7月26日(日) 23:40
遺族年金には、主に遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。いずれも、亡くなった人に生活を支えられていた一定の遺族に支給される制度です。ただし、すでに離婚している元妻は、法律上の配偶者ではないため、元夫から毎月養育費を受け取っていても、元妻自身が「妻」として遺族年金を受給することは原則としてできません。
遺族年金は、亡くなった方に生計を維持されていた配偶者や子どもなどを対象とする制度であり、養育費を受け取っていたことだけで元妻が受給対象になるわけではありません。一方、養育費は元妻のための生活費ではなく、子どもの生活や教育に必要なお金なので、元妻が対象外でも子どもについては別に判断されます。
子どもが元夫から養育費を受け取っていた場合、元夫に生活を支えられていたと認められ、遺族年金の対象になる可能性があります。原則として18歳になった年度の3月31日までにある子どもが対象で、一定の障害がある場合は20歳未満までとなります。
元夫が会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合は、子どもに遺族厚生年金が支給される可能性があり、支給額は元夫の給与や厚生年金の加入期間などをもとに計算されます。
遺族厚生年金では、亡くなった父親と別居していたことだけを理由に、子どもが対象外になるわけではありません。例えば、定期的な養育費の振り込みがあった場合は、生計を支えていたことを示す資料になります。
そのため、申請時には通帳の記録や養育費に関する公正証書、調停調書などを準備しておくと、手続きを進めやすくなるでしょう。
ただし、遺族基礎年金には注意が必要です。子どもが生計を同じくする父または母と暮らしている間は、子どもの遺族基礎年金は原則として支給されません。一方、遺族厚生年金には同様の支給停止の仕組みがないため、元夫が厚生年金に加入していたかどうかが重要になります。
元夫が亡くなると、将来分の養育費を、これまでと同じように毎月請求し続けることは通常できません。養育費の支払い義務は、親子関係に基づき、元夫本人が負う義務だからです。
一方、亡くなるまでに支払期限を迎えていた養育費は、通常の金銭債務と同様に、元夫の債務として相続される可能性があります。例えば、死亡前の3ヶ月分が未払いであれば、その未払い額について、相続人へ支払いを求められる場合があります。
また、離婚しても親子関係はなくならないため、子どもは元夫の相続人です。そのため、預貯金や不動産などの財産だけでなく、借金などの負債も引き継ぐ可能性があります。こうした負債を把握しないまま相続すると、思わぬ返済負担が生じるおそれがあるため、元夫の財産状況を事前に確認しておくことが重要です。
さらに、相続財産とは別に、生命保険金や勤務先から支給される死亡退職金、弔慰金なども確認しましょう。元夫が生命保険に加入していた場合は、子どもが受取人になっていないかも確認が必要です。また、死亡退職金や弔慰金の支給条件は勤務先の規定によって異なるため、必要に応じて元夫の勤務先へ問い合わせてください。
相続放棄を検討する場合は、原則として、自分が相続人になったと知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。財産と負債の内容が分からない場合や、相続するか相続放棄をするか迷う場合は、早めに弁護士や司法書士へ相談しましょう。
離婚した元妻は、原則として元夫の遺族年金を受け取れません。ただし、子どもは年齢や元夫の年金加入状況などの条件を満たせば、遺族厚生年金の対象になる可能性があります。また、未払い養育費や相続財産のほか、生命保険、死亡退職金についても確認が必要です。
遺族年金を請求する際は、養育費の振り込み記録や戸籍謄本などを準備し、年金事務所へ相談してください。あわせて、利用できる手当がないか自治体のひとり親家庭相談窓口にも確認し、受けられる支援を早めに把握しましょう。
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
最高裁判所 相続の放棄の申述
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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