『スマドリがええねん!PRESENTS OSAKAウルフルカーニバル ウルフルズがやって来る! ヤッサ!2026 おっさんがヤッサやったっていいじゃないか!』
7月30日(木) 17:00
ウルフルズの野外ワンマンライブ『スマドリがええねん!PRESENTS OSAKAウルフルカーニバル ウルフルズがやって来る! ヤッサ!2026 おっさんがヤッサやったっていいじゃないか!』こと『ヤッサ!』が、今年も5月30日に大阪の万博記念公園もみじ川芝生広場で開催された。2000年の初開催から通算21回目のヤッサの全てを残したくて、朝11時半から入り、そこからライブレポートをすることに。
去年は通算20回目&25周年のアニバーサリーイヤーながら生憎の雨であったが、今年は去年の分もと言わんばかりの大晴天。トータス松本・ジョンB・サンコンJr.、そしてサポートメンバーの桜井秀俊(g/真心ブラザーズ)・菅原龍平(g)・浦清英(key)・小杉泰斗(key)・武嶋聡(sax)・村上基(tp./在日ファンク)・滝本尚史(trb)も昼過ぎには会場入りして、楽屋前にあるパラソルの下で座りながら楽器を弾いたり、和やかに穏やかに談笑しながら過ごしている。トータスも「芝生がぬかるんでいない!」と言いながら、陽射しを楽しんでギターを弾いていた。
オフィシャルグッズ先行販売とスペシャルコラボフードのエリアも昼前から大盛況で、トータスのラジオ番組から生まれたガッチューバーガーや大阪の人気カレー店『カレーや デッカオ』と『CURRY&NICEカトゥール』のガッチューあいがけカレーも大行列が出来ている。今回のキービジュアルを担当したイラストレーターのチャンキー松本氏の姿も見かけられた。まだ開演まで4時間以上もあるが、既に祭は賑やかに始まっている。
14時10分開場となり、ステージかぶりつき席など様々に用意されたエリアの観客皆様が広場に入場していく。16時頃からは約40人のヤッサダンサーズが最終チェックを行なっている。16時過ぎにはメンバーも支度を終えたようだ。開演直前の16時15分頃には楽屋からメンバー全員が出てきてジャケットを羽織り、記念撮影。オレンジ・グリーン・パープル・レッド・ブルー・イエロー・ピンクなど色鮮やかなスーツ姿のメンバーたち。メンバーとスタッフの本番直前のルーティンであるハイタッチ会には、ステージかぶりつき席を購入された14名の方も参加。トータスは『楽しんでいきましょう!』とヤッサダンサーズに声を掛けて、メンバー3人は観客エリア側へと向かい、サポートメンバーは舞台袖に向かう。観客エリア側に着いたところで、トータスはメンバー全員での気合い入れを忘れていたことに気付き、舞台袖のサポートメンバーたちに「ごめん!みんな!」と声を掛けて、メンバー3人で気合いを入れる。
開演16時30分直前、トータスはメンバーふたりとスタッフに「とにかく天気も良いし、汗かいて楽しくやりましょう!」と最後の声掛けをして、1970年開催の大阪万博テーマソング「世界の国からこんにちは」に合わせて観客エリアへと練り歩き出していく。観客が大熱狂する中、約5分かけて場内をゆっくりと周り、花道へと上がる。
舞台後方には、30年前の1996年に発表されたアルバム『バンザイ』ジャケットに登場する巨大ロケット「ウルフリン3号」も飾られ、「ガッツだぜ!!」からスタート。ちょうど巨大ロケットが表紙に登場する書籍「ウルフルズ『バンザイ』ザ・インサイド・ストーリー」の売り場近くにいたため、舞台と表紙の巨大ロケットを呑気に見比べたりしていた。続いて、「男気爆発!トコトンで行こう!」とトータスが叫んだ瞬間、つまりは「トコトンで行こう!」が鳴らされた瞬間、否が応でも気付く。もしかして、アルバム『バンザイ』を曲順通りに演奏するのではないかということに。というのは、普段ライブレポート担当のライターは曲順表を事前に渡される。が、この日は観客の皆様と同じように聴いてほしいと渡されていなかった。書籍『ウルフルズ『バンザイ』ザ・インサイド・ストーリー』著者のライター兵庫慎司氏が近くにおられたので確認をしてみる。3曲目「バンザイ~好きでよかった~」時点では、まだ半信半疑であったが、4曲目「暴動チャイル」で、あのギターリフが聴こえた瞬間、確信に変わり震えてしまう。アルバム『バンザイ』の収録曲でも「暴動チャイル」は、30年間も演奏されていないナンバー。何に震えたかって、当時以上に格好良く鳴らされて、よりタイト、より色気が凄かったこと。20代のウルフルズが鳴らした音を、まもなく還暦も近づいてきた50代のウルフルズが間違いなく現在に更新した音で鳴らしている。当時のツアーでもアルバム『バンザイ』20周年時の『ヤッサ!』でも、オープニングナンバーからラストナンバーまで1枚丸ごとは鳴らされていない。とんでもない今年の『ヤッサ!』が始まったのだ。色鮮やかなカラフルスーツも今想えば、むちゃくちゃ90年代のウルフルズを彷彿とさせる。
