クリストファー・ノーラン監督が最新作として映画化し、世界最古の冒険譚として約3000年にわたり読み継がれてきた、古代ギリシア人ホメロスの作とされる叙事詩「オデュッセイア」の解説書「『オデュッセイア』入門」(河出新書)が発売された。
較神話学の第一人者・松村一男と、気鋭の神話学者・沖田瑞穂(補章)による本書は、3000年の時を超え読み継がれる壮大かつ奇想天外な物語の魅力を、張り巡らされた巧みな仕掛けをひもときながら、神話や歴史的背景とともにわかりやすく解説した、かつてない入門書だ。
トロイ戦争終結後、神々の怒りに触れた英雄オデュッセウスは、故郷イタケへの帰還を阻まれ、10年にわたる漂流を余儀なくされる。旅の途中で待ち受けるのは、人食い巨人キュクロプス、一度足を踏み入れると帰れない魔女キルケの島、船乗りを死へと誘うセイレン、海の怪物スキュラとカリュブディスなど、数々の奇怪な存在たち。次々と襲い来る困難を、知恵と勇気を武器に乗り越えていくオデュッセウスの姿は、3000年以上ものあいだ世界中の読者を魅了し続けている。
また、「オデュッセイア」は古代ギリシアにとどまらず、ヨーロッパをはじめ世界各地の文学や芸術へ大きな影響を与えてきた。本書では、古代インドの二大叙事詩「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」や、日本の室町時代に作られた諸作品をひもときながら、その伝播の可能性を検討し、デフォー「ロビンソン・クルーソー」、ジョイス「ユリシーズ」といった作品への影響、物語の比較考察まで踏み込むことで、現代にも通じる「オデュッセイア」の物語の魅力を掘り下げる。
現代の日本でつくられる作品もその例外ではなく、小説、映画、アニメ、ゲームなど、数多くの物語のなかに「オデュッセイア」の系譜を見ることができます。本書収録の沖田瑞穂氏の補章では、大森藤ノ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」や、小野不由美「十二国記」といった現代の人気作品と「オデュッセイア」との画期的な比較考察を展開。世界最古の冒険譚を知ることで、現代エンターテインメントの源流を探る。
巻頭収録、地中海沿岸地図「オデュッセウスの旅の航路」(諸説あるため一例)、多岐にわたる場面に登場する神々、人々が一覧できる「『オデュッセイア』登場人物」も重宝。壮大な物語の内容を詳しく紹介し、その魅力や背景まで余すところなく解説する決定版。同書を片手に、9月11日の映画「オデュッセイア」公開を楽しみに待ちたい。
▼書誌情報
書名:『オデュッセイア』入門(河出新書)
著者:松村一男、沖田瑞穂(補章)
仕様:新書/208ページ
発売日:2026年7月28日
定価:1,100円(本体1,000円)
ISBN:978-4-309-63205-6
書誌URL:
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309632056/
※電子書籍も近日中に発売予定。
詳細は各電子書籍ストアにてご確認ください。
【作品情報】
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オデュッセイア
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