7月30日(木) 0:00
会社員が将来受け取る老齢年金は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2つで構成されています。
老齢基礎年金は、国民年金の加入期間などに応じて支給される年金です。
20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)について、保険料納付済期間や免除期間などを含めて必要な期間を満たせば、原則として満額を受け取れます。そのため、今回のケースにおいて、兄が年収900万円、自身が400万円だったとしても、加入期間が同じであれば老齢基礎年金に大きな差はありません。
一方で、差が生じるのは老齢厚生年金です。老齢厚生年金は、厚生年金加入中の給与や賞与をもとにした「平均標準報酬月額」または「平均標準報酬額」と加入期間をもとに計算されます。そのため、年収が高い人ほど将来受け取る老齢厚生年金は多くなる傾向があります。
ただし、「年収が約2.3倍だから年金も約2.3倍になる」というわけではありません。年金全体には老齢基礎年金が含まれており、この部分は年収に左右されないためです。また、老齢厚生年金も前述の通り「平均標準報酬月額」または「平均標準報酬額」をもとに計算されるため、年収と年金額が単純に比例する仕組みではありません。
将来の年金額は、年収以外にもさまざまな要素が影響します。
代表的なのが、厚生年金に加入していた期間です。例えば、年収900万円でも厚生年金の加入期間が20年しかない人と、年収400万円でも40年間加入した人では、受け取る老齢厚生年金の差がそれほど大きくならないこともあります。
また、転職や育児、休職などで収入が変化すると、厚生年金の計算の基となる給与額も変わるため、将来受け取る年金額にも影響します。さらに、国民年金の保険料に未納期間があると、老齢基礎年金が減額される可能性もあります。
このように、公的年金は「現在の年収」だけではなく、「どのくらいの収入で、どれだけ長く加入していたか」が重要です。そのため、年収だけを見て将来の年金額を判断することはできません。
自分が将来いくら年金を受け取れるのか知りたい場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用するのがおすすめです。
ねんきんネットでは、これまでの年金加入記録や保険料の納付状況を確認できるほか、今後の働き方を反映した年金額の試算もできます。将来の見込み額を確認できるため、老後資金の計画を立てる際にも役立ちます。
また、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」でも、これまでの加入実績に応じた年金見込額を確認できます。将来の生活設計を考えるためにも、一度内容を確認しておくと安心です。
兄が年収900万円、自身が400万円という場合、将来受け取る年金額には差が生じます。しかし、その差を生むのは主に老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は加入期間が同じであれば基本的に同額です。
また、老齢厚生年金は「平均標準報酬月額」または「平均標準報酬額」と加入期間をもとに計算されるため、年収差がそのまま年金額の差になるわけではありません。年収が2倍以上違っていても、受け取る年金額が2倍以上になるケースは一般的ではないといえます。
将来の年金額を正確に把握したい場合は、ねんきんネットやねんきん定期便で加入記録を確認することが大切です。現在の見込み額を知っておけば、不足する老後資金を早めに把握でき、iDeCoやNISAなども活用しながら計画的に資産形成を進めやすくなるでしょう。
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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