曲終わり、ソールドアウトしたこと、最高のおてんと様に感謝したところで、トータスが「これ聴いててね、お気付きの方もいるかな?!」と話し出す。
「ここまでの曲順、これ『バンザイ』いくのかなって思ってるかもしれん。その通りです! このままアルバムの曲順通りに前半は『バンザイ』を再現します!」
4月頭に実施された事前取材で30周年記念書籍が発表されたこともあり、無邪気に能天気にアルバム『バンザイ』再現ライブを年内どこかで開催しないかを聞いていたが、まさかのここで来たかと、驚愕で興奮しきってしまう。もちろん「次はあれですな!?」とサンキューおてんと様な「SUN SUN SUN’95」へ。ヤッサダンサーズも水着になって踊りまくる。
で、トータスがエレキを爪弾きながら「てんてこまいmy mind」へ。エルヴィス・プレスリーを彷彿する歌声は、より大人の歌声で痺れるし、リズミカルでスピード感溢れるサウンドも堪らない。ボルテージは一気に最高潮なんていう言葉は、今こそ使うべきだと大興奮。
曲終わりメンバー紹介タイムになるが、ジョンちゃんと紹介されたジョンBが「ジョンちゃんで~す! おさむちゃ~んです!」と言い出す。すぐに「ちょっと浮かれてしまいました。普段こんなことないんですけど」と注釈を入れていたが、浮かれる気持ちは凄く理解できるし、普段とは違うウルフルズを目撃できていることが何よりもうれしい。そうそう、ちなみに余談ですが、『ヤッサ!』本番日翌日のFM COCOLO『Got You OSAKA』の生放送でアルバム『バンザイ』再現ライブが決定したのは、4月中頃とトータスの口から話されていた。本当に大決断を有り難う御座いますという言葉しか見当たらない。
「今年遂に還暦の年を迎えまして、こんな年にこんな最高の天気で、こんな満員御礼で、こんなヤッサを本当に迎えられて嬉しいの一言です。そんなウルフルズで参ります!」
トータスも喜びひとしおだが、続いては「大阪の大阪による大阪のための大阪と言えばストラット! 曲順通りにお送りしております!」ということで「大阪ストラット(パート2)」。大瀧詠一「福生ストラット」のウルフルズバージョンであり、トータスのトーキングブルースが聴けるTHE大阪ナンバー。トーキングでは大阪の地名がばんばん出てくるが、一部の地名が万博記念公園に替えられていて、これまたうれしい。
「ダメなものはダメ」では、ジョンBの『あのー僕、一カ所ちょっと音まちがえてるとこあるんですよ」といったメンバーの台詞やり取りが聴けるのも醍醐味。しかし、ジョンBがウルフルケイスケに話しかける場面はどうなるかと思いきや、トータスに話しかけられる。「それ俺がやるのか?!」というトータスの咄嗟の言葉も良かったし、髭剃りを貸すために衣装カバンを探したら、衣装の花柄シャツでは無く、おかんのムームーが入っていたというところも完全再現! 衣装カバンも観客エリアに放り投げられ、「おし愛へし愛どつき愛」へ。こちらも「暴動チャイル」同様に30年間も演奏されていないナンバー。トータスのブルースハープも吹き荒れて、「ガッタ! ガッタ!」というシャウトも浴びせられる。
いよいよ、アルバム『バンザイ』ラストナンバー。あのスローなセンチメンタルナンバーが聴こえてくる。「泣きたくないのに」を泣きそうになりながら聴く。ホーン隊が鳴らす音で深みと重みが深みを増している。トータスはアルバム『バンザイ』全曲を演奏した感慨に浸りながら、アルバム『バンザイ』があったおかげで、ここまで『ヤッサ!』含めて来れたことに感謝する。次40周年でアルバム全曲をやるのは体力的に追い込まれるとも言っていたが、10年後のウルフルズが20代の時に鳴らした音を、どう鳴らすかも気になってしまう。でも、「ここでやれて良かった、このタイミングで!」というトータスの声が本当に清々しかった。メンバーにとってファンにとって何十年経ってもアルバム『バンザイ』は、愛おしい楽曲ばかりだということが再認識できた。
