7月25日(土) 2:40
親から特定の子どもに対して、住宅資金や結婚資金などの生前贈与があった場合、その内容によっては「特別受益」として遺産分割で考慮されます。
特別受益とは、一部の相続人が被相続人から生前贈与や遺贈によって受けた特別な利益のことです。遺産分割では、相続人間の公平を図るため、この特別受益を考慮して相続分を計算することがあります。
今回のケースでは、兄が受け取った住宅資金の1000万円がこの特別受益に該当する可能性があります。
特別受益がある場合、残された預金1500万円を単純に兄弟で750万円ずつに折半するのではなく、過去の贈与分を相続財産に加算したうえで相続分を計算します。これにより、相続人間の公平を図り、実質的に平等な遺産分割を目指すことができます。
では、実際に今回のケースにおける具体的な分け方を計算してみましょう。特別受益がある場合の計算では、まず現在の遺産1500万円に、兄が生前に受け取った1000万円を足し合わせます。この合計2500万円を「みなし相続財産」として扱います。
法定相続人が兄弟2人のみである場合、それぞれの相続分は2分の1ずつです。本来であれば1人あたり1250万円がもらえる計算になりますが、兄はここから生前既に受け取っている1000万円を差し引きます。すると、兄が今回新たに受け取る額は250万円です。
一方で、生前贈与を受けていない弟は、本来の相続分である1250万円をそのまま受け取ることができます。このように計算すると、現在の遺産1500万円は、兄が250万円、弟が1250万円を相続することになります。
法律上の計算方法が分かっても、兄が「過去のお金は関係ない」「今の1500万円を半分ずつにするべきだ」と主張し、話し合いがまとまらないことも想定できます。当事者間での協議が難しい場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てるという方法があります。
遺産分割調停では、裁判所の調停委員が双方の間に入り、客観的な事実や法律のルールに基づいて話し合いを仲介してくれます。自分たちだけで感情的な対立を続けるよりも、専門家や第三者を交えることで、円満な解決につながることがあります。
親からの生前贈与があった場合の遺産相続は、残された財産だけで判断すると、状況によっては不公平が生じてしまう可能性があります。
今回のようなケースでは、特別受益の仕組みを正しく理解し、具体的な数字を基に話し合いを進めることが大切です。もし身内だけの話し合いで解決が難しいと感じたときには、家庭裁判所の調停手続きを利用したり、弁護士などの専門家に相談したりすることを検討してください。
過去の経緯も踏まえ、お互いが納得できる形で遺産分割を進めることが、兄弟間のトラブルを防ぐことにつながります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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