7月27日(月) 6:20
住宅ローンの繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別にまとまったお金を返済し、元金を減らす方法です。元金が減ることで、その後に支払う利息も少なくなります。
一般社団法人全国銀行協会によると、繰り上げ返済は早い時期に行うほど利息軽減効果が大きくなり、返済期間を短くする「期間短縮型」と毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。一般的には、利息の軽減効果は期間短縮型のほうが大きいとされています。
一方、NISAは投資によって得られた利益が一定の範囲で非課税になる制度です。通常、投資信託や株式などの利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すればその税負担を抑えられます。ただし、投資には価格変動があり、元本が保証されているわけではありません。金融庁も、長期・積立・分散投資を基本とする資産形成を推奨しています。
つまり、繰り上げ返済は「利息を確実に減らす方法」、NISAは「資産が増える可能性がある方法」という違いがあります。
例えば住宅ローンの金利が年0.6%程度であれば、100万円を繰り上げ返済することで得られる効果は、実質的には年0.6%前後の利息を確実に節約できることになります。元本が減るため、その後の返済負担も軽くなる点がメリットです。
一方、NISAで投資信託を長期間運用した場合、将来は住宅ローン金利を上回るリターンが期待できる可能性があります。ただし、これはあくまで期待値であり、市場環境によっては元本割れすることもあります。
例えば100万円を年5%で20年間運用できた場合は約265万円になりますが、毎年5%の利益が必ず得られるわけではありません。逆に運用成績が悪ければ、元本を下回ることもあります。
そのため、「将来の資産を増やす可能性」を重視するならNISA、「確実に利息を減らしたい」なら繰り上げ返済という考え方になります。
なお、住宅ローンの金利が低い場合は、無理に繰り上げ返済を急ぐよりも資産運用を優先するという考え方もあります。一方で、金利が比較的高い住宅ローンでは、繰り上げ返済による効果が大きくなる場合があります。
45歳は住宅ローンの返済と老後資金づくりが重なる年代です。そのため、目先の損得だけで判断するのではなく、家計全体を考えることが重要でしょう。
まず確認したいのは、生活費の余裕です。100万円をすべて繰り上げ返済すると、急な病気や住宅の修繕費などに対応できなくなる可能性があります。繰り上げ返済した資金は簡単には戻せないため、十分な生活防衛資金を残しておくことが大切です。
次に確認したいのは住宅ローンの金利です。前述の通り、金利が高いほど繰り上げ返済による利息軽減効果は大きくなります。一方で、低金利で借りている場合は、資産運用との比較も検討しやすくなります。
最後は、運用リスクを受け入れられるかどうかです。NISAは長期運用を前提とした制度ですが、相場の下落は避けられません。値動きに不安を感じる人であれば、確実な効果が得られる繰り上げ返済のほうが安心できる場合もあります。
100万円が手元にあるからといって、必ずしも全額を繰り上げ返済やNISAに充てる必要はありません。
例えば、50万円を繰り上げ返済して利息を減らし、残り50万円をNISAで長期運用するという方法もあります。こうすれば、返済負担を軽くしながら資産形成も進められるため、一方に資金を集中させるリスクを抑えられます。
45歳では、今後教育費や住宅の修繕費、老後資金などさまざまな支出が予想されます。そのため、住宅ローンの金利や家計の状況、リスクへの考え方を踏まえて、自分に合った資金配分を考えることが重要です。
繰り上げ返済は確実に利息を減らせる方法であり、NISAは長期的な資産形成が期待できる制度です。どちらか一方が常に正解というわけではありません。家計に十分な余裕資金を残したうえで、それぞれのメリットを活用し、自分のライフプランに合った選択をすることが将来の安心につながるでしょう。
一般社団法人全国銀行協会 教えて!くらしと銀行 Q. 住宅ローンの繰り上げ返済、効果的に行うには?
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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