前半にもう1曲お送りしますということで、ボーナストラックと言うかとトータスが説明する。で、アルバム『バンザイ』が100万枚も売れたことに本当にびっくりしたと明かす。「その次にこの曲を出したっていうのが何ともウルフルズっぽいなと僕は今になって思います。じゃあ賑やかにやりましょか! 1996年の頭にバンザイが出て、その次のシングルがこれです! ツギハギブギウギ~!」というドナリから「ツギハギブギウギ」。マキシシングル「ブギウギ’96」の表題曲だが、まぁヤッサダンサーズも踊りまくって誠に賑やかな時間。30年前当時の興奮と高揚も想い出せたし、今現在が一番興奮して高揚してというのが、とんでもなく幸せである。というわけで、大サプライズの前半戦終了。
メンバーは一旦舞台を去り、スクリーンに何が映し出されるのかとぼーっと眺めていたら、なんと『夕陽のドラゴン』が映し出される! 自分の青春時代なので、ついつい暴走しそうになったが、しっかり説明をすると、『夕陽のドラゴン』はスペースシャワーTVで1995年4月から1997年3月まで放送された伝説の音楽番組。司会はトータスとユースケ・サンタマリア。今や盟友のふたりだが、当時は初対面であり、ふたりともまだまだブレイク夜明け前の無名時代。ところが放送中にふたりがスーパーブレイクしたので、CDショップ「WAVE クアトロ」での公開生収録も不可能になったりと、兎にも角にもウルフルズヒストリーの必要不可欠トピック。毎週、番組内ではWAVEの邦楽売上チャートが発表されていたが、「ガッツだぜ!!」が1位大登場した1995年12月の放送回などが流される。竹内鉄郎監督で大きな話題になった「ガッツだぜ!!」PV撮影裏側に密着した映像も流されて、朝4時まで撮影があったので朝10時の明治学院大学学園祭ライブ入りにトータスが遅刻した模様もバッチリ流れる。そして、「ガッツだぜ!!」PV関係者試写会から、ユースケもガヤで登場する「ダメなものはダメ」レコーディング模様まで、ありとあらゆる当時の名場面が飛び込んでくる。アルバム『バンザイ』再現ライブを観終えたばかりなだけに、感受性がおかしくなりそうなくらいに揺さぶられる。素晴らしく粋なインターバルタイム。
後半戦が始まり、登場したトータスはインターバル映像に触れる。関西弁と言うか播磨弁もキツイし、妙にイキがっていて、何にも持ってない人の遠吠えで恥ずかしかったけど、一生懸命やっている感じは楽しめたと感想を語る。アルバム『バンザイ』も力合わせて作ったものの恥ずかしさはあるが、メンバー3人共に一生懸命やったと振り返る。学園祭ライブ入り時間に遅刻したこと踏まえ、30年の間でメンバーには謝らなあかんことがいっぱいあると、その場で謝罪を行なう場面も。そんな公開懺悔も微笑ましかった。30年前があって、今がいきなりあるわけでなく、毎年頑張ったから今があるというトータスの言葉にも説得力があった。そして、一生懸命やっているウルフルズをおもろいと想ってファンが応援してくれたことにも改めて感謝する。
日暮れの気持ち良い素敵な時間。去年の土砂降りのヤッサでは泣く泣く諦めた花道でサポートメンバー含め全員が演奏する演出になり、今年は雪辱を果たすとばかりに「いつも元気(Good Times)」を聴かせてくれる。後半戦1曲目が1992年デビューアルバム『爆発オンパレード』収録曲なのも胸キュンになる。そして、最近の『ヤッサ!』では必ず歌っている夏の盆踊り先取り的な『ヤッサ!コレカラ音頭』へ。
トータスはネイティブ・アメリカンの羽根冠(ウォーボンネット)を頭に装着して、拳銃型マイク2丁を携えて、アホアホ肩車こと屈強なラガーマンによる肩車で観客エリア(ピクニックアエリアという遠方エリアまで)を練り歩く。メンバーたちが舞台で演奏する中、トータスの「バキュン! バキュン!」と叫ぶ姿を観て、去年も同じ演出があったことを想い出したが、何よりも大きく違うのは大晴天であること。土砂降りの中で観れる喜びもあったが、大晴天にこしたことはない。「明日があるさ」「しあわせですか」と2曲に渡るアホアホ肩車大練り歩きは壮観であった。
