さらに、建物の状態によって維持費は大きく変わります。
例えば、築年数が比較的新しい住宅であれば、当面は大きな修繕が不要なこともあります。一方、一般的に築30年や40年を超える住宅では、屋根や外壁、防水工事、給排水設備などに修繕が必要となる可能性が高くなります。
そのほか、年間で発生する費用としては次のようなものがあります。
・固定資産税・都市計画税
・火災保険料
・庭木や敷地の管理費
・修繕・メンテナンス費
・遠方から管理に行く交通費
・空き家管理サービスを利用する場合の費用
これらを合計した年間の負担額は、修繕の有無や物件の状況によって大きく異なります。修繕がほとんど発生しない年は固定資産税や保険料などが中心となる一方、大規模な修繕を行う年には数十万円以上かかることもあります。
実家を残すか売却するかは、家族の考え方や将来の利用予定によって変わります。例えば、家族が将来住む予定がある場合や、賃貸住宅として活用できる見込みがある場合は、保有を続ける選択肢も考えられます。
一方で、誰も住む予定がなく、利用する予定もない場合は、維持費だけがかかり続ける可能性があります。そのような場合は、不動産会社へ査定を依頼し、現在の価値を把握したうえで売却を検討するのも一つの方法です。
また、空き家を長期間放置すると、建物の老朽化だけでなく、庭木が隣地へ伸びたり、害虫が発生したりして近隣住民へ迷惑をかけることもあります。管理が難しい場合は、早めに今後の方針を決めたほうが安心です。
兄弟姉妹で相続した場合は、「思い出があるから残したい」という意見と、「維持費が心配なので売却したい」という意見が分かれることもあります。
特に共有名義の場合は、売却などの重要な判断に共有者全員の合意が必要になるケースもあるため、感情だけで判断せず、年間にかかる費用や今後の活用方法を具体的に整理したうえで話し合うことが大切です。
相続した不動産を持ち続ける場合は、固定資産税だけでなく、管理費や修繕費、保険料などさまざまな費用が発生します。負担額は物件によって異なりますが、「思ったより維持費がかかる」と感じるケースは少なくありません。
一方で、すぐに売却することだけが正解というわけでもありません。将来的に住む予定があるのか、貸し出す予定があるのか、それとも利用予定がないのかによって、最適な選択は変わります。
まずは固定資産税の納税通知書や維持費を整理し、年間でどの程度の負担になるのかを把握しましょう。そのうえで不動産会社に査定を依頼し、資産価値も確認しておくと判断しやすくなります。家族全員が納得できる形で今後の方針を決めることが、将来の負担やトラブルを減らすことにつながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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