“国が破滅するほどの敗北です”「開戦前夜」衝撃のシミュレーション結果に緊張が走る本編映像公開

「開戦前夜」

“国が破滅するほどの敗北です”「開戦前夜」衝撃のシミュレーション結果に緊張が走る本編映像公開

7月30日(木) 6:00

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2025年8月に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション昭和16年夏の敗戦」のドラマパートに約40分の追加シーンを加えた138分の完全版「開戦前夜」が、7月31日に劇場公開される。このほど、衝撃のシミュレーション結果に緊張が走る【本編映像】が公開された。

【動画】「開戦前夜」本編映像

実在した「総力戦研究所」と日米開戦への流れを描いた本作。昨年8月に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」のドラマパート(前後編計98分)は、猪瀬直樹氏のノンフィクション「昭和16年夏の敗戦」を原案として創作された。個々人の戦争への恐れや抗いを押し流して開戦へと向かった昭和16年夏の「世の中の空気」をより鮮明に描き出し、この作品のテーマをより深く伝えするべく、138分の完全版が劇場公開される。監督・脚本・編集は石井裕也が手掛けた。

1941(昭和16)年4月。真珠湾攻撃の8か月前。日本中のエリートたちが集められた「総力戦研究所」。彼ら次世代を担う“ベスト&ブライテスト”がデータから導き出したのは、アメリカに対する「圧倒的な敗北」という衝撃のシミュレーション結果だった。原爆投下以外のほぼすべてを的中させていた彼らの見解は、採用されることはなく日本は勝ち目のない戦いへと突き進んでいった。それは一体なぜなのか? 国を灰燼に帰した「空気」の正体とは―。80 年以上前の真実が、見る者の理性を揺さぶる。

この知的なサスペンスに血を通わせるのは、日本映画界を代表する実力派俳優たち。主演の池松壮亮を筆頭に、仲野太賀、岩田剛典、中村蒼、三浦貴大、國村隼、佐藤隆太、江口洋介、佐藤浩市といった面々が、歴史の分岐点に立った人物たちの葛藤を表現。単に「役を演じる」ことを超え、当時のエリートたちが抱いた焦燥や無力感を剥き出しの熱演で体現した。

公開された本編映像では、勝ち目のない“衝撃のシミュレーション”結果とは裏腹に、開戦が現実味を帯びる“空気”に焦りを滲ませる主人公・宇治田(池松)と樺島(仲野)の姿が切り取られている。

映像冒頭で映し出されるのは、一人必死に鉛筆を走らせる宇治田の姿。模擬内閣で内閣総理大臣という大役を任されながらも、机上演習では消極的な姿勢を見せていた宇治田の変化に、樺島は怪訝な表情を浮かべる。宇治田は樺島に陸海軍の石油備蓄量を尋ねるが、軍の機密事項であることを理由に明言を避ける樺島。しかし宇治田は、「手に入れてください、新聞記者なら」と切り返し、樺島に次々と資料を求めていく。樺島は「今日の閣議を聞いていないから悪いんですよ」と注意するが、必死の形相で食い下がる宇治田のただならぬ様子に、樺島は戸惑いを隠せない。

そして宇治田は静かに語りだす。「僕は愚かでした。この戦争を本当にやれると信じる人間がいるんですね」と呟き、続ける。「ごく簡単な計算でわかります。開戦後2年で石炭がなくなり、国民は風呂にも入れなくなります。この戦争、日本は必ず負けますよ。しかもただの負けではありません…国が破滅するほどの敗北です」――その“衝撃のシミュレーション”に言葉を失った樺島が、事の重大さに気づき資料集めへと駆け出していく姿が収められ、映像は締めくくられている。

本作で描かれるのは、1941年、研究機関として設置された総力戦研究所に召集された日本の若手エリートたちによる机上演習の行方と、「日本は長期戦で必敗」と予測しながら、そのデータを顧みられることがなかった歴史的事実を基にしたドラマだ。

本作について、メガホンを取った石井監督は「開戦前にいい人と悪い人の意見がぶつかり合って、結果的にいい人が負けたという単純な話ではありません」と語る。その上で、「忖度や自己保身、小さな無責任が重なり合って、結果的に誰も戦争を止められなくなった状況を見せること」が、本作において重要なテーマの一つだったと説明し、現代の観客に向け次のようにコメントしている。そして、「あの戦争に向かわせた社会の空気は、間違いなく現代にも存在します。大昔の出来事ではなく、今現在の問題、自分と強い関係のある物語として観て頂きたいな、と思っています」と。

なお公開にあたって、本作の製作委員会は「本作のドラマ版は現在係争中でありますが、本作によって特定の個人を糾弾したり、名誉を毀損したりする意図はなく、私たちの主張は裁判においても法的に認められると確信しております。本作は歴史的事実を基にしたフィクションであり、機密性が極めて高かった総力戦研究所を描き、現代にもつながる問題を提示するための作品です。今の時代にこそ観ていただきたい物語として、自信を持って映画『開戦前夜』を公開いたします」としている。

映画「開戦前夜」は、7月31日より全国公開。

【作品情報】
開戦前夜

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