トータスは無事に舞台に戻り、舞台袖にはけて、銀ラメのスーツに衣装替えして再登場。そこで歌われるのは、「おっさんのダンスが変だっていいじゃないか!」。2025年6月リリース新曲が大盛り上がりする『ヤッサ!』は素晴らしすぎる。過去曲も現在曲も格好良いという最前線の現役感に感情が昂りまくる。ここまでの流れで感じるのは、ウルフルズはファンキーでソウルフルでダンサンブルなディスコナンバーが秀逸だということ。そんなムードに浸りまくっていたら、お次は歌詞が沁みるミディアムナンバー「笑えれば」。ウルフルズの楽曲振れ幅には、今年も感激してしまう。
鳴り響くだけで躍動感が尋常じゃない「バカサバイバー」の後は、躍動感そのままで「それが答えだ!」へ。「ツギハギ‘96」の次に発表されたシングルであり、トータスは「ガッツだぜ!!」「バンザイ」の後で考えて悩んで苦しんで、答えなんてどこにも無いのが答えと辿りついたことを観客に語り掛ける。未熟ながら歌にしたという「それが答えだ!」を一生懸命歌いますと語ったが、それをすべてイントロで語り尽くしたのもエモーショナルであった。
曲終わり、「それが答えだ!」をみんなで大合唱すると気持ちが救われたこと、そして、それは「ツギハギブギウギ」「おっさんのダンスが変だっていいじゃないか!」「笑えれば」も同じだと話す。
「これがウルフルズです!」
このひとことには、こちらも聴いていて感極まるものがあった。
「みんなが待っていてくれている限り、『ヤッサ!』をずっとやっていきたい。今年は、その気持ちがより強くなりました。みんなもそうやんな?!いつでも待ってるからね!」
トータスの言葉に激しく同意するジョンBとサンコン。「これをやらなきゃ、何をやるって曲やって、みんなで大騒ぎしよ! 大騒ぎじゃ!」とブチかまされたのは、「ええねん」。本編ラストナンバーでありながら、異様なギアが入りまくる。かっ飛ばすブッ飛ばすというか、すっとばされるナンバー。終わり、ステージ後方に打ち上げ花火が打ち上がる。
アンコール。オフィシャルグッズとしても販売されたチャンキー松本氏デザインの法被を着たメンバー10人が舞台に横一列並び、「青春」をアカペラで歌唱する。夕景の万博記念公園に10人のハーモニーが響き渡る。この日のハイライトシーンと言っても過言では無かったが、ジョンBによるベースラインとしてのコーラス『ボンボンボン』というフレーズのみになった瞬間に笑いが起きるという珍場面も! でも、そんな愉快な場面もウルフルズらしくて楽しい。
アンコールラストナンバーはウルフルズらしく締めくくるということで「ウルフルズA・A・Pのテーマ」で〆め!最後の歌詞が「Let’s Go!」で締まるのも縁起が良くて最高だった。花道にメンバーとヤッサダンサーズ・ラガーマンの総動員で歩いてきて、みんなで手を繋いでバンザイ。打ち上げ花火が何発も何発も大連発で打ちあがる。メンバーたちが花道でしゃがんだ状態で、その打ち上げ花火を見上げる姿も美しかった。19時30分終演。
舞台裏に戻ってきたトータスはヤッサダンサーズ・ラガーマンひとりひとりと握手する。アルバム『バンザイ』30周年ということもあり、当時のスタッフも多く訪れていたが、思わずスタッフのひとりと抱き合うトータス。ウルフルズチームの情熱が大爆発したアルバム『バンザイ』から30年。まだまだ感動が終わることは無いのだ、ウルフルズが大爆発してくれる限りは。なにはともあれ、毎年ずっとずっと『ヤッサ!』を待っています!
Text:鈴木淳史Photo:渡邉一生・松本いづみ・浜村春奈
<イベント概要>
ウルフルズ
『スマドリがええねん!PRESENTS OSAKAウルフルカーニバル ウルフルズがやって来る! ヤッサ!2026 おっさんがヤッサやったっていいじゃないか!』
5月30日 大阪 万博記念公園もみじ川芝生広場
【Setlist】
01ガッツだぜ!!
02トコトンで行こう!
03バンザイ~好きでよかった~
04暴動チャイル
05SUN SUN SUN’95
06てんてこまい my mind
07大阪ストラット(パート2)
08ダメなものはダメ
09おし愛 へし愛 どつき愛
10泣きたくないのに
11ツギハギブギウギ
12いつも元気
13ヤッサ!コレカラ音頭
14明日があるさ
15しあわせですか
16おっさんのダンスが変だっていいじゃないか!
17笑えれば
18バカサバイバー
19それが答えだ!
20ええねん
21青春*ア・カペラ
22ウルフルズ A・A・Pのテーマ
関連キーワード