7月23日(木) 23:40
親から無償で500万円を受け取った場合、渡し方にかかわらず、原則として贈与に当たります。銀行振込ではなく現金の手渡しであっても、税金の扱いは変わりません。
また、贈与税を申告して納めるのは、財産を渡した親ではなく、受け取った子です。住宅会社や不動産会社へ親が直接支払った場合でも、その支払いによって子が住宅を取得したのであれば、贈与と判断される可能性があります。
現金手渡しでは入出金の履歴が残らないため、税務署から確認を受けた際に、贈与を受けた日や金額、使い道を説明できるようにしておくことが大切です。親子で贈与契約書を作り、親が渡した500万円を住宅代金に充てたことが分かる領収書や売買契約書も保管しましょう。
贈与税の一般的な計算方法として、「暦年課税」があります。暦年課税では、1月1日から12月31日までに受け取った贈与の合計額が年間110万円以下であれば、原則として贈与税の申告は必要ありません。110万円を超える場合は、超えた部分が課税対象になります。
したがって、住宅資金の特例を使わずに500万円を受け取った場合、申告が必要です。贈与税は、受け取った金額から基礎控除の110万円を差し引き、残った金額に税率を掛けて計算します。
今回の課税対象額は、「500万円-110万円=390万円」となります。贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子が、親から贈与を受けた場合は、特例税率が適用されます。課税対象額390万円に対する税率は15%、控除額は10万円となり、贈与税は「390万円×15%-10万円=48万5000円」です。
なお、110万円は親1人ごとの限度額ではありません。その年に複数の人から贈与を受けた場合は、すべての贈与額を合計します。例えば、父から100万円、母から100万円を受け取った場合は合計200万円となるため、原則として申告が必要です。
親や祖父母から住宅の購入資金を受け取った場合は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」を利用できることがあります。
2026年12月31日までの贈与については、一定の条件を満たすと、省エネ性能や耐震性能などの基準に適合する住宅は1000万円まで、それ以外の住宅は500万円まで贈与税がかかりません。今回のように500万円を受け取った場合も、対象となる住宅の購入に全額を使えば、非課税になる可能性があります。
制度の主な対象者は、父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた人です。また、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であることや、所得や住宅の床面積が所定の基準を満たしていることも条件となります。
さらに、原則として贈与を受けた翌年3月15日までに資金の全額を住宅の新築や購入などに使う必要があります。あわせて、同日までに入居するか、その後すぐに入居することが確実と見込まれることも条件です。
ただし、これらの条件を満たして贈与税がかからない場合でも、申告が不要になるわけではありません。この制度を利用するには、贈与税の申告書に戸籍謄本や住宅の売買契約書の写しなどを添えて、税務署に提出する必要があります。
申告期限は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までです。期限までに申告しなければ、非課税制度を利用できず、通常の贈与税がかかる可能性があります。期限後は加算税や延滞税が生じる場合もあるため、すでに現金を受け取っている場合は早めに税務署や税理士へ相談しましょう。
親から住宅の頭金として500万円を受け取った場合、現金の手渡しでも原則として贈与に当たります。暦年課税では、1年間に受け取った贈与の合計額が110万円を超えると、原則として贈与税の申告が必要です。
一方、住宅取得等資金の非課税制度の条件を満たせば、一般住宅でも500万円まで非課税になる可能性があります。ただし、制度を使うには期限内の申告が欠かせません。
また、税務署から確認を受けた際に、現金を受け取った経緯や使い道を説明できるよう、贈与契約書や住宅の売買契約書、領収書などを保管しておくことが大切です。申告期限を過ぎると特例を利用できない可能性があるため、必要書類を早めに確認し、余裕を持って申告の準備を進めましょう。
国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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