7月24日(金) 22:30
処方薬は、市販薬のように誰でも同じ条件で使うことを前提にしていません。医師が診察し、その患者に必要だと判断して出す薬です。処方箋にも、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量などが記載されます。
同じ「風邪のような症状」に見えても、原因はさまざまです。ウイルス性の風邪、インフルエンザ、新型コロナ、細菌感染、喘息、アレルギーなどで、必要な薬は変わります。親に合った薬が、高校生の息子にも安全とは限りません。
特に、解熱鎮痛薬、咳止め、抗生物質、抗アレルギー薬、睡眠に影響する薬などは注意が必要です。体質や持病、部活動での運動、ほかに飲んでいる薬との相互作用によって、副作用が出ることがあります。
薬代を節約するつもりでも、症状が悪化したり副作用が出たりすれば、結果的に受診費用も体への負担も増えます。家族だから大丈夫ではなく、家族だからこそ安全を優先しましょう。
兵庫県警察の公式HPで健康被害や法的なリスクについて注意を呼びかけています。医師が処方した薬を他人に譲る行為は、法律上の問題になる可能性があり、具体的には以下のような罰則が課せられることがあります。
・3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科
・5年以下の懲役、又は情状により5年以下の懲役及び100万円以下の罰金
医薬品の販売や授与は、薬機法などで規制されています。反復して他人へ渡したり、対価を受け取ったりすれば、無許可販売や授与として問題になるおそれがあります。また、睡眠薬、抗不安薬など向精神薬にあたる薬は、有償・無償を問わず譲渡が厳しく規制される場合があります。
今回のような風邪薬でも、処方された本人以外に使うことは、医師や薬剤師の管理を外れた使い方です。法律の話以前に、薬の適正使用から外れています。
薬剤師が「法律違反だよ」と強く言ったのは、処方薬を家族で自由に回す習慣が危険だからでしょう。実際には、薬の種類や頻度、渡し方で法的評価は変わりますが、「節約のために使い回してよい」とは考えないでください。
処方薬が余った場合は、自己判断で家族に使うのではなく、処方された本人が次に受診するときに医師や薬剤師へ伝えましょう。飲み残しがあるということは、症状が早く改善した、飲み忘れた、副作用があった、薬の量が合っていなかったなどの理由が考えられます。
余った薬を長く保管するのも注意が必要です。薬には使用期限があり、開封後は湿気や光で品質が落ちることがあります。見た目が変わっていなくても、効果が弱くなったり、安全性が分からなくなったりします。
息子に同じ症状が出た場合は、まず市販薬で対応してよい症状か、受診すべき症状かを判断しましょう。高熱が続く、息苦しい、水分が取れない、強い喉の痛みがある、インフルエンザや新型コロナの疑いがある場合は、医療機関に相談したほうが安全です。
薬代を抑えたい場合でも、医師にジェネリック医薬品を希望する、薬局で市販薬との使い分けを相談するなど、正しい節約方法があります。
病院で処方されて余った風邪薬を、同じ症状の高校生の息子に飲ませるのは避けるべきです。処方薬は、その患者の状態に合わせて出された薬であり、家族で使い回すことを前提にしていません。
薬の種類や渡し方によっては、法律上の問題になる可能性もあります。特に、向精神薬など管理が厳しい薬は、家族間でも渡してはいけない場合があります。
余った薬は自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談しましょう。薬代の節約は大切ですが、安全を犠牲にすると、かえって大きな負担になります。家族の症状には、その人に合った方法で対応することが一番安心です。
兵庫県警察医師が処方した薬はあなただけの薬です
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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