7月24日(金) 23:30
同僚が自転車で通勤しているからといって、通勤手当の受給が直ちに不正になるわけではありません。通勤手当は法律で一律に支給が義務付けられているものではなく、会社が定めた就業規則や通勤手当規程に基づいて支給されます。
そのため、公共交通機関の実費を支給する会社もあれば、通勤距離に応じた一定額を支給する会社もあります。
例えば、会社が通勤手段にかかわらず定額を支払う制度にしている場合、自転車通勤でも問題にならない可能性があります。また、自転車通勤者に対する通勤手当にも、税法上の非課税限度額が設けられています。そのため、自転車通勤でも、会社の規程に基づいて通勤手当が支給される場合があります。
また、雨の日だけ電車を利用している場合や、会社へ自転車通勤を届け出ている場合も考えられます。このような事情は見た目だけでは分からないため、自転車で通勤しているという事実だけで、不正受給と判断することはできません。
一方、公共交通機関を利用していると申告し、定期代相当の手当を受け取りながら、実際には継続して自転車で通勤している場合は注意が必要です。
会社の規程に通勤方法の変更を届け出る義務があり、それを故意に隠していた場合は、過払い分の返還を求められる可能性があります。また、就業規則の内容や不正の期間、金額、本人の対応によっては、減給や出勤停止、懲戒解雇などの処分につながるかもしれません。
ただし、刑法上の詐欺罪が成立するかどうかは別の問題です。最初から会社をだまして通勤手当を受け取る意思があったのか、会社が誤った申請を信じて支給したのかなど、個別の事情を確認する必要があります。そのため、同僚の行為を見ただけで「立派な詐欺だ」と断定するのは避けたほうがよいでしょう。
また、無届けで自転車通勤をしている場合は、交通費の問題だけでなく、会社の安全管理にも影響します。
自転車は労災保険上、合理的な通勤方法として認められることがありますが、事故が起きた際は、通勤経路や事故の状況を踏まえて通勤災害に当たるかどうかが判断されます。そのため、会社が実際の通勤方法を把握していないと、事故後の確認が複雑になるおそれがあります。
同僚の通勤手当について会社へ報告しても、通常は自分に報奨金が支払われるわけではありません。社内規程に通報者への報奨制度がある場合を除き、直接的な金銭メリットは期待しないほうがよいでしょう。
ただし、不正が事実であれば、会社へ報告することで制度の公平性が保ち、ルールを守る従業員が損をする状況を防げます。また、会社が実際の通勤方法を把握できるため、自転車通勤中の事故や、無届け通勤に伴うトラブルの予防にもつながるでしょう。
その一方で、確証のない内容を実名で広めると、職場の人間関係を悪化させるおそれがあります。そのため、本人に直接問い詰めたり、周囲の同僚へ話したりするのは避け、人事や総務など限られた窓口へ相談するほうが適切です。
同僚が自転車で通勤していても、通勤手当の受給が直ちに不正とはかぎりません。まずは就業規則や通勤手当規程を確認し、疑問が残る場合は人事や総務へ相談しましょう。その際は、不正をしていると断定せず、確認できた事実だけを伝えることが大切です。
報告による金銭的なメリットは通常ありませんが、会社の制度や職場の公平性を守ることにはつながります。感情的に本人を責めず、適切な窓口へ冷静に相談しましょう。
国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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