7月23日(木) 4:30
母親の年金が月8万円と聞くと、「少ないのでは」と感じる人もいるかもしれません。
厚生労働省年金局が公表している「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の受給者の平均年金月額は15万1142円、国民年金の受給者の平均年金月額は5万9431円です。
つまり、月8万円という年金額は、厚生年金の平均よりは少ないものの、国民年金のみを受給している人と比べれば高い水準といえます。
ただし、年金額だけで生活の余裕を判断することはできません。家賃を支払っているのか持ち家なのか、医療費や介護費用がどの程度かかるのかなどによって、必要な生活費は大きく変わります。
仮に毎月11万円の生活費が必要で、年金収入が8万円なら毎月3万円不足します。この不足分を家族で支えるという考え方は自然ですが、負担方法は慎重に話し合うことが大切でしょう。
家族だから同額を出すのが平等に思えますが、年収が倍違えば家計への影響も異なります。
例えば、毎月母親に6万円を仕送りする場合、兄と相談者がそれぞれ3万円ずつ負担すると、お互いに年36万円を負担することになります。
しかし、年収に対する割合で見ると違いは明らかです。
・兄(年収800万円):年間36万円で年収の約4.5%
・相談者(年収400万円):年間36万円で年収の約9%
同じ3万円でも、年収400万円の人にとっては家計への負担がより重くなります。
そこで、年収割合で負担を決める方法もあります。今回のケースでは収入比がおおよそ2対1なので、毎月6万円を仕送りするなら兄が4万円、相談者が2万円とする考え方です。この方法であれば、どちらも年収に対する負担割合はほぼ同じになります。
もちろん、年収だけで決めるのが正解というわけではありません。住宅ローンや教育費、子どもの人数、健康状態など、それぞれの事情によって無理なく負担できる金額は異なります。
また、親の通院の付き添いや買い物の手伝い、介護など、お金以外の支援を担っている人がいる場合は、その負担も考慮することが大切です。
さらに、厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、親への仕送りのみを行っている世帯の1ヶ月当たりの平均仕送り額は5万6000円です。
ただし、この金額はあくまで平均であり、実際の仕送り額は親の生活状況や家族の収入などによって大きく異なります。平均額を目安のひとつとして参考にしながらも、それぞれの家庭に合った金額を話し合って決めることが重要でしょう。
親への仕送りは、「兄弟姉妹だから同額」という考え方だけで決める必要はありません。年収800万円と400万円では、同じ3万円を負担しても家計への影響は異なります。そのため、収入の割合だけでなく、住宅ローンや教育費、介護のサポートなど、それぞれの事情も踏まえて負担を決めることが重要です。
また、母親に必要な生活費や年金収入を整理し、「毎月いくら不足しているのか」を具体的に把握したうえで話し合えば、状況を共有しながら現実的な解決策を見つけやすくなります。
親への仕送りは、一時的ではなく長期間続く可能性があります。無理な負担をすると、自分たちの生活にも影響が出てしまい、支援を続けることが難しくなるかもしれません。お互いの事情を理解し合い、無理なく継続できる方法を選ぶことが、親が安心して生活するためにも、良好な家族関係を維持するためにも大切です。
厚生労働省年金局 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II. 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III. 国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査 世帯 表番号57 仕送りをしている世帯数-1世帯当たり平均仕送り額,仕送り額階級・仕送り先別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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