7月27日(月) 5:40
結論からいうと、親が所有するマンションに家賃を支払わず住んでいるだけで、税務署から問題視される可能性は高くありません。
今回のようなケースは、「使用貸借」に該当すると考えられます。使用貸借とは、お金を受け取らずに物を貸し借りする契約のことです。
親が「住んでもいいよ」と認めており、子どもがそのマンションに住んでいるだけであれば、家賃を支払っていないことのみを理由として、直ちに贈与税の課税対象になるわけではありません。
そのため、親子間で住まいを無償で利用しているだけであれば、過度に心配する必要はないでしょう。
「家賃を払っていないのだから、その分を贈与されたことになるのでは」と考える人もいるかもしれません。しかし、親子間などで住宅を無償で利用する場合でも、一定の条件下では、通常はその利益に対して贈与税は課されません。
贈与税は、現金や不動産などの財産を無償でもらった場合に課税される税金です。一方、親の家に無償で住むケースでは、前述の通り、使用貸借として扱われる場合があります。
国税庁では、使用貸借による土地などを利用する権利の価額はゼロとして取り扱う考え方を示しており、一般的な親子間の無償利用では、通常は贈与税の対象にならないと考えられます。
ただし、注意したいケースもあります。
例えば、マンションそのものの名義を子どもへ変更した場合や、多額の現金を住宅購入資金として受け取った場合には、贈与税が発生する可能性があります。また、親子間であっても、実態が贈与であれば、形式だけではなく実態に基づいて判断されます。
そのため、「家賃0円だから問題ない」と考えるのではなく、財産の移転等が伴う場合には税理士などの専門家へ相談すると安心です。
現在は税金がかからなくても、将来の相続では別の問題が生じることがあります。
例えば、親が亡くなったあとにマンションを誰が相続するのか決まっていないと、兄弟姉妹との間で話し合いが必要になることがあります。「ずっと住んでいたから自分のもの」と思っていても、名義は親のままなので、自動的に所有権が移るわけではありません。
また、親がマンションを売却することになれば、子どもは住み続けられなくなる可能性もあります。結婚後の生活設計を考えるうえでは、今後も住み続けられるのか、将来的に購入や相続を考えているのかを家族で話し合っておくことが大切です。
特に、親が遺言書を作成しているか、相続人が複数いるかなどによっても将来の状況は変わります。早めに家族で考えを共有しておくことで、不要なトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
親名義のマンションに家賃0円で住んでいるだけであれば、一般的には使用貸借として扱われるため、それだけで税務署から指摘を受けたり、贈与税が課されたりするケースは多くありません。
一方で、不動産の名義変更や多額の財産の贈与がある場合は、税金の扱いが変わる可能性があります。また、将来の相続では、住み続けられるかどうかや相続人同士の話し合いが必要になることもあります。
現在の税金だけでなく、将来の住まいや相続まで見据えて家族で話し合っておけば、安心して新しい生活をスタートできるでしょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4552 親の土地に子供が家を建てたとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
“4000万円”貯めて夢のマイホームを一括購入したら「贈与のお尋ね」が届いた!親から「援助」は受けていないのですがなぜ…?「贈与税」がかかるってことですか!?