「一番与死球が多いのは巨人ですから」藤川監督の“死球発言”に批判続出…阪神にも厳しい視線が向けられることに

写真/産経新聞社

「一番与死球が多いのは巨人ですから」藤川監督の“死球発言”に批判続出…阪神にも厳しい視線が向けられることに

7月28日(火) 15:50

提供:
藤川球児監督が死球を巡って踏み込んだ発言をした翌日、阪神の主力打者に再び死球があった。

発端は7月25日の巨人戦だ。巨人先発の竹丸和幸が佐藤輝明に死球を与えた一方、阪神投手陣も大城卓三に2度ぶつけた。

藤川監督の「巨人は与死球最多」発言が賛否を呼んだ理由

試合後、藤川監督は 「一番与死球が多いのは巨人ですから。40数個で」 と指摘し、 「そういうふうな勝負にもなっていきますけども」 と続けた。試合終了時点で巨人は43与死球と12球団最多で、数字自体に誤りがあったわけではない。

ただし、自軍が同じ試合で同じ打者に2つの死球を与えた直後だったため、発言には反発も広がった。SNSなどでは 「同じ選手に2回当てておいて、それに言及することなく、相手側の死球の話をするのは違う」 と、発言の順序を疑問視する声も上がった。

また、 「ファンが言うならまだしも、監督が言うかね?」 との反応もあった。巨人の与死球数が多いという事実よりも、優勝を争うチームの指揮官が試合直後に相手球団の数字へ踏み込んだことが、議論を大きくしたようだ。

一方、阪神は今季、死球による主力選手の離脱を経験している。選手を守るために相手へ警鐘を鳴らすのは監督の役割であり、感情的に非難したのではなく、数字を挙げて注意を促したにすぎないとの擁護もあった。

翌日も主力に死球…甲子園が騒然となった一打席

翌26日の巨人戦では、6回に佐藤輝が先制本塁打を放った直後、小笠原慎之介の投球が大山悠輔に当たった。本塁打直後の死球に甲子園は騒然となったが、大山はそのまま一塁へ向かい、プレーを続けた。

本塁打直後という場面でもあり、スタンドが敏感に反応したのは当然だった。ただ、小笠原の投球が故意だったと判断できる材料はなく、前日の藤川監督の発言と直接結びつける材料も乏しい。

確認できた試合後の談話では、大山への死球を巡る藤川監督の発言は伝えられていない。試合前のメンバー表交換では、巨人・橋上秀樹監督代行と笑顔で言葉を交わし、最後は帽子を取ってあいさつしていた。少なくとも、両首脳が前日の発言を表面上引きずる様子は見せていなかった。

藤川監督は前半戦の総括でも、選手たちが支え合ってきたことに触れ、「チームの輪は保てているのかなと思います」とコメント。強い言葉で選手を守ろうとする一方、対立を必要以上に広げようとしているわけではないことも押さえておく必要があるだろう。

広島戦でも問題提起していた藤川監督の一貫した姿勢

もっとも藤川監督が死球に強い姿勢を示したのは、今回が初めてではない。7月17日の広島戦では阪神が1試合で3死球を受け、前川右京が負傷交代した。

藤川監督は「ある程度我慢はしていますけど」と切り出し、内角を攻める投手に「技術の引き上げ」を求めた。「タイガースの投手もそうですけどね」と自軍も対象に含めており、内角攻めそのものを否定したのではなく、打者を負傷させない制球力も必要だという問題提起だった。

ただし、翌18日には広島・ハーンの投球が佐藤輝の胸元付近へ抜けた直後、阪神のモレッタが小園海斗に死球を与えた。故意や報復だったとは断定できないが、阪神側にも疑念を招きかねない投球があった。

19日には大山への死球をきっかけに警告試合となったものの、藤川監督は試合後、グラウンドを離れれば前向きに進めるのが野球の素晴らしさだと語っている。強い姿勢を示しながら、試合後には矛を収める。この振る舞いにも、藤川監督らしさが表れている。

掛布氏も苦言を呈した「前へ出る監督」の是非

もっとも、指揮官が前へ出る姿勢には以前から慎重論もあった。3月の巨人戦で、巨人の新人左腕・山城京平が1イニングに2死球を与え、藤川監督がベンチを出た際、阪神OBの掛布雅之氏は「あれは、やめてほしかった」と苦言を呈した。

掛布氏は選手を守ろうとする気持ちには理解を示しつつ、相手が制球に苦しむ新人だったことから、指揮官にはもう少し余裕を見せてほしかったという考えだったようだ。藤川監督の姿勢は一貫しているが、その見せ方を巡って評価が分かれる構図も開幕直後から変わっていない。

藤川監督の発言が阪神にも同じ基準を課すことに

選手を守るための発信は、監督の重要な役割である。ただ、公の場で相手投手の技術や与死球数に踏み込んだ以上、今後は阪神投手が死球を与えるたび、同じ基準が自軍にも向けられる。

バッテリーが本来必要な内角攻めでも周囲の視線を意識するようになれば、相手への警鐘が結果として自軍を縛る可能性もある。藤川監督の言葉は、相手へのけん制であると同時に、阪神側にも重い物差しを置いたことになる。

阪神と巨人は同率首位で前半戦を終えた。緊張感の高まる優勝争いの中で、選手を守るために前へ出る強さと、対立を広げない冷静さをどう両立するのか。藤川監督の手綱さばきが、後半戦の一つの焦点になりそうだ。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

【関連記事】
1日300杯売った「ビールの売り子」が“壮絶な舞台裏”を語る。1杯あたりのインセンティブを暴露/東京ドームで生ビール1杯1000円、MLB球場ではいくらなのか調べてみた結果
打者・大谷翔平は「期待以下」…岡本和真は「予想以上」。日本人打者5人の前半戦を採点
「今すぐ外せ」85億円右腕・今井達也に批判が殺到…それでも残る“防御率0.00”という希望
大谷翔平「悪夢の12分間」で防御率が大幅悪化…防御率1点台でもサイ・ヤング賞が厳しいワケ
山本由伸が“別次元”に進化した理由。メジャー3年目の飛躍を示す「防御率以上に凄い数字」とは
日刊SPA!

生活 新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