7月30日(木) 10:40
3つの商品は、いずれもインデックスファンドと呼ばれる投資信託です。資産運用業協会によると、インデックスファンドは、あらかじめ定めた指数と同じ値動きを目指して運用されます。
その目安となる指数がベンチマークで、同協会によると、運用がうまくいっているかを評価・測定するための基準となる指標です。どの指数をベンチマークにするかで、投資先も値動きの傾向も変わります。主な違いは図表1のとおりです。
図表1
三菱UFJアセットマネジメント株式会社、大和アセットマネジメント株式会社の資料より筆者作成
オルカンとは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の愛称です。
同社は、ベンチマークとするMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)が、世界の投資可能な株式のおよそ85%を網羅していると説明しています(2026年6月末時点)。先進国と新興国の株式へ、1本で幅広く分散できる点が特徴です。
大和アセットマネジメントによると、ファングプラス(NYSE FANG+指数)は、Facebook(現Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Googleの4社を含む米国企業10銘柄で構成される株価指数です。
同指数への連動を目指す「iFreeNEXT FANG+インデックス」の信託報酬は年率0.7755%(税込)で、投資リスクとして特定の銘柄への集中投資が挙げられています。
ナスダックと呼ばれる投資信託の多くは、NASDAQ100指数への連動を目指す商品です。大和アセットマネジメントは、NASDAQ100についてハイテク企業の割合が高く、S&P500と比べて上昇時も下落時も値動きが大きくなる傾向があるとしています。
同社の「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」の場合、信託報酬は年率0.495%(税込)です。
将来の利回りは約束されていないため、年率3%・5%・7%で運用できたと仮定し、金融庁の「つみたてシミュレーター」で毎月3万円を10年間積み立てた場合の運用資産額を試算しました。
結果は図表2のとおりです。
図表2
※信託報酬などの費用や税金は考慮していない
金融庁 つみたてシミュレーターより筆者作成
元本360万円に対し、利回りの違いは10年間で約95万円の差につながります。ただし、高い利回りを狙って投資先を絞るほど結果の振れ幅は大きくなり、元本割れのおそれもあります。
オルカンからファングプラスやナスダックへの乗り換えは、株式の中でさらに投資先を絞る判断です。金融庁は、長期投資について、期間が長いほど利益が利益を生む複利の効果が大きくなり、安定した収益が期待できるとしています。
年齢が若いほどこの期間を長く取りやすいため、知人の「若いなら」という指摘には一理あります。同庁が示す分散投資は、値動きが異なる複数の資産に投資して価格の変動をある程度抑える考え方です。
筆者がこれまで家計相談を受けてきた実感では、下落時に不安から積み立てをやめてしまうと、その後の回復局面を取り逃がしやすくなります。
乗り換えるなら全額ではなく、オルカンを核に一部だけを振り分け、下落しても積み立てを続けられる範囲にとどめる方法が現実的でしょう。
オルカンは世界の株式へ幅広く分散する商品、ファングプラスやナスダックは米国の成長企業へ投資先を絞った商品です。利回りの違いは、月3万円・10年間の積み立てでは約95万円の差につながる可能性があります。
ただし、高いリターンへの期待は、下落時の振れ幅の大きさと表裏一体です。乗り換えありきではなく、下落しても積み立てを続けられる配分かどうかを基準に判断しましょう。
執筆者 : 金子賢司
CFP
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