結婚のあいさつの席で、義母が静かに放ったひと言に、私はショックを受けました。遠方に住む義両親にお会いするのはまだ2度目。これから家族になるはずの人から向けられた言葉に、私は心の底から怒りを感じました。
夫が初めて反抗した理由は「私」
夫は穏やかな性格で、反抗期もなく、進学や就職など人生の節目では義両親の意向に沿って歩んできたそうです。義母は、地元で結婚相手を見つけてほしいと思っていたそうです。
それでも夫は、私との同棲を選び、反対を押し切って地元を離れました。義両親にとって、それは初めての反抗だったのかもしれません。
結婚あいさつで続いた要望
義母からは、義実家のある地域での同居の希望や、「早く孫の顔が見たい」という思い、さらに「仕事は辞めるのよね?」という確認まで、次々と言葉が投げかけられました。私はその一つひとつに丁寧に答えました。
仕事を辞めるつもりはないこと。同居は考えていないこと。何かあればできる範囲で支えるつもりであること。そしてまずは夫婦2人の時間を大切にしたいこと。夫と一緒に、はっきりと伝えました。
義母のひと言と私の返答
そのとき、義母が言いました。
「親がおかしいと子もおかしくなるのね。環境って大事ね」
私の母は長年、精神疾患がありました。そのことは同棲を始める際に夫から伝えてもらっていました。私はヤングケアラーとして過ごしてきましたが、母は愛情深く、いつも私の意見を尊重してくれる人でした。私は怒りが込み上げましたが、感情的に言い返したくはありませんでした。
私は笑顔でこう伝えました。
「環境って大事ですよね。母は、自分の人生は自分で舵を取りなさいと教えてくれました。もし子どもができたら、私もそう伝えたいと思っています。
子どもは親の所有物ではありません。それに、そんな女性を結婚相手に選んだのは、あなたが大切に育てた息子さんですよ
」
あのときの義母の表情は、今も忘れられません。その後、子どもを授かりましたが、義両親とは必要最低限の付き合いを続けています。
まとめ
あの日の出来事は、今でも鮮明に思い出します。けれど同時に、私は自分がどんな環境で育ち、何を大切にしてきたのかを改めて見つめ直すきっかけにもなりました。母から教わった「環境は誰かに決められるものではなく、自分で選び、築いていくもの」という言葉を、これからは私が次の世代へ伝えていきたいと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:佐久間千明/30代女性・会社員
イラスト:はせがわじゅん